Veni, veni, Emmanuel

来学期始まってすぐにオルガン奏楽をすることが急遽決まりました。私が当番を決める係なのですが、奏楽はなるべくやりたくないなと思って、こっそり自分の順番をかなり後のほうにしていたのですが、それに気づいた先輩方から指摘され、「あー、やっぱりばれましたね・・・」と思いながら順番を変更したのでした。

さて、何を弾いたらよいのだろう。
以前、辻先生のソルフェージュの補講で、手鍵盤のみの初心者向けのオルガン曲集を使って6音のソルミゼーションをしたことがありました。

ソルミゼーションで使った曲と同じページにVeni, veni, Emmanuelがあることに気づき、後日練習してみたら、しみじみするいい曲だったので、奏楽で弾けるだろうかと考えました。しかし、これはアドベントやクリスマスの時の曲で、1月中旬に弾く曲ではなさそう。御子が来てだいぶ経ちますしね・・・。

オルガンの補講の時に岩崎先生に聞いてみました。案の定、「エピファニーも終わっているし、多分どつかれるわね。この曲は来年になさい」と言われました。この曲集はオルガンを始めたときに使っていたのですが(半分くらいレッスンで弾いていた)、「この曲集は奏楽にも使えるのよ」とのことで、奏楽に使える、短くて簡単な曲をいくつか選んでもらいました。年明けのレッスンで一度見てもらって、翌週奏楽ということになります。

それであわてて練習しているのですが、簡単な曲を丁寧に弾き、きれいな音を鳴らすことがどんなに難しいことかを改めて思い知らされました。そして、これらの曲を岩崎先生に見ていただけることは、なんと素晴らしいことなのだろう・・・。この初心者向けの曲集を使って、岩崎先生からオルガンの基礎や音楽に対しての向き合え方を学べたこと、先生が喜びをもって教えてくださったことは、一生の財産になるだろう。本科の3年間で何も得られず終わるかもしれないし、スタートラインにも立てないかもしれない。仕事との両立もある。誰にも言えず(職場の人で一人だけ、しかもあまり面識がない人に成り行きで言ってしまったけど、それ以外は誰にも言っていない)、夜も眠れなくなるほど苦しいけど、とにかく残りの時間は、アーレントを美しく歌わせることに集中しよう。3年間、それだけでもいい。

Veni, veni, Emmanuelを来年まで待てず(笑)、練習をしていたところ、ドアをノックする音が聞こえました。防音がされていない部屋で練習していたので「うるさかったかな?」と思っていたら、教会音楽家の先輩でした。自分の教会で「久しく待ちにし」の伴奏をする際に、前奏は自分で作曲したのを使っているけど、どこかで私が弾いていた曲を聞いて、「あの曲を前奏に使えないかな」と思って、楽譜を探していたけど見つからなかったそう。楽譜を見て、「そうそう、終わりの音が歌い出しの音と同じだから、ちょうど前奏に使いやすいと思って」とのこと。この曲のことを覚えていたというのも驚きだし、こんな初心者用の曲を喜んでくださるなんて。初めて誰かの役に立てたかもしれない(小さなことで恐縮ですが)。多分音楽はレベルではなく、気持ちの問題なのだろう、ということを改めて感じました。

来年まで待てなかった模様↓