超伝導体以外の全ての物質は電流を流した時に熱が発生し、電気エネルギーの一部が失われます。これは、非常に電気を流しやすい金属であっても例外ではありません。導線の電気抵抗は、太いほど小さくなり、長いほど大きくなります。材質の違いも電気抵抗の大きさに影響を与えます。
一般的に金属は温度が高くなると抵抗値が増えます。
これらの現象は、簡単な式で表すことができます。
※超伝導(ちょうでんどう、英: superconductivity)とは、特定の金属や化合物などの物質を非常に低い温度へ冷却したときに、電気抵抗が急激にゼロになる現象です。
抵抗率
一般的に電流を流すための配線材料に銅が使われます。これは、銅が電気を通しやすいことが一番の理由ですが、他にも加工しやすいこともあります。電気を通しやすいと言っても、抵抗が全く無いわけではありません。
他の金属も電気を通しやすいものがありますが、わずかに抵抗があります。
様々な物質の抵抗を表す方法として、抵抗率があります。
抵抗率は、電流の流れにくさを表す比例定数で、ギリシア文字のρ(ロー)で表し、単位は[Ωm](オームメートル)です。
抵抗をR[Ω]、導体の断面積をS[㎡]、長さをL[m]とした場合、以下の式が成立します。
断面積が1㎡、長さが1mの場合、
となり、単位体積あたりの抵抗値が抵抗率になります。
銅の抵抗率は、1.7×10^(-8)[Ωm]で、鉄の抵抗率は1×10^(-7)[Ωm]です。
これを小数で表すと銅が0.000000017[Ωm]、鉄が0.0000001[Ωm]となり、0.0000001÷0.000000017は5.882になるので、鉄は銅より約6倍の抵抗率になります。
導電率
抵抗率は電流の流れにくさを表す比例定数ですが、導電率は電流の流れやすさを表す比例定数です。
記号はギリシア文字のσ(シグマ)単位は[S/m](ジーメンスパーメートル)で表します。
導電率は次式のように抵抗率ρの逆数となります。
導電率は電気伝導率(Electrical Conductivity)や電気伝導度とも呼ばれています。理学系では「電気伝導率」、工学系では「導電率」と呼ばれる傾向があります。
温度係数
導体の抵抗率は、温度が高いほど、抵抗率が大きくなります。これは、導体内にある自由電子は陽イオンにぶつかりながら移動しますが、温度が高くなればなるほど、陽イオンの振動が激しくなり、自由電子の移動を邪魔するからです。
金属導体の場合-20°~+200°C では 1°C上昇するごとに次のように増加します。
温度 t℃における抵抗値はR20を 20°C の抵抗値とすると次のようになります。
この性質を利用して温度計測を行うことができます。
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