プレッススミノール君

ヘクサコルドでグレゴリオ聖歌やグレゴリオ聖歌の指揮を学びたいと思い、櫻井元希さんを訪ねました。年間第三主日の入祭唱の指揮をやったばかりの頃で、マイナー?な曲ということもあり、先生以外は全員初見という状態で、かなり不満が残る内容だったので、ちょうど良い機会だと思いこの曲を歌ったところ、「装飾ネウマをだいぶ無視して歌っていますね」と言われてしまいました。

どんなふうに学んでいるのかと聞かれたので、ネウマについてプリントをもらったものの、具体的な歌い方は教わっていない。上級生が歌うのを聞いても、ネウマを歌い分けているようには聞こえない。4線譜だけ見て歌っても間違いではないと思うけど、ネウマが書いてある以上、この中には深い世界があるはず。ミサでしょっちゅう聞いているけど、それはテクニック以前の大事なことを写し取る作業。なので、ほぼ独学だ、と言うと、微妙な顔をされていました。自分でも話しながら「2年も在籍しているのに何も勉強していなかったなあ・・・」と思っていました。

そんな折、ハンガリーに留学している山口雄人さんが主宰するコダーイ音楽教育研究所が渡辺研一郎さんのグレゴリオ聖歌のオンライン講座を開催する、という情報を入手しました。なんというよいタイミングだと思い、さっそく申し込みました。

4回の集中講義だったのですが、毎回密度が濃くて、楽しくて楽しくて。一番知りたかったネウマの歌い方は、融化や指示文字も丁寧に教えてくださるし、渡辺さんの声を聞くと、歌うために何が必要なのかが見えてくる。それはプリミティブで泥臭いテクニックかもしれない。それでいてやわらかい歌声で、すべてをひっくるめて清らかな音楽へと昇華する。もしラテン語がわからなくても、心にすっと入ってくるだろうと思いました。そして、歌うことが楽しい。対面だったらもっと楽しいだろうな。もっと早くこういうことが知りたかったと思うことばかりでした。

そして、プレッススミノール君の書き方も・・・(笑)

山口さんが質問フォームを作ってくださったのもありがたかったです。毎回の授業の中で渡辺さんが回答してくださるのですが、受講者の質問が専門的で興味深いものばかりで、それに対して渡辺さんがとても誠実に、詳しく解説してくださり、本当に勉強になりました。私もグレゴリオ聖歌の起源や旋法に特有の音型について質問しました。
(「第一旋法によく出てくるこの音型は、今風に言うと『エモい』んですよ。これだけでご飯を3杯は食べれます」という渡辺さんの言葉に大爆笑でした!)
(グレゴリオ聖歌の起源の質問に、ドゥドゥクと篳篥とオーボエの関係をさりげなく混ぜていたのは私です)

その後、再度櫻井さんのレッスンを受けました。渡辺さんの講座でやったpesとclivis だけの短い簡単な曲を見てもらったところ、実は全然簡単な曲ではなく、これだけで1時間ご指導いただいたのでした。それがまた、楽しくて仕方がない。

この2年間を取り戻すべく、初心に返り、改めて頑張ります。櫻井さん、渡辺さんの他、ボイトレでもカペラのメンバーにお世話になっているので、「チームカペラ」からいろいろ学ぼうと思っています!