今治・泉州・津 タオル三都物語
どこか遠くに行くときに、ホテルに泊まるのはとっても楽しい!
ホテルを選ぶ際の主だった理由は目的地との距離だったり、朝食のメニューだったり、大きいお風呂があるかどうかだったりなのですが、実際に泊まってみてアメニティが素晴らしいとものすごく得をした気分になります。最近は宿泊客に対して、化粧品のセットやバスソルトなんかを選ばせて下さることなんかもあって、そこで気に入ったものに出会うととても幸せな気持ちになります。
そして備え付けのタオル。これがホテルによっていろいろで面白いのです。
密な繊維の重厚感で押してくるタイプだったり、ループのふわふわさで押してくるタイプだったり。薄くて軽いのが持ち味だったり。ホテルの宿泊客に対するサービスの象徴がタオルなんじゃないかと思っています。
ということで、今日はタオル・タオル・タオル!
ふわふわのタオルとごわごわのタオル。あなたはどちらがお好きですか?
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大学生の頃、高級住宅街に建つお金持ちの友人の実家に伺ってびっくりしたことがありました。
まずお風呂場の浴槽がわたしの部屋より大きいんじゃないかと思うほどのサイズだったこと!
そしてそれよりも驚いたことが、同じ色の同じ大きさのタオルが洗面所に整然と縦に積んであったこと!
私の実家のタオルといえば、あちこちから頂いたタオルの連合軍。それこそ新聞屋さんとか引っ越しのご挨拶でいただいたようなものから、内祝いで頂いたもの、何かの参加賞みたいなものなどの寄せ集めでした。
普通のフェイスタオルでも、サイズもふわふわ具合も吸水性も色もバラバラのものが同じ大きさに畳んであるのが普通だと、信じて疑ったことはありませんでした。そしてそのラインナップは一年どころか半年でどんどん変わっていく。
だから整然と積まれた同じ種類のタオルという光景には、それまでの私の価値観をガラッと覆してしまうインパクトがありました。
それがタオルについて、ちょっと深めの興味を持つことになったきっかけです。
そして大人になって、出張で各地のホテルに宿泊するようになって気づいたことがありました。
よくあるビジネスホテルのタオルってグイッと押し付ければ確かに水を吸うけれど、ずっしり重たくてふわふわじゃないということ。目がつまっていて重厚感はあるけれど、日々洗濯して自分で使うにはちょっともてあますようなタオルが使われているのです。
ただ、ちょっとお高いホテルに泊まった時
いやちょっとどころじゃない、だいぶお高いホテルに泊まった時のこと。
使い込んでいるであろうにもかかわらず極めてふわふわの肌触りで、それなのに水をしゅっと吸うタオル様に出会ってしまったのです。持って帰らなかった私を褒めてやりたい。
でも、やっぱり普段遣いにはちょっと重いんだよな。
結局のところ、世の中にはいろんなタオルがありすぎて「わたしのかんがえるさいきょうのタオル」をしっかり言語化せねば、最愛のタオル様には出会えないという真理に気づいてしまったのです。
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タオルをタオルたらしめるものの方向性は2軸あると考えています。
一つは吸水性。吸水率。言わずとしれたタオルの機能面です。水分を吸い取るのがタオルの主たるお仕事だから、水を吸わないタオルはタオルにあらず。
そしてもう一つは肌触り。ふわふわのタオルに顔を押しつけたときのなんとも言えない幸せな気持ちは如何ともし難い!!!これを(私への)寄り添い率と名付けたいと思います。
今思えば、若い頃の私は物を知らなすぎたなと思います。ふわふわのタオルはあまり水を吸わないし重たいから、どこかでふらっともらったような薄くてごわごわのタオルこそ至高であるというのがかつての私のスタンスでありました。
つまり、吸水面における機能性原理主義だったわけです。
吸水率 100
寄り添い率 0
↑これがえま(2000年)の至高のタオルの実力チャートです。
ごわごわのタオルの良さは、とにかくその吸水性の高さにあります。が、それだけではなく、水を吸ったあとにしんなりするその肌触りが良いのです。ゴワからのしんなりへの変化率の大きさこそが、ごわごわタオルの持ち味だといっても過言ではありません。ツンデレなのです。
というわけで、実際のところはデレ成分もありますので
吸水率 100
寄り添い率 10
ぐらいのところかと思います。
この変化率の大きさを楽しむために、手に入ったばかりの薄いタオルを漂白剤でいじめ倒してガサガサにしたり、洗濯の際には絶対に柔軟剤を使用してはならぬという鉄の掟を守る必要があります。あと天日干し。カラッカラに干すのが基本。本気のごわごわ(吸水性最強)は一日にしてならずであります。
ただしタオルは毎日使うものだから、タオルそのものやメンテナンスにお金と時間をたっぷり割くわけにもいかないのです。花粉症の時期に天日干しはつらいし、柔軟剤のために分け洗いするのは面倒くさい(ので徹底はできぬ)。
そんなわけで、気持ち的には機能性原理主義だけど現実は機能性偏愛主義か熱愛主義くらいを貫き通していた私が、ひょんなことからベストタオルを手に入れてしまったのです!
それは昔から使っている化粧品メーカーのキャンペーンみたいなもので頂いたタオル。とにかくよく水を吸うのに、どれだけ洗濯してもふわふわのままの素晴らしいタオル様だったのです。そして目がつまりすぎていないので重たくない!
ふわふわ→しゅっ(水を吸う音)→ふわしんなりへの変遷は、ゴワしゅっしんなりとはまたちょっと違うけれど、素晴らしいものなのです。私はツンデレだけではなくデレデレのよさを知ってしまった!
これ気持ち的には
吸水率 100
寄り添い率 200
です。
どこのタオルかって?もちろん調べましたよ。だって毎日家で使うタオルが最高のおタオル様だったら、もうQOL(クオリティオブライフ)上がりまくりじゃないですか。
IMABARI
今治!
そう。言わずと知れた、日本最大のタオル生産地の最高のタオルだったのです。
ありがとう今治。ほんとありがとう今治。愛してる。
それ以来、タオルの新規購入には今治タオルを選ぶようになり、幸せなタオルライフを送っていたのですが・・・
先日そのきっかけとなった化粧品メーカーのBA(店頭でメイクしてくれる美しい人)さんに、「頂いたタオルずっと使ってるけど最高です」っていう偏愛を伝えたところ、他のキャンペーンで私が入手できなかったタオルもまた素晴らしかったというお話と、2年間現場で使い倒した現物を見せていただきました。そこにはふわふわの
SENSHU
泉州タオル!
おまえも最高なのか!
名前は知っていたけど、こんなにできる子だったとは知らなかった。申し訳ない。
というわけでちょっとタオルについて検索してみました。
浅学にして知らなかったのですが日本三大タオル生産地というのがあるそうです。
今治タオル
泉州タオル
おぼろタオル(三重・津)
これらが日本の三大タオルのようです。
以下、すべてのHPに書かれていることをまとめますと(すべて受け売り)
今治タオルの特徴はやわらかさと吸水性の高さ。蒼社川の伏流水(軟水)の利用、ずっと培ってきた職人技、徹底した品質管理。
泉州タオルの特徴は後晒処理による吸水性と肌触り。どうやら工程が他のタオル産地と違うらしい。
おぼろタオルの特徴はとにかくその軽さのよう。他のタオルと比べて半分の細さの糸で作られているから、軽くてやわらかくて水を吸う。
吸水性と肌触りが売りって、ほとんど同じやないか!
と突っ込みたいのはやまやまですが、たぶんいずれの産地も、タオルにとって大切なのは吸水性と肌触りであり、そこはしっかり抑えてるからねと言っておかねばならないのでしょう。タオル産地の誇り。
やはり、これらのブランド産地タオル様はどれも素晴らしいようです。もちろん、どこの産地のタオルもハイクオリティが売りのお高いものから、使い倒せるコスパの良さが売りの製品までいろいろありますが、ブランドとしてのクオリティ管理には目を配っているはずです。少なくとも今治クオリティには満足しているので、泉州タオルもおぼろタオルも使ってみたいなと思っています。
次にお迎えしたいと考えているおタオル様たち
今治細わた多織る
泉州美人
おぼろ百年の極み
吸水率 150
寄り添い率 250〜
を期待している。経年変化もあるだろうから、これらの数値はベストスコアとして。
おそらく、えま至高のタオル(2019年)です。
どうも最近肌触りのほうに気持ちが向いてきているような気がしてなりません。たぶんこれは加齢のせいです。お肌に優しくしたい。水を弾かないので、ふんわりとすぐに水を吸ってほしいという贅沢。既に「ちゃんと水を吸うのは当たり前」というハイレベルな世界から戻れなくなってしまったようです。絶対意味おかしいけれど、ハイコンテクストなタオルって言ったらいいかしら。そういうのがいい!寄り添い率無限大!
あとお値段が高いのに目をつぶる様になってきました。相当使い倒してもお高いタオル様はヘタれません。使っている時間と洗濯してる時間、ずっと気持ちよく過ごせることを考えると、タオルのような日用品への贅沢な投資は正義だと思っています。
一番高いタオルでもジュエリーみたいなお値段じゃないしね!
でも数枚ですが、まだごわごわさんはうちにいます。たまにはやはりツンデレをね。捨てられないのです。これもまた愛の形。
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唐突に話は変わって。
ここはOWL magazineなので、ちょっとサッカーの話を混ぜてみましょう。
今治、泉州(堺のあたり)、津ときたら・・・
サッカークラブのホームタウンじゃないですか!
FC今治(JFL)
セレッソ大阪 (J1)
ヴィアティン三重 (JFL)
それぞれの公式オンラインショップを見てみると、3チームに共通点があります。
それは、タオマフが今治タオルであること!
セレッソも、ヴィアティンも素晴らしいタオル産地のチームなのに、「今治産のタオルを使用しております」と、品質のよさと高級感のアピールのためにライバル産地のタオルであることをアピールしています。
タオル産地のチームのタオマフすらも巻き込む今治タオルの凄さ半端ない。
実際、今治が日本で一番のタオルの産地であり、ブランド力があるのは否めません。スポンサーとの絡みとか、たぶん私のような素人に見えない理由はたくさんあるのでしょう。
だけど泉州タオルさんとおぼろタオルさん、地域のスポーツとうまく連携してどんどん売り込んでほしい!
そうして産地同士が切磋琢磨して、どんどん良い商品がでてくるのが一番良いことだと思うのです。
今ちょうどFC今治とヴィアティン三重が同じカテゴリーで戦ってるので、私はこの2チームの試合をタオルダービーと呼ぶことにします。
9/8 FC今治 vs ヴィアティン三重
とりあえず勝った方のタオルを次に新調することにするのでどっちも頑張って!
◎ちなみにOWL magazineでは今後、FC今治やヴィアティン三重の試合観戦を軸にした旅行の話が出る予定。いま今治5つでまだ続きがありそう。三重は最初のがでたところ。今治と三重の紀行文が予定されているのと私のこのnoteの内容はほんとうにただの偶然のリンクなのだけれど、たぶんよいタオルがそういうツキを引き寄せている。あと、どうでもいいけど私はものすごく運がいいのだ。
FC今治とは誰の夢なのか vol.1 【サッカーツーリズム紀行文】中村慎太郎
時を駆けるハマグリと14番目の戦士【ヴィアティン三重観戦記】 Part1 中村慎太郎
なんだか旅とサッカーのウェブマガジン風に着地させたように見せかけて満足しているのですが、ただひたすらタオルについて書いてみて、はっと気づいたら4000文字。本当はここに柔軟剤を含むメンテナンスの話を書き足したいところなのですが、キリがないというか終わりが見えなくなってくる!
ここまでいろいろ書いてきましたが、これを読んでいるみなさんの中には
「いまそこにあるタオル」
について深く考えたことないという方もいらっしゃるのではないかと思います。
タオルに限ったことではありませんが、身近な日用品のなかで
好きなもの、心地の良いもの
これらをなんとなく見つけるはそんなに難しいことではありません。
好きだなって感じるのは、割と簡単なのです。
でも、好きなものを好きな理由、心地良いものが心地よい理由をきちんと言語化できるようになれば好みのものがもっと見つけやすく、手に入れやすく、そして大切にできるようになるんじゃないかなと思っています。
みなさんはどんなタオルがお好きですか?
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今回はタオルをモチーフにしてお届けしましたが、
日常の延長線上にある旅
旅先から振り返る日常
今後もこの2つに寄り添ったエッセイを書いていきたいと思います。
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屋下えま https://note.mu/ema_yashita
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