ドレミファソラシドを正しく歌えますか?

音楽の基礎というか、基礎の基礎を学ぶ講座が在校生の希望者対象にありました。最初はオルガンの練習で土曜に学校に行くついでに、という軽い気持ちだったのですが、すぐにその重要性に気が付きました。

この講座の目的は2つあり、ひとつは音程と音階を学びます。音程については、第1回目のレッスンでユニゾンで歌う課題がありました。ユニゾンで歌うのは案外難しい、というか、できないほうが普通なのかもしれません。一人が「あ~」と伸ばしているところに、別の人がその音に一発で合わせて声を出すのは、音楽がかなりできるような人でも案外難しいのです。そこで、「あ~」と伸ばしているところに、わざと下の音を出してから徐々にその「あ~」に合わせていく、ということもやるのですが、目的の音で止まるのが難しかったりします。

みんなで歌う時に「声を合わせて」「心を一つにして」とよく言われると思いますが、合唱団のウォーミングアップのときなどにこのユニゾンの練習をしたら、「声を合わせる」ことを体で理解できるし、ユニゾンは相手の声と自分の声をよく聞かないとできないので、自然と「心が一つになる」感覚をつかめるのではないかと思いました。

自分は指導者ではありませんが、この第1回目のレッスンで、もし指導者だったら使いたいヒントがたくさんあると感じて、気が付けば全10回、皆勤賞で参加しました。

もうひとつの目的は、鍵盤と楽譜の関係を学ぶこと。楽譜は「鍵盤」「弦」ととらえる、つまり、楽譜は鍵盤や弦での位置を示すもの。ト音記号、ハ音記号、ヘ音記号はそれぞれ、鍵盤や弦でのG, C, Fの位置を示すなど、当たり前すぎて考えたこともなかったのですが、もし、楽譜を見るのが初めてだったり、慣れていない人に「楽譜とは」と説明するときに、とても分かりやすいと思いました。また、長調と短調とは、シャープやフラットの役割、旋法や調性など、わかっているようで、いざ説明しようとすると曖昧になるものを理論的に理解できて大変ありがたかったです。

最後の授業ではハンドサインについても学びました。音を出すときにはドはしっかり、ソは明るいなどをイメージするようにとよく言われるのですが(色をイメージすることもあります)、イギリスでは音のキャラクターをハンドサインと結びつけることで、音のイメージを広げるということをやっているそうです。音のキャラクターをつかむのは音階そのものの把握に役立つし、音が跳躍するときなど特に役立つのだそうです。実際にやってみましたが、音のキャラクターと動作が合っているのでイメージしやすいし、単純に楽しい!

辻康介先生がいつも丁寧に教えてくださいました。

この講座を受講するにあたって、いくつか本をおすすめされたのですが、「正しいドレミの歌い方 楽器がなくても楽譜は読める!」という本が特に良かったです。移動ドの話なのですが、この本に書かれていることを自分でも試してみて、移動ドの便利さに改めて気づきましたし、先生もこの本がお気に入りで、授業でこの本の内容を取り上げることもあって、先生が「この本の内容をどのように教えるか・伝えるか」というのを見ることができて、とても良い経験になりました。過去の記事で「2年生は自分が教える立場だったらという視点で学びたい」と書いたのですが、こう思うようになったのは、この基礎講座がきっかけです。それで、合唱指揮を始めグレゴリオ聖歌なども「自分ならどう教えたいか」という意識が芽生え、今まで受け身だったのが、積極性が出てきたように思います。

この本はイラストもすごく理解の手助けになるので、おすすめです!