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【随筆日記】ストリートビューで追う47都道府県思い出の場所《栃木県》

栃木県鹿沼市黒川果樹園

08栃木県黒川青果園

 特に有名でもない普通にある道端の果物直売所だ。数年前このすぐ近くにあるリッチフィールドというドッグラン併設のカフェに行った事がある。広いドッグランに大盛り過ぎるわんこメニューもあり、我が家はけっこう遊びに行っていた。一つ難を言えばここだけの話食事は美味しくない。しかし特性のしそジュース炭酸割りはおすすめの一品だ。

 このお店へ行く途中で道路沿いに梨を売っているお店があったのでお土産にとおもって立ち寄ったのがこの黒川果樹園。本当に普通にある即売所だ。そこで「かおり」という見た事もない品種の梨を見た。大きい。とにかく梨らしくもない大きさ、それはまさに柑橘界でいうところのざぼんのような大きさだ。もちろんこんな梨が存在するとも知らなかったし、ほとんど市場には出てこない希少な品種だとのことで気になって買ってみた。その時に我が家のわんこをとてもかわいがってくれた思い出があった。

 その後目的のお店で遊び、車に戻ると車の中がほんのりと梨臭い。言い方が他にもあるだろうと思うがまさに「梨臭い」という言い方が当てはまる程の香りの強さだった。家に帰ってから冷やして食べるとこんな梨食べた事ないという程の甘さと香りの良さ。まさに革命的な梨だった。これには本当に驚いた。初めてドリアンを食べた時くらいの衝撃があった。

 調べてみるとこのかおりという品種はもともと平塚で作られた種なのだが、何らかの不都合があって流通はされなかったらしい。それを千葉を中心とした梨農家が独自に栽培を続けて少ないながらも流通させ、知っている人が作っている梨園を見つけては買い求めるというような広まり方をしているのだそいうだ。なので千葉方面へ行って買う事もあるが、やっぱり大きさ、香りともに黒川果樹園のものが、と言うよりは栃木県鹿沼市産が抜きん出ているように思える。

 それからというもの2年続けてこの黒川果樹園に梨を買い求めに来ている、最早先述のリッチフィールドは果樹園へ行くオマケのようなものになった。行けば毎回わんこをかわいがってくれるし、果樹園の子どもの成長も見られるし、そういったふれあいが楽しみだった。

 ところが去年は入院をして梨の季節には病院にいたし、今年は今年でCOVID-19が広まり県を越えて出かける事にも抵抗があり2年のブランクが開いてしまっている。来年こそ行けたらいいのだが。もうそんなに遠くへ行けるような身体ではないのかも知れない。

 「かおり」という品種のやたらとでかい梨をどこかの果樹園で見つけたらそれはまさに一生ものの出会いだと思うので絶対に買って食べてみてもらいたい■

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