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爬虫類ショップ店員はアイドル稼業に近い

閲覧ありがとうございます。
ミルエスカマスと申します。
趣味として爬虫類の飼育から、爬虫類販売店に就職、独立を視野に退職し、現在業界への貢献を考えて模索中です。
このnoteでは、爬虫類飼育という趣味の世界をちょっと変わった視点から書いていきます。


今回の内容は本当はペットショップで働いているすべての人間に言える事であるが、趣味としてより濃厚な「爬虫類屋」はそれが顕著であるし、これを意識しなければ長い目で見て大きく売上に作用してくると思う。

当然お客様方はペットとして爬虫類を買いに来ているわけだが、複数爬虫類を飼育している方々は「どこで爬虫類を買うか」を非常に意識している。

店が綺麗か、価格はどうか、珍しい爬虫類は置いてあるか。等

しかしこのすべてがマンパワーによって形成されている以上、間接的に店内スタッフの評価と直結している点が今回のタイトルの意味である。


店内が綺麗←スタッフは爬虫類が好きに違いない

価格が安い←良心的な価格はスタッフの顧客への思いやりが強いに違いない。儲けではなく、本当に好きでやっているに違いない

珍しい爬虫類が置いてある←スタッフは知識があり、魅力の多くを知っているに違いない

といった風に、お客様は間接的に常に中の人間の人間性を店内の様子から推測していく。


現に、爬虫類ショップのGoogleレビューの多くが店内スタッフの評価が書かれている。

悪い例をあげると

「最近、近所に小さな爬虫類ショップが出来たけど、そこに尻尾や足の無いフトアゴが沢山置いてあった。ああいう店では買い物したくない」というお客様の声を聞いた。

実際自分も数日前にその爬虫類ショップに行ったのだが、店内はとてもキレイにしてあり、陳列もケージ内もとても清潔だった。
尻尾や足の無いフトアゴが確かに複数いたが、すべて傷口は完全に完治してした。

それを見て、同じ職種の自分の目には「開店祝いに在庫を埋める為、無料もしくは格安で売り物にならないフトアゴをどこかから頂いたのだろう」くらいに思った。
どんなに愛が深かろうと、フトアゴは繁殖の知識が浅ければこういった事故が多発する。そういった個体はショップで販売する事が難しくなり、結果問屋やブリーダー等生産した人間が飼育し続けるわけである。

売れない生き物だから殺処分するというのも可愛そうだから飼育していた。

そういったフトアゴを、可愛がって下さる方に少しでもお安く販売するという行為は、決して動物をぞんざいに扱っている人間だと凶弾する事ではないと思う。

しかし、自分にそんな話をしてきたお客様はそんな事情など知らないし、二度とその店でペットを買う事は無いのだろう。


お客様の多くは、珍しい爬虫類を求めてSNSを利用している。
前にもnoteに書いたが、それぞれが自分の正義を持って他人の爬虫類に関する投稿を見ているので、少しでも自分の考え方と違うと「動物を大切にしていない」という先入観のもと、人格批判に近い敵意を持つことが多い。

我々爬虫類ショップ店員は、そう思われてしまうと「あの店では買い物はすまい」と思われ、そのお客様は二度とお店には来なくなってしまう。


ほとんどの小売店はそのサービスを比較されるのに対し、爬虫類ショップは店内のスタッフの人間性をお客様が様々な観点から推測し、自分の中の正義と照らし合わせ評価する。

故に、店内サービスは勿論のこと、言うことやSNSでの投稿ひとつひとつ、それが小さな事やたわいのない冗談であっても、利用するお客様の増減に大きく関わってしまう。

そして、悪評等は特に拡散されやすく、一度炎上してしまうと、立ち直る事はほぼ不可能であると言っていいと思う。

アイドルは、メディアで露出するその歌や踊り、ルックスの他にも、プライベートや人格含め観察され、ファンが出来てお客様がついていく。

爬虫類ショップ店員も、爬虫類屋の店頭というばで露出する接客や店内、爬虫類の状態の他にも、プライベートで飼育している爬虫類や動物に対する考え方などを観察され、ファンができてお客様がついていくのである。

これが、自分が「アイドル稼業だ」という所以だ。

爬虫類ショップ店員は普段から気をつけて生活をしなければならない。それはとても息苦しい事ではあるけれど。

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