魂をこめるということ

正式にファクトリーで働き出して
2週間が経った。
もっと立つような気がするけど、
まだ1ヶ月も経ってなかった。

正式に働き出してから
朝礼に参加するようになった。
その朝礼で、
毎回、大声でナンバーワン宣言をしている。
全員が順番にするんだけど、
私の宣言は
『魂のこもった縫製日本一』。

きっと、
ここで働く誰もが
作品に魂を込めている。
それすらを超えて
日本一魂のこもった縫製を目指す。

自分で考えて決めたナンバーワン宣言だけど、
きっとその本質は
まだ私の中で明確になっていない。

でも今一度考えるきっかけとなる出来事があった。
私はなんに対してでも
効率を考え
無駄を少しでも省き
少しでも早く来なくことを考える。
縫製に対してもそう。
ファクトリーでミシンを踏んでいて、
押さえという金具を
部位によって付け替えないといけなくて
それを、少しでも効率良くしたくて
『ターレット押さえ』というアイテムを手に入れて、
ファクトリーのミシンにつけた。
それは押さえをあらかじめ3種類つけられて
場所によってクルクルと円盤のように回して
使いたい抑えに変えることができるという
なんとも画期的なもの。
押さえを変え忘れても
くるっと回すだけだし
すごく楽で、
効率も少なからず上がったように思っていた。

でも、ファクトリーの指導してくれる人に
ここのファクトリーでは
そぉゆうのは使わないよっと言われた。
それは、
私を責めるのでも
怒っているのでもなく、
心を込めるということ、
魂を込めるということの考え方について教えてくれていた。
このファクトリーでは、
裁断機を使ったりしない。
たとえそれが便利だとしても、
人の手で直接ハサミを持って切っていく。
それは、その手間すらも魂を込める一つの方法だから。
小さな手間、大きな手間、
いろいろあるけれど、
それを無駄なこととはせず、
丁寧にすることで
心を込め、
魂を込めるのだ。
祭壇気を使ったからと言って、
ターレット押さえを使ったからと言って
それが悪いとは言えない。
魂がこもらないとも言えない。
でも、ここでは、
そうゆう魂の込め方をしてきたということ。
私は、
いろんな話を聞いて
わかったつもりになっていたけど
この時やっと本当の意味で分かったような気がした。

私が宣言に入れた
『魂のこもった縫製』。
魂を込めるってなんだろう。
効率を求めることは大切だけど
ただ早ければいいわけじゃない、、、
ただ楽したいのなら、
それは魂を込めることを忘れてるのかもしれない。

効率を求めるために
時短を目指すために
機械に頼ること。
一概に悪とは言えないけど
私の目指す
『魂のこもった縫製』をやっていくには
なんでも早ければいいというわけじゃないのかもしれない。
ものすごく考えさせられる出来事だった。

私はどうやって魂を込めていくのか、、、
これから私がいろんなことにぶつかりながら
本当の意味を見つけていくことになるんだと思う。
誰かに言われた言葉をそのまま受け入れるのではなく、
私なりの言葉で
考えで、
その答えを見つけていきたいと思った。

私は

魂のこもった縫製日本一でいきます!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?