JPHUB: 日本語を第二言語とする外国人の観点から
以下はVRCをやりながら日本語を習得してきた英語話者の個人的な意見です。
私は四年間以上ずっとVRCをやってきて、ゲーム内で色んな文化の変化を見てきたのです。最初、VRCはあまり知名度がなくて、VRC内で時間を過ごす人が大体落ち着いていて、その人達はただ人間と会話をしたかっただけでした。VRCは人気がなかったため、パブリックワールドに入ってくる人達は音楽を鳴らしたり、爆音を出したり、悪口だけ叫びながら駆け回ったりすることがほとんどなくて、まともな人間と話すことができる時代でした。
しかし、3年ぐらい前、VRCは誰かの人気ユーチューバーに発見され、ソニックのナックルズブーム(元ネタが知らない人はユーチューブでVRC Knucklesを検索してみてください)がやってきて、パブリックワールドで過ごす日々がなくなりました。英語圏のパブリックワールドは圧倒的に会話に興味がなくて、ただ荒らしをしたい人にだけ集られるようになりました。パブリックワールドに入った瞬間、ナックルズに囲まれて酷いこと言われたり、マイク越しで唾を吐かれたりするような環境になりました。そのため、まともな人間と会話したい人達にはプライベートワールドに居座る傾向がすぐに出ました。その時以来、古参の英語圏のプレイヤーはパブリックワールドに行かないようにしています。未だにも、行ってみると、すぐに誰かにVRCをクラッシュさせられたり、英語でも知らない言語でも悪口を浴びさせられたりするような環境になっています。
当時はたまたま日本語を勉強することにハマり、VRCにはリアル充の周りの居ない日本人がいることに気づきました。JP Shrine(今のJP Shrineとは別のワールド、もうありません)に行って、そこで、外国人があまり居なくて、日本人や日本語の話せる韓国人と友達になり、他にいない日本にいるような環境が出来て、そこで時間を過ごす日々が多く経ちました。しかし、VRCは人気を集めつつ、厨房が増えていたから、JPのワールドも厨房で一杯になるまでは時間の問題でした。その時から6ヶ月ぐらい後、大好きなJP Shrineは厨房に集られ、VRCのパブリックの居場所を再びなくしてしまいました。その厨房は国籍が様々で、日本人の厨房だったり、韓国人の厨房だったり、アメリカ人の厨房だったり、ロシア人の厨房だったしました。日本語話者の友達にも英語圏の友達と同じように、プライベートワールドに居座る傾向が出て、もうパブリックに居ることがなくなりました。その時以来、VRC内でVRCの友達を作ることがなかったです。Discordかなんかで、新しいサーバーに入って、そこからVRCの友達を作るようになりました。
だから、日本人の嘆く「Weeb問題」は理解していると言いたいところですが、JPHubの解決方法はどこかで間違っていると思います。言いたいのは、日本人が今対面している問題は、日本コミュニティーだけの問題ではないし、厨房が「外国人である」ことに責任を押し付けるのも間違っていると思います。英語圏でも、パブリックワールドは長くいるようなところではないのです。VRCは知名度を集めすぎて、パブリックワールドでは色んな国籍を持った厨房は避けられない存在となりました。日本人の抱えるWeeb問題は厨房問題の一種です。
しかし、日本人と違って、アメリカ人やイギリス人は厨房が「英語話者でない」ことにその責任を押し付けていない。英語圏のワールドでは厨房は当たり前過ぎて、もう仕方ないっていう人が多いのです。国籍や人の母語はほとんど関係ないのです。だから、JPのプレイヤーが対面するのはWeeb問題より大きいものです。VRCの管理側で何かをしてくれないと、ますます環境が悪化し、普通のプレイヤーはパブリックから居なくなって、VRC内で人出会えなくなっていきます。VRCのパブリックワールドは現在厨房にとって完璧な環境です。日本語のスラングだけ言ったり、「お前はもう死んでいる」としか日本語が話せない人はただの厨房だし、その大きな問題の一部となっています。人の国籍や話す言語に、「外国人である」ことに責任を押し付けるのはよくないのです。
個人的に、JPHubは外国人を入らせないために、ああいうクイズ対策を取ったのを聞いたときに、少し傷つきました。もう長い間、日本のワールドに行って日本人の会話を聞いてみると、「外人がうるさーーーい」とか「外人が多すぎる、どっか行こう」っていう日本人が嘆くところがよく見てきたから、JPHubの前からも「ああー、JPのワールドはやっぱり私に寛容じゃないなー」って思うようになってしまいました。日本語が話せるにも関わらず、日本人が厨房の「外国人である」ことに責任を押し付けるのを見てきたから、外国人であっても日本語が話せる私みたいな人にも寛容的じゃないように伝わってしまいます。その厨房問題を外国人に責任を向けるから、日本語が話せる外国人も、「私がその問題の一部になっているのか」と思ってしまいます。私の日本語学習者の友達も同じような経験を持っています。責任は外国人側に押し付けられているから、「もうVRCで日本語を勉強するのをやめようか」ってなる友達が多いです。
JPHubのクイズのような対策は差別的だと思うし、以上の外国人の抱える問題を悪化するので、「他に良い対策はないのか」と思います。日本人が落ち着いていられる場所があってほしいですが、もっと大きく、VRCは何かの管理側の厨房対策が必要です。そうしないと、厨房は厨房らしき荒らしをしに来るのはどこのワールドでも防げないと思います。JPHubの対策はいずれ突破されるし、日本人は外国人に寛容的じゃないことも伝わってしまうから、今の対策をもう少し考え直してほしいです。日本人が落ち着いていられる、真面目に日本語に興味のある外国人にも寛容的な環境があってほしいですが、どうやってそういう環境が作れるのかはわかりません。ただし、今のJPHubの解決方法は間違っていることだけは確信しています。
もうVRCに来てないから、日本語で書くのは久々だし、一期に書いたので、わかりにくいところあったらすみません。VRCに来てないのは理由が2つあります。1つ目は、英語圏では厨房が多すぎて、もうまともな人間とはパブリックワールドで出会えないからです。2つ目は、日本人がよく「外人」って嘆くから日本人と話すのがちょっと怖くなってVRCでの日本語の勉強をほとんど諦めたからです。
あと、これはあくまで個人的な意見です。
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