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忘れられないできごと

4年くらい前か。京都にあるゲストハウスに行った時の話、聞いてくれます?誰かに話して何が解決するわけでもないし、似たようなことってたぶんめったに起こらないから話す機会もなくて、でもずっと引っかかっててモヤモヤしていて。ちょっとここに書いておこうかなって思いまして。


その日は京都に泊まる予定で、そのゲストハウスの1階にあるダイニングバーで知り合って間もない友人と初めて一緒に食事に来ていた。ゆっくり話すのは初めてだったが、いいやつなのできっと楽しい夜になると思ったし、そこは食事もお酒もおいしいので、ご機嫌な夜になるはずだった。

ゲストハウスということもあって、外国人客の多い店でもある。たしか週末だった(?)こともあって宿泊以外のお客さんもたくさんいて、店内は賑わっていた。近くにスーツのサラリーマンの集団がいた。2軒目なのかええ感じにみなさん酔っ払いである。(週末の酔っ払いの気持ちはよくわかる。)近くの席で楽しそうに騒いでいたのでいろいろ聞こえてきた。そのサラリーマンたちのそばに白人の女性二人組が座っていた。酔っ払いのサラリーマンの一人が片言の英語で話したりしている。彼女らも旅先で見る日本の酔っ払いを楽しんでる(?)様子だった。が、いつの間にかサラリーマンがありえないことを言い出した。

「君たちISじゃないよね?だったら困るよぉ〜」

は?いまなんつった?と思ったその言葉を、そのサラリーマンは何度も繰り返す。
ISとは、イスラム国やイスラム過激派を表す略称で、当時世界が最も警戒していた組織だ。


そう言われた彼女らはその日本語が伝わっていたのかどうかわからない。けどあまりに失礼だし、聞こえてきたこっちも不快だし頭にきた。が、わたしは何もしなかった。サラリーマンに文句言うこともできただろうし、彼女らに声をかけることもできた(英語話せないけど)。けど、何もしなかった。なんとも言えない感情を押し殺すことにして友人との会話に集中することにした。一緒に食事するのが初めての友人を置いて、いきなり席を立ってサラリーマンにキレに行くのはなんか違うなと思って。いまこうして文字にすると言い訳でしかない。ひどい。
ほどなくしてサラリーマンたちは帰っていったんだけど、私の中にもやもやが残った。それが結局いまも続いているってこと。あーゆーときに結局自分は何もできないんだなと痛感させられた気がする。

こんなことってそう頻繁に遭遇することじゃないけど、存在するんだよな。ボーッと生きてたら気づかないかもしれないし、なんならボーッと生きてて加害側になるかもしれない。いろいろ敏感でありたいなと思うし、行動できる人間になりたい。


あなたならどうするって外国のモニタリング番組。目の前で誰かが傷つけられてる現場を見た人がどう行動するかをモニタリングする番組。たまにSNSでこの手の動画が流れてきて、見ると思い出す。
https://youtu.be/2j1Uio_abK4


書いたからってスッキリしたわけでもないけど、とりあえず書きました。次からは動ける人間になりたい。なのでもし同じ場に居合わせた方はわたしの背中押してやってください。小指でチョンっと押してくれたら嬉しいです。

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