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みらいのワークプレイスからコミュニケーションを考えてみた。

先週木曜日、11月のカフェゼミが開催された。「創造性を喚起するワークプレイスのデザイン」というテーマで、WORKSHIGHT編集長の山下正太郎さんがいらしてワークプレイスの今について考えた。

オーストラリアの銀行では、ABW(Activity Based Working)が導入されているらしい。ABW(Activity Based Working)とは、働く場所と時間を自由に選択できる働き方だ。会社側は、人数分のデスクを用意する必要がないのでコスト削減になる。働き手にとっては、私生活と仕事のバランスが取りやすくなる。一方で、日本にはまだこのような形態のオフィスはほとんどない。約9割が、かつての工場の意味を持ったオフィスだそうだ。窓の方から順番にえらい人が座り、上司のハンコを待っているオフィス。おもしろいのは、ABWを導入したときの社員たちのコミュニケーションの変化だった。山下さんは「友だちのような、ソーシャルな会話ばかりになる」とおっしゃっていた。出社する日も出社する時間も選べるようになり、毎日違う席に座るとなると、会社に行って毎度同じ人と会うほうが珍しくなる。久しぶりに会った人と、「元気?」「最近どう?」みたいな会話がなされる。わたしは不思議だった。会う機会が減ると、コミュニケーションの機会が減ってなかなか仕事がうまくいかないんじゃないかと思ったからだ。現に米Yahoo!は2013年にリモートワークを廃止している。理由は「集団でいる方が、コミュニケーションが促進されるから」だ。

日本でもABWが主流になったらすてきだと思う。課題はたくさんあると思うけれど、そのひとつがコミュニケーションだと思う。仕事終わりに飲みに行ったり、週末も一緒に遊んだりして一緒にいる時間が増えると仲良くなる。でもABWで大事なのは一緒に過ごす時間を増やしてキズナを深めることじゃなく、短い時間で濃密なコミュニケーションをとることなんじゃないだろうか。そのためにはどうしたらいいか。私たちはもっと、自分の欲しいものや、したいことや好きなものを、口に出して相手に伝えようとすることが大事だと思う。忖度は全然コミュニケーションじゃないと思うけど、相手の気持ちを察するのがコミュニケーションだと思ってる人はけっこういると感じている。察して、その意見に合わせて、波風たたないようにすることは全然コミュニケーションじゃないし、全然創造的じゃない。主張もせずに「察してほしい」「気にしてほしい」みたいなコミュニケーションをやめることが、創造的に働くための一歩だと思う。



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