LTspice .param構文の活用①

こんにちは。
LTspiceでの.param構文の使い方/活用方法について書いてみようと思います。

そもそも.param構文とは?

プログラミングでいうところの変数宣言になります。
ただプログラミングみたいに型とかはないのでご安心を。
普通にLTspiceで回路シミュレーションを実施する分には使わなくても大丈夫ですが、使えると何かと便利な場面が多いです。

.param構文を用いたパラメータの宣言方法

ここから.param構文を用いたパラメータ宣言について一連の流れを解説します。

①SPICE Directiveを開く

まずは構文を記述するエディタを開きます。
このエディタはEdit>SPICE directive 'S' で開くことができます。

SPICE Directiveをクリックすると、以下のようなエディタが表示されます。

このSPICE DirectiveエディタはLTspiceを活用する上で使用することが多いので覚えておきましょう。

②.param構文を記述

ここでは10nの値を持つ"cap"というパラメータを宣言してみます。
SPICE Directiveのエディタに以下の内容を記述します。

.param cap=10n

③記述した.param文を回路図に張り付ける

SPICE Directiveに構文を記述しOKボタンをクリックすると、記述内容を回路図に貼付するモードに移行する。
貼付する場所はどこでもOKなので、回路図の邪魔にならなさそうなところに置きましょう。

回路図に貼付ができた時点で"cap"というパラメータがこの回路図上に宣言できた状態になります。
ここから先の活用方法については別記事書いていこうと思います。

補足①:.param構文のルール

.param構文の記述ルールは以下になります。

.param [パラメータ名1]=[値1] [パラメータ名2]=[値2] ...  

行頭にパラメータ宣言であることを意味する".param"、
そこから半角スペースを空けて宣言したいパラメータ名とそのパラメータに設定したい値の等式を記述する形式です。
複数のパラメータを宣言する際は値の後ろに半角スペースを空けて等式を記述することで、1つの.param文で複数のパラメータを宣言できます。
(注意:1つの回路図に複数の.paramが存在してもエラーにはなりません)

補足②:.param専用エディタ

回路図に貼付した.param文を右クリックすると、記述したときのSPICE Directiveとは異なる、.param専用のエディタに変化します。

構文覚えるのは面倒臭い!という方には便利なものかもしれないですね。
実はこのエディタはSPICE directive上で.paramとだけ記述して、回路図に貼付、その後貼付した記述を右クリックしても開くことができます。
そのためとりあえずSPICE directiveで.”param”と覚えておくのもありかもしれません。
(この小ネタは.param以外のほかのステートメントでも結構使えるので個人的には便利だなと思っています。)

この記事はここまで。また気力がでたら続編書きます。





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