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山陰本線と瀬戸内航路(5県)

企画の経緯

先日北日本クルーズをしたことで、以前はメインの海路であった日本海航路から瀬戸内に航路で大阪へ、北前船ルートをトレースしてみたいと思いました。
ところが、舞鶴~下関までの日本海航路は現在存在しない※ため、海路はあきらめることに(※コンテナ輸送船は除く)。それであれば日本最長ローカル線、山陰本線で日本海海岸を下関へ、門司に渡ってからは瀬戸内航路で北前船気分を味わうことにしました。

また北前船ルート企画中に地図を眺めていると、日本一周を思い立ったので、分割して日本一周するルートを企画しました。日本一周については別途まとめることとしますが、今回の北前船ルートもその一部となっています。

旅程

アクセス

▼大阪>豊岡(兵庫)
山陰本線を行くのに日本海沿いでどこを起点にするか迷いましたが、豊岡を起点とすることにしました。金曜の終業後に大阪駅から豊岡へJRで特急を乗り継いで移動。翌朝の出発を待ちます。

▼豊岡>鳥取>長門市(山口)>下関(山口)
山陰本線はともすると分岐のたびに山陽方面へ引きずられるため、乗り換えの間違いに注意しながら、乗り継いでいきます。時間、乗り換えなどどうやっても効率が悪いようです。しかし今回は、日本海の海上ルートの代替のため、海岸を縁取るようにゆく山陰本線を選びます。
豊岡>浜坂>鳥取 ≫ 益田>長門市>小串>下関 と乗り継ぎ、鳥取 ≫ 益田のみ、特急利用です。

▼門司(福岡)>大阪
下関からはJRで門司に移動し、名門大洋フェリーで瀬戸内航路を使って帰阪します。

目的

①北前船ルートをできるだけ再現
②日本海航路の代わりに、日本最長のローカル線山陰本線の利用
③瀬戸内航路は、海路を利用


旅の内容

山陰本線を走破するのに一日かかるため、計画段階では出雲の観光や途中で1泊なども検討してみましたが、今回は一気に駆け抜けることにしました。よって観光は無しの移動自体をメインとする旅になりました。

左上から右および下へ:餘部駅では土砂降りのためホームに降りることもできず/日本海の海岸沿いを走る/鳥取駅で特急に乗り換え/鳥取駅で購入した、かに幕の内弁当/ルートを誤り渋木駅で引き返し/長門市駅の駅の色どりにルート誤りの心を癒される/日が暮れたあとの小串駅/翌朝船上、淡路島から昇る朝日

アクセスについて

日本海航路の代替ルートを検討し、レンタカーで国道9号線案ではなく山陰本線を選択。また今回は効率よりもルートを最優先としましたが、今回の企画でなければこのルートと距離、私は生涯乗車することはなかったかもしれません。

豊岡>下関で路線検索しても山陰本線が検索結果上位にくることはないため、細かく乗り換えの時刻はチェックしていたのですが、残念ながら山口の長門市駅では乗り換えミスをして引き返しが発生してしまいました。同時刻別ホーム発車に乗ってしまい1時間ロス… ですが、ルート修正が可能だったことは幸いでした。
乗り継ぎの多い列車の旅にはもっと注意と地名や路線知識が必要だと痛感します。

山陰本線

▼竹野駅(兵庫県)
豊岡を出発後、城崎温泉を超えて日本海へ出る直前、竹野駅では北前船の寄港地としての情報を目にしてテーマに触れたことでテンションが上がりました。

北前船の手がかり、竹野駅

▼餘部駅(兵庫県)
日本海の景色と高台のホームの景色を大変楽しみにしていたのですが、通過タイミングで土砂降りの雨。残念ながら景色を堪能することはできませんでした。

▼鳥取駅(鳥取県)
構内に因幡の白兎が砂アートで作成・展示してあり、日本神話に触れることができて嬉しくなりました。思い切った構成とコミカルさがじわじわと心に残ります。

砂のアート

鳥取駅では駅弁を購入し、特急に乗車しました。かに幕の内弁当はふっくらとしていて大変美味しかったです。鉄道の旅は移動しながら食事ができる駅弁は、効率的で地産に触れられて、やはり良いものだと思います。

島根県、出雲に近づくと雨があがりところどころ青空の見える日本海の景色をみることができました。山陰本線は海岸線が線路の足元にまで迫る場所がところどころあるのが印象的でした。

車窓に日本海の波が迫る

ルート選択を間違えなければ、本州最西端の梅ヶ峠駅のあたりで夕日が沈んだかもですが、通過するころにはすっかり夜になっていました。


瀬戸内航路

名門大洋フェリーで、一日鉄道移動で固まっていた身体を伸ばしながら快適に帰阪します。よく朝は大変好天に恵まれ、いつにもまして美しい明石海峡大橋の潜り抜けを朝食をとりながら眺めました。海は本当に穏やかで、よい船旅でした。

美しい明石海峡大橋

多くの航路と港があることと内海による穏やかさから、瀬戸内海は航行しやすいのかというと、多島や海峡の狭さなどから航行には難所になるようです。しかし大阪、神戸という巨大な市場が、難所であってもなお、活発な航路を維持しています。



旅を終えて

代替北前船ルートを旅することで、瀬戸内海航路との違いや、山陰地方、日本海側の交通や物流の変化を認識することができました。
現状では巨大な市場が日本海側にないことで、現在客船は定期運行する航路が京都の舞鶴までありませんが、敦賀まで延伸してくる北陸新幹線の登場が、日本海側の活性化に大きく寄与するとよいなと思います。

以上

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