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「3月のライオン マニーちゃん 根付鈴」のこだわりポイント

こんにちは、EMICEスタッフです。

先日EMICEでは「3月のライオン マニーちゃん 根付鈴」の受注生産販売の受付を開始いたしました。

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今回のnoteは、こちらの製品を制作する中で、原作者の羽海野チカ先生と一緒にこだわった様々な点について、ご購入者の方にも知っていただきたいという想いから書いたものです。

なるべく伝わりやすい表現になるように書きましたので、ぜひおつきあいください。

マニーちゃん根付鈴企画が動き始めるまで

まず、簡単な自社紹介になるのですが、弊ストア(EMICE)は、羽海野先生の姪が代表を務める株式会社オカウチプロダクションによって運営されています。

先生と姪との間で「一緒に何かを作りたいね」という話が以前からあった中で、羽海野先生の「以前から根付鈴が作ってみたかった」という一言がきっかけとなり、今回の根付鈴の制作企画は産声を上げました。

具体的に作りたいものが決まったら、まずは「3月のライオン」の発行元でもある白泉社さんへの相談からスタート。
商品企画に対して許諾をいただけ、晴れてライセンス商品として制作が開始しました。

とはいえ、ここまではまだまだスタート地点。
生半可なクオリティのものでは監修でOKをもらえない可能性もあります。
もちろんEMICEとしても「3月のライオン」のタイトルに恥じない商品開発を行ないたいという気持ちがありますので、ここから羽海野先生との熱い熱い制作の日々が始まりました。

マニーちゃんのやわらかい丸みを目指して

立体物の制作にとりかかる前に、まずマニーちゃんを左右上下前後の6方向から描いた図面を作成します。
鈴は金属板を金型でプレスして作るため、人形焼きや鯛焼きと同じように、原型に極端にとがった箇所や、先端が膨らんでいる箇所があると、金型から抜けなくなってしまいます。
この「金型から外せる形状」という制限の中で、マニーちゃんのポーズや小物の位置などを決めていきました。

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この図面の作成は、一見シンプルな作業にみえて実は奥が深く、どの方向から見てもつじつまが合うように描かなければなりません。
一度描いたデザイン画は時間を置いて見返して微調整を繰り返します。
さらに羽海野先生にもお見せして直接修正してもらうことで、マニーちゃんのかわいらしいまるい形のイメージを固めます。

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図面が出来上がったら、これを原型師さんへお渡しして原型の制作をお願いします。
原型は、鈴の金型を作るための最初の造形物で、原型師さんが図面と照らし合わせながら、滑らかな質感の粘土で作ります。
この原型の出来ばえが鈴の完成度を左右します。

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原型についても図面と同じように、羽海野先生に確認をお願いし、修正を繰り返すことで、理想の形に近づけました。

こうして、ふっくらとした全身や、丸みをおびた耳やハナ先のバランス、細かい刻印や模様など、細部までこだわりがたっぷりつまったマニーちゃんの鈴の形が完成しました!

羽海野先生の画風と色使いを再現するために

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実は鈴の彩色についても羽海野先生のこだわりがあふれています。

作りやすさやコストのことを考えると、本来鈴に使う色の数は少なければ少ないほど良いのですが、今回は羽海野先生の色使いを再現することを優先して、制限を設けずに色の数を増やしました。

マニーちゃんの「ほっぺや耳のピンク」と「前掛けの赤」などは、比較的近しい色として「赤寄りピンク」などにしてまとめる場合がありますが、羽海野先生の淡い色使いやマニーちゃんの華やかなかわいらしさを表現するために、ピンクと赤に別々の色の塗料を使うことにしました。

鈴の色は工場の人が塗料を一色一色吹きつけて作ってくれています。
なのでまったく同じものは2つとなく、ひとつひとつ少しずつですが個性があるものになっています。
たとえば目を着色するときは、目以外の部分を覆うマスクをしてから吹きつけるので、この工程はマスク塗装と呼ばれています。

鼻のクシュっとした線や、瞳の光、前掛けの細かい南天の模様などの、一般的に表現が難しい細かい部分も、工芸社さんにお願いして再現できる方法を考えてもらいました。

根付紐の色合いと質感

根付紐の配色も羽海野先生と一緒に決めたものです。
マニーちゃんの晴れやかな雰囲気を表現するために、今回は単色の紐ではなく6色の紐を使うことにしました。
いくつかの紐を比べて、表面の質感も重視し、なめらかな艶があるふっくらとした紐を選びました。

マニーちゃんのためのパッケージ

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今回のパッケージは、マニーちゃんの根付鈴をおさめた状態で形や色や柄が調和して見えるように、オリジナルの抜型から制作しました。

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作中でマニーちゃんが入っていためかぶ箱をイメージした箱と、座っていた座布団をイメージした中敷きを印刷で再現しています。
また、鈴を持ち物につけたりして使わずに、部屋に飾って楽しむこともできるように、箱を透明のスリーブに差し込みました。
印刷されたウミノクマは、羽海野先生の描きおろしイラストです。

最後に

そんなこだわりにこだわった根付鈴。
白泉社さんから監修OKをいただく際も「とてもかわいいですね」とコメントをいただけました。
受注期間は2020/10/04(日)23:59までとなっていますので、ぜひお買い求めいただけるとうれしいです。

羽海野チカ 3月のライオン マニーちゃん 根付鈴
販売ページはこちら

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受注期間:2020年8月30日(日) 〜 2020年10月4日(日)23:59
お届け時期:2020年12月下旬 ~ 2021年1月中旬ごろ

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