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【読書レポ】限りある時間の使い方

以前購入したけれど、余裕が無く読めていなかった本を読みました。
"限りある時間の使い方"
産休・育休中に図書館に行くことが増えたので本は時間が許す限り読んでいました。この本も、ただ買ったままでもったいないから読んだ本だったはずが、久しぶりにかなりの衝撃を受け頭の中を整理してくれた本なので、記録に残したいと思いました。要約ではなくは感想、今後の意気込みになります。

人生は4,000時間

人間の人生はとても短く、80歳まで生きたとしてたったの約4,000週間しかありません。
生きていることが既に奇跡なのに、そのことに気づかずに、人生が永遠であるかのように時間を無駄に過ごしてしまう。人生が短いことを自覚し、その短い時間をどのように豊かに暮らすか。改めて考えさせてくれる本です。

現実を直視する

タイムマネジメント本によくある、効率化に関する勧め。
効率的にものごとを熟すことで、余裕時間を作り出すというものです。
この本では、その点について効率化が逆効果になるとしています。
そのため、

全てを効率的にこなそうとするのではなく、全てをこなそうという誘惑に打ち勝つこと
限りある時間の使い方 P.63

が大事だとしています。
効率的にこなせばこなすほど、次から次へとやるべきことがでてくる。その結果、心休まる余裕時間が手に入ることはない。
だから、そもそも全てを熟すのではなく重要なものを選び、重要でないものを捨てる必要がある、ということです。

このあたり、非常に衝撃的な内容でした。
何もかもできるはずなんてないと理解していたはずのことですが、効率的にあれもこれもやらなきゃ、と焦っていた自分にとって、実際に文章として読むことで、改めて頭の中でクリアに理解する機会となりました。

例えば、育児で子供のお世話をしたり一緒に遊んだりしながら、ご飯を作って(美味しければよいと考えていたものが、可能な限り健康的なものを作りたくて無添加、オーガニック、麴などに拘りだした)、掃除をして(掃除はすればするほど、今まで気になっていなかった汚れが気になってくる)、それに加えて家事育児に追われる自分に虚しさを感じて仕事に向けて勉強もしたいし、読書もしたいし、、とやりたいこと、やらなきゃと思っていることがいくらでも出てきました。

でも、そもそも全部できなくてもいいんだ!(できなくても、できなかった、、と自己嫌悪に陥る必要はない)と、改めて気が付けた気がします。

どんなに時間を節約しても、本当に意味のある生活を手に入れることはできない。大切なことに時間をかけるために、別の何かを手放したのだ。
限りある時間の使い方 P.70
「失う不安」の代わりに、「捨てる喜び」を手に入れることができる。選べなかった選択肢を惜しむ必要はない。そんなものは、もともと自分のものではなかったのだ。
限りある時間の使い方 P.86

本を読み進めるほど、「あーなるほど」と、スッキリしていきます。

幻想を手放す

人は時間をうまく使って、理想的な未来を手に入れようとします。
そうすると「今」という時間は、理想的な未来(そんな未来はやってこない)を手に入れるための単なる通過点になってしまいます。
そのため、人生に存在している「今」を生きることを強調しています。

未来をコントロールしたいという執着を手放そうということだ。そうすれば不安から解放され、本当に存在する唯一の瞬間を生きられる。つまり、今を生きることが可能になる。
限りある時間の使い方 P.146

著者が指摘する通り、理想的な未来を手に入れるために、今は頑張り時だと、通過点として考えてしまうことがよくありました。というか自分で自分の将来を考えるようになってから今までずっとそうだったかもしれません(もう30年以上生きているのに、、!)

本の中で紹介されている小話がまさに具体的なエピソードで、しっくりきます。

メキシコの漁師が1日に2-3時間しか働かず、太陽の下でワインを飲んだり、友達と楽器を演奏したりして過ごしている。それを見て愕然としたアメリカ人のビジネスマンは、漁師に勝手なアドバイスをする。
「もっとたくさん働きなさい、そうすれば利益で大きな漁船をたくさん買って、他人を雇って漁をさせ、何百万ドルも稼いで、さっさと引退することができる」
それを聞いた漁師は「引退して何をするっていうんだ?」と尋ねる。ビジネスマンはそれに答えて言う。
「太陽の下でワインを飲んだり、友達と楽器を演奏したりできるじゃないか」
限りある時間の使い方 P.157

家庭と仕事、あれもこれもやろうとして不安になっていた

過去の記事で何度か書かせていただいたように、私は人生において子どもは絶対に欲しい一方で、キャリアも積んでいきたいと考えています。
大きな2択の中でどちらかどうしても捨てられないのは、子どもの存在でした。
そのため、子どもを授かるために妊活、育児を優先してきました。
子どもを授かれたことはとても嬉しく、一緒に過ごす時間は毎日とても幸せです。そして子どもは愛しすぎる存在です。
一方で、ふとした瞬間に、自分のキャリアに不安を感じることはたくさんありました。仕事が始まってからの育児にも不安があります。

この本は、
・そもそも全てはできない。大事なことを選んで(他のことは捨てて)大事なことに時間を使うこと
・できなかったことではなく、できたことに注目すること
・ちっぽけな自分を受け入れること(達成不可能な基準を自分に課さない)
・理想的な未来ではなく、しっかりと今を大事に楽しむこと

を見直させてくれました。

自分にとって最も重要なことは子ども、家族の存在。他全てを捨てる必要はないけれど、その前提の上でキャリアを積み、今しかない子どもとの時間を楽しむ。それができれば十分。

また、「やりたかったあれができなかった」とか、「育児とキャリアの両立は難しい」とか、頭に浮かぶようなことがあれば、この本を読み返して戻ってきたいと思います。

とても良い本なので記載させていただきました!

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