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喧嘩の作法

僕は音楽カフェも経営するギタリストなので、Twitter(意地でもXとか呼ばない)でもYouTubeでもギター関係の情報を漁ることが多い。で、最近、「界隈」が荒れているのをなんとなーく遠くから傍観しているわけだが、傍観者としていろいろ思うこともあり、かといってTwitterになんか書くほどなにか思っているわけでもないので、ちょっとnoteに書き留めておこうと思う。

渦中の山口和也氏「タメシビキ」だが、以前はよく見ていた。ギターYouTuberの先駆的なお立場という印象である。ほかにも西尾さん、ソエジマさん、溝下さんらの動画も参考にさせていただいている。参考にしたからといってギターが上手くなったかというと、少しアドリブできるようになったかな、ぐらいだが、まあ色々な方のギターの演奏を観るのは楽しい。

タメシビキを観なくなったのは、オンラインサロンやギターイノベーション大学での「集金」が目立ち始めた頃からだ。課金、サブスク収入は商売として当然、なんの問題もないし、より濃いサービスとしてのサロン等も文句はないのだが、個人的にはそれがあまり表に出過ぎると興味が薄れるというか、所謂「鼻白らむ」というやつで、なんとなく観なくなったのである。その頃からチラホラと「態度」や「案件の値段」についても悪評が聞こえてきてはいたが、まあそれも人気者の宿命でもあるしな、という程度に捉えていたし、「絶対観ない」なんてこともなく、面白そうな機材紹介の時は観たりもしていた。

その程度の視聴者の僕の視点で、さて、今回の炎上についてだ。

詳細は面倒なので端折るが、端的に言って山口和也氏は対応間違いすぎだし、叩く側は叩き過ぎだし、仲裁(?)もさほど中立的とは思えないな、ということで、もうこれどうにもならないんだろうな、と思う。

山口和也氏とツアーを実質的に主催したパラダイムシフトは速やかに情報開示、必要な返金対応、おそらく微々たるものだろうが利益を得ていたのなら正直に参加者に謝罪すべきだ、というのは当たり前のことで、参加者の皆さんも第一にそれを望んでいる。まともな対応をしない主催者サイドに一義的な非はある。

ただ、である。
山口和也氏がこのタイミングで動画を上げると一斉にそれを攻撃する、となると話は変わってくる。他人の仕事を奪うとか、妨害する理由は、いかに喧嘩相手であってもないからだ。その動画を上げた結果さらに信頼を失うとか、参加者の個人的な思いとして「今かよ」とか、意見を表明することは良いけれど、参加者でもない、被害者でもない傍観者が一斉に文句を言うのはいくらなんでもやり過ぎ、いじめになる。

仲裁に入った友人が非公式な場で忠告をするのもいいだろう。しかし「忠告しましたよ」をSNSに投稿するのは、ちょっと違うんじゃないかな、と僕は思う。

参加者サイドにとって、この喧嘩は「勝ち確」である。しかし、勝ち確の喧嘩の時こそ、第三者の視座が大切になると思うし、目的が「公正なツアーの運営・清算」にあるという前提は崩さないように気をつけるべきだろう。傍観者目線から、おそらく、すでに「勝ち確」の一端は崩れつつあるのでは、と感じる。

同じ楽器を愛する友として、今回の炎上がなにかの教訓となり、それぞれの当事者にとってなんらかの学びにつながることに期待したい。

まあなんだ、喧嘩はしてもいいけど、節度を考えて落とし所を見つけてそろそろ手打ちにもっていけよってことだね。

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