初めてのクワイヤブック

フォンス・フローリスの櫻井元希さんのルネサンス音楽入門講座を受講しています。

パレストリーナのミサ「けがれなく」より、Kyrie とGloriaを白色計量記譜法の楽譜で歌います。これまでは各自楽譜を持って歌っていましたが、今回初めてクワイヤブックに挑戦しました。

クワイヤブックを使った演奏の様子

楽譜を手持ちしていた時は、個人個人の世界を合わせていくという感じでしたが、一つのクワイヤブックをみんなで囲んで歌うと、ものすごい一体感があります。互いに助け合ってる感じ。それぞれの声は個性的なのに、ちょうど良い感じにまとまってくる。無意識にいろいろ調節しているのかもしれない。そして立つ場所を変えると違った風景が見えてくる。

歌い終わったあと、感謝の気持ちでいっぱいになり、同じパートの人にはもちろん、他の方々にもありがとうと言いまわっていました。みなさん優秀な方々なのです。このメンバーで本当によかった。

「立つ場所を変えると良くなったように聞こえるんですよ。実際は全然変わってないんですけどね」という櫻井さんの言葉に思わず笑ってしまいましたが、クワイヤブックを使っての演奏を長年やってこられたからこその感覚ですね。

櫻井さんは身体の感覚をとても大切にされていて、ウォーミングアップでも自分の身体に自問自答するようなことをされています。「産業革命を境に身体の感覚が変わってしまった」とよくおっしゃいます。ルネサンスポリフォニーをよりよく歌うためには、普通の発声では不十分で、もっと人間らしいもの、もっと原始的な何かが必要なようです。私自身まだまだ掴めていないけど、そんなことを気づかせてくださったことに感謝です。(あと、単純に健康に良さそうです)

あまりにも忙しすぎて、この講座(とかいろいろ)続けられないかもしれないと思っていたのですが(今の状況が酷すぎて櫻井さんに泣きのメールをしたくらい)、このクワイヤブックでもっと歌いたいし、発表会まで精一杯頑張りたい。

これから発表会までにどんなふうに進化してゆくのかな?健康に気をつけて楽しみながら学びたいです!