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残り火

ヤナミューの現体制が終わった。
実感はあるような、ないようなフワフワとした不思議な気持ちで過ごしている。
多分脳が処理しきれてないんだろう、当たり前だった生活の一部をなくす事に、好きな人と離れ離れになる事に。

終了発表から2ヶ月、全霊を込めてヤナミューに向き合ったと言える。特にツアーが始まってからは。
ツアーやライブには疲労の限界を超えてでも足を運び、合間に撮り溜めた動画を編集して作り、オタクとも遊び尽くし、いっちゃんへの手紙を書き思いもちゃんと伝えられた。
自分に出来る事でやり残した事はなく、1mmの悔いもない。

だけどある残り火。表にあまり出す事のない思い。
書き記して残し、柔らかく燃やし続ければいいのかな、温かい記憶と共に。


ヤナミュー現場、思い浮かべると本当に楽しい思い出ばかりが蘇る。大箱ワンマン、3回の津山、3回の福島、色々な遠征、メンバーの生誕、地元西川口ハーツでのライブ、オフ会、いっちゃんのトークイベント、生活の一部みたいに都内である無数のライブ、コロナ禍で見た数少ないライブ。数え出したらキリがない、とても濃い6年。それぞれに最高と思う瞬間があり、全てがかけがえのない思い出になっている。
オタクともよく話す、「どの現場が好きだった?」、あるあるだね。

いつも必ず真っ先に思い出すライブがある。2018年9月30日の北海道のライブ(ODD FUTURE Vol.5)。前日に東京でハミダシステム(大事なグループ)のキネマ倶楽部ワンマンがあって、その翌日に行われた北海道のライブ。
無理してまでは行く必要のないイベント。行かないそぶりを取り続け、北海道のライブ会場に着くまで一切人に話す事なく(とおるちゃんだけには言っていた)ずっと内緒にしていた。まるで子供がとる幼稚な作戦のように。
いっちゃんが驚くといいなと思ってた。驚かせたかった。
思い付きで買ったチケット、そんなに前は行けず確か5~6列目、端の方だった。いっちゃんは最初は気づかずパフォーマンスをしてたけど、オレを見つけた途端に顔が変わった。めちゃくちゃ笑顔になったんだ。その後ずっとご機嫌にライブをしているように見えた。幼稚な作戦は成功だった。
ライブ後の特典会、「エルビスの顔見て笑っちゃったよ~」、いっちゃんは言った。とても嬉しそうに。
お金も時間も体力も割と無理して得た些細な出来事。オレはとてつもなく嬉しかった。

ヤナミューの音楽が好きで、パフォーマンスが好きで、現場が好きで、思い出に残るライブが沢山ある。だけど好きなライブを思い出そうとすると真っ先に思い出すのはいつもこの日のライブ。

結局オレは、好きな人の笑ってる姿が好きなんだ。
いっちゃんの笑顔が心から好きなんだ。


いっちゃんはよく"次"を聞いてきた。
「◯◯日のライブ来る?」
「次いつ来る?」
行くよと伝え、行ったからといって何か特別な事があるわけでもなかった。
特典会ではどうでもいいくだらない会話。機嫌の悪い時には当たり、機嫌が良ければ笑ってる。いつもの事。(一花推しはいっちゃんの機嫌がすぐわかる)
だけどどんな時も"次"だけはよく確かめてきた。
6/23最後の特典会1部終わり、「2部来る?」聞いてきた。「最後までそれ言う?」と思い、オレは心の中で笑った。
自分のところに来てくれる人、その人と自分に"次"がある事、いっちゃんにとって特別でとても大事な事だったんだろう。
そして今だから言うと、いっちゃんが"次"を聞いてくれる事が本当に嬉しかった。


アイドルとオタクの関係に何を望む?
恋人ではない、家族ではない、もちろん血が繋がってるわけではない、でも可愛くて可愛くて愛おしくて仕方がない。存在を必要とし、必要とされている。そういう思いだけでも人は幸せを感じる事が出来る。
いっちゃんが笑い、オレも笑い、いつもそういられたからヤナミュー現場でオレは幸せだった。
だからアイドルとオタクは幸せでいられるのかも知れない。

“繋がり”は元からあるんだ、心にちゃんと。


年月が経っていっちゃんがもっと大人になり、オレは爺さんになり、今持っている想いは薄れ、記憶は薄れ、今感じてる喜びも悲しみもなくなり、その時はお互いに別の何かに夢中になっているのかも知れない。それが時の流れだ。
だけど遠い未来、何かの拍子でヤナミューの曲を聴いた時、その時オレは必ず君の事を思い出す。いっちゃんの事を思い出す。君は必ず君を愛した多くの人の事を思い出す。君を愛したエルビスの事も思い出す。

好きな人との温かい記憶はメロディーと共に、思い出すのはいつも笑顔だろう。
それが音楽の魔法であり、思い出は人生に光を与える。


ヤナミューはオレの人生の中で1番長く通い、1番深く関わり、お金も時間も1番費やし、1番愛したグループになった。たくさんの出会いがあり、宝物のような思い出がたくさん出来た。きっと死ぬ前の走馬灯のフィルムでは何コマもヤナミューが占める事になるだろう。またその内の何コマもいっちゃんが占める事になるだろう。


6/26 クラブチッタ 現体制終了のライブ
命を燃やす炎が見えた。全てにおいて完璧だったし、これ以上のない終わり方だった。
「まだ続けてほしい」なんてオレには言えない。
感謝だけが残った。

6年間、夢中にさせてくれてありがとう。
ずっとふざけさせてくれてありがとう。
なでちゃん、まにちゃん、いっちゃん、あやたす、ヤナミューのメンバーが君達だから、オレは大好きでいられたよ。心から大好きだ。レナちゃんもつかりんももちろん。本当にありがとう。
君達がいつまでも笑顔で、幸せな気持ちでこの先の人生を送る事を心から祈っています。


さぁ、オレはこれからどうしよう。
今の気持ち? いっちゃんと全く会えなくなる事?
そんなの無理だよ無理。
無理に決まってるじゃん。
だからね、言っておくね。
またね、いっちゃん。

"次"はねぇ、君が望む時だよ。


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