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POTS/体位性頻脈症候群って何?病気だと認めてもらうためにできること

POTS(postural orthostatic tachycardia syndrome・ポッツ)は自律神経障害です。
立っていることで症状が起きる起立不耐(Orthostatic Intolerance)のひとつです。
軽症から寝たきりで自分で食事も食べることができない人まで様々です。

自律神経?心の病?という印象があるかなと思います…
体は血圧、脈、呼吸、睡眠などなど全て無意識に自律神経で調節しています。交感神経と副交感神経というやつです。その調整が何らかの原因でコントロールができず、めまいや頭痛など色んな症状が起きる疾患です。

POTSの症状
朝起きれない、めまい、立ちくらみ、ふらつき、全身倦怠感、立っていると気分が悪くなる、動悸、頭痛、不眠、集中力低下など


はっきりした原因や、病態はまだわかっていません。
治療も確立されていません。
感染が原因だったり、自己免疫性だったりと様々です。
起立不耐のなかで、良く耳にする起立性低血圧は立っていることで血圧が下がりますが、POTSは脈が上昇します。

診断基準
・起立試験やヘッドアップチルト試験(臥床安静時と、立ち上がった時の血圧と脈と症状の変化を時間の経過を追いながらみる検査。病院や医師により何分毎や何分間試験をするかは様々)で10分間の間に脈が30回/分以上増加。小児は脈が40回/分以上増加するもの
・血圧低下はなし
・起立すると症状が悪化し、横になると落ち着く

私の脈の変化は
臥床時50前後 起立直後85~120
トイレに座る60前後 トイレから立ち上がる90~110です。
普段の何気ない生活の中でも、立ち上がるだけで100m走っているようなことが繰り返されているのだと自分で自分を知り、そりゃ体も怠いさね…と思いました。(詳しく症状については次回書こうと思います。)

米国では推定100万人~300万人と言われています。
日本では調べてもわかりませんでした…POTSと診断がついた人以外にも精神科に通っていながら良くならず困っている人、病名の診断がつかない人と隠れPOTSはたくさんいると思っています。

私は約20年間看護師ですがはじめて聞きました。
私の周りの看護師も知っている人はいませんでした。

POTSの患者さんは平均7人の医師の診察と診断まで4年はかかると言われています。
私も耳鼻科3ヶ所、脳神経内科2ヶ所、精神科、総合診療内科とドクターショッピングをしました。

かかった医師から「あなたは病気ではないよ」と強く手を握られながら言われたり、「精神的なものなんじゃないの~」と軽く言われたこともあります。
とても悔しく、理解されない切なさと遣りきれない気持ち。何クソッと思って自分の変化を診てくれる医師を探して行きまくりました。やけくそ。笑 
診断までは、半年程度。本当に運が良かったと思います。

私がPOTSになってからこの病気を知っていたのは、診断した医師とシンガポールに住んでいる友人の小学生の子供さんでした。友達が同じ病のようで、インターネットで見たようです。小学生が知っていることに驚きと海外では浸透してきていることは、少し嬉しいでき事でした。

「診断がつかないこと」
POTSはまずはこの苦しみから脱っさなければなりません。
知らない、わからない、病気じゃない、私の科ではないと言われればそれまで。
医療者にどう伝えていくかはとても難しいことです。

私も自分でもわけのわからない症状に困惑しつつ、まだどうにかする術を私は知っている方だと思います。医療の知識を持ち合わせていない人はもっともっと苦労することがとても切なく辛く、何なんだこの体、どうなっていくのだろうかと不安でいっぱいな辛い時間を少しでも短くしていき、早く診断までたどり着くことが願いです。

診察の前にやっておくと良いこと
POTSが疑わしい場合は、診断基準に書いていた起立試験を自宅でおこなうことです。私は症状が出始めた頃には変化はみられず、半年後に変化があったので一度変化がなくても時間をおいておこなってみることもひとつだと思います。

やり方
10分以上横になり安静にする。一度血圧と脈を測定。
血圧計を巻いたまま立ち上がり直後に再度測定する。

病院だと立ち上がってから直後、3分、5分など経過を追って測定します。簡易ですがこの直後だけの変化だけでも何日間かメモしたものを持っていくことで、診察のヒントになると思います。立ち上がることで気分は悪くなることもあります。無理はしないで下さい。
血圧計ではなく、脈が測れる時計でも脈の変化を測定することもできます。

病気になってみて、自分を自分で知ることが大事だと思いました。思ってもいないことを言われたり、症状に追いつかずへこたれることも沢山あります。
まずは、からだが異常だと言っていることに自分が目をむけること。自分がわからなければ、伝わらないなと思いました。でも、症状に囚われず、依存しないことも大事です。
病気と仲良く、受け入れながら一歩一歩。やるしかない!
日々邁進。

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