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みなえみ日和

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3と7のつく日に投稿する「みなえみ日和」なエッセイです。
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#みなえみ日和

435.みなえみ日和7 ~いっしょに帰る~

職場の昼休み。奥さんのむすんだ、大きなおむすびをほおばりながら、再任用職員のSさんが、台風情報を見ながら、ぶつぶつつぶやいている。   「墓に迎えに行かなあかんが、13日が台風やったら、線香が消えてしまうから、1日早いが12日に行かなしゃあないな」   (墓に迎えに行く?)   お盆には、お墓参りをすること、ご先祖さまが帰ってくることは知っていたけれど、きゅうりの馬に乗って、戻ってくるのだと思っていた。   心を向けたときにいつでも、先祖故人はそばにいて、守ってくださっている

347.みなえみ日和5 ~結びは祈り~

(結んでできあがったかたちに、神様が宿る) (結びは、祈りのかたち)   だから、こんなにも心惹かれるのだとわかります。   神道において、結びのかたちが神格化されていることを思い出します。 日本人が、つつむことと、むすぶことで、表には出さない祈りの気持ちを表してきたことも。   (本文より)   *************   天然石をマクラメ編みという技法でくるんで、装飾をしたアクセサリーがあります。   以前から知っていましたが、先日の夜更け、パソコンの画面に飛び込んで

345.みなえみ日和4 ~耳をすまそう~

まるで、出迎えてくれているように、まあるいフォルムの葉が、黄緑、黄色、橙、赤に色づき、どこを見ていても美しくて、見飽きることがない。   木々の声は優しく、何枚写真を撮っても、納めきれない。 茶色くなった皮がはぜて、つるりと表れた白い実は、清らかな鈴のようだ。   いっせいに鳴り出したら、どんな涼やかな音がするのだろう。   (本文より)   **********   初めて降り立ったJR同志社前の駅は、改札が地上よりも上にあって、一面の田んぼと山が見晴らせる。   目的地の

342.みなえみ日和3 ~夕焼けの中~

注文した品が目の前に置かれたとき、思わず、声をあげた。 色だけだと思っていたら、とんぼの焼き印が施されていたからだ。   (とんぼがいる!)   (本文より)   ******   京都御苑の近く、烏丸通から一条通を西に入った、静かで歴史的な町並みの中に、「虎屋菓寮 京都一条店」がある。 寛永5年(1628)より前から、店を構え、御所の御用を勤めてきた場所だという。   大きな窓からは、庭が見晴らせ、明るい光がさしこみ、シンプルで品格を感じる空間は、ホテルのロビーラウンジのよ

339.みなえみ日和2 ~「つぼみ」と「露」~

名前を知ることで、創り手が吹き込んだいのちが目覚め、その想いが届く。   (人は、大切なものに名前を付ける) (名前には、使命が宿る)   (本文より)   *********   ◆つぼみ   いただいた老舗のそばぼうろの包をあけると、目にとんできた二つのかたち。 花のかたちと、丸のかたち。 そばぼうろは、どこのメーカーのものも、花びらが5枚で、花芯の部分が丸く抜かれているものだけど、丸いかたちが入っているものは見かけない。 まんなかの穴を抜いたときの生地を焼いたのだろう

338.みなえみ日和1 ~ちょっとだけ熱い~

(ちょっとだけ熱い)っていいな。   ミツバチが追いかけられるくらいの速度で。 チワワが疲れない程度の速度で。 ちょっとだけ熱い気持ちで。   自転車をこぐ「みなえみ日和」   (本文より)   **********   「中身は変わらないのだから、見せ方は必要ない」とか、「見えないところが大事なんだから、見せなくてもいい」などと、自分に関しては思っていたけれど、そうじゃないかもしれないって思い始めた。   (自分や、自分から生まれるものを、もっと、大事に、もっとていねいに扱

337.みなえみ日和

3と7のつく日は、みなえみ日和。 3・7・13・17・23・27・30・31 どんなふうにするか、まだ何も決まっていないけれど、「みなえみ日和」的マガジンを、3と7のつく日に投稿していこうと、今朝、決めました。 毎回書いてもいいし、スキップしてもいいし。  笑顔になってもいいし、ならなくてもいいし。 目標 年内10投稿。 浜田えみな