電池

電池には乾電池、リチウムイオン電池、車載用バッテリ等があります。
一般的には、化学変化(酸化還元反応)にともなって放出される化学エネルギーを熱エネルギーや光エネルギーではなく、直接電気エネルギーに変換して取り出す装置のことを電池(化学電池)といいます。
化学変化を利用する化学電池の他に、物理現象を利用する物理電池(太陽電池や原子力電池など)もあります。

電池の原理

電池は、イタリアの物理学者、アレッサンドロ・ジュゼッペ・アントニオ・アナスタージオ・ヴォルタ伯爵(アレッサンドロ・ボルタ)が起電力0.76ボルトの電池を発明しました。
これをボルタ電池といいます。

希硫酸中に亜鉛板と銅板を浸したときに、イオン化傾向が大きい方の亜鉛が溶け出します。
亜鉛が解けるときに酸化されて亜鉛イオンZn2+になり電子を放出します。
放出された電子は電球を経由して銅へ移動します。電子が移動することで逆方向に電流が流れ、電圧が発生します。
銅がプラス、亜鉛がマイナスになります。
銅板では、電解液中の水素イオンH+が流れてきた電子e−を受け取り、還元され水素になります。
発生した水素が銅板のまわりに溜まってきます。
溜まった水素が、水溶液中のH+が負極から流れてきた電子e−を受け取るのを妨害します。これが原因で、電子の受け渡しに不具合が生じて電圧が低下します。

マンガン乾電池

いちばん多く使われている電池です。
プラス極として二酸化マンガン、マイナス極に亜鉛、電解液に塩化亜鉛が使われています。電解液と二酸化マンガンが皇后されてペースト状態でマイナス極材の容器に充填されます。
マンガン乾電池は掛け時計や置き時計など小さな電力で長時間動く電気機器や、大きな電力を必要とする場合でもそれが瞬間的であるもの(ガスコンロ点火用等)に使用する乾電池として適しています。

アルカリ乾電池

プラス極、マイナス極の材質はマンガン電池と同じですが、電解液に苛性アルカリ(水酸化カリウム水溶液)が使われています。
マンガン電池に比べて2倍~5倍長持ちし、大電流が必要な、デジタルカメラやモータを連続する機器に適しています。

空気亜鉛電池

プラス極材に空気中の酸素を使用することで、貴重な資源の使用を抑えています。
補聴器や気象観測機器に使用されています。

酸化銀電池

マンガン乾電池等は、使用していると徐々に電圧が下がってきますが、酸化銀電池は、ほぼ電圧を保つ特徴があります。
カメラの露出計やクォーツ時計に使用されています。

ニッケル水素電池

プラス極材とマイナス極材を薄くシート状にして、電解液を含ませたセパレータで挟んで渦巻き状に丸めています。
同じ構造でマイナス極材にカドミウムを使用したニッケルカドミウム電池がありますが、カドミウムが毒物であり、持続時間も1.5倍から2倍になるニッケル水素電池が使われています。
デジタルカメラなど用時間使用する機器に使われます

リチウムイオン電池

構造はニッケル水素電池と同じように、プラス機材とマイナス機材のシートを電界液を含ませたセパレータで挟んでいます。
形状は乾電池のような筒状ではなく、板状になっているものが多いです。
正極(リチウム化合物)と負極(炭素化合物)との間をリチウムイオン(Li+)が電解液中を移動することで充放電を行います。
ノートパソコン、タブレット端末、電気自動車などに使用されています。

鉛蓄電池

もっとも歴史が古い電池で、ボルタ電池とほとんど同じ構造です。
鉛蓄電池は安価で使用実績が豊富なため信頼性は高いですが、重量が重く、充放電を繰り返すと性能が低下する欠点があります。
また、鉛、希硫酸を使用しているため、危険性が高く、廃棄時には環境に注意する必要があります。
自動車や二輪車のメイン電源に使用される他、コンピュータのバックアップ電源として使用されています。

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