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6月18日/絵描きがライダーを目指すお話

こんにちは、Ellie*です。
わたしはきょう、
教習所で小型二輪MTの卒業試験に合格しました。

信じられない、という気持ちです。
わたしがバイクに乗れるようになるなんて、
思ってもみなかった。
(※まだ免許は取得できていません。)

憧れていたけれど、どこか諦めていたバイク。
でもいま挑戦しなかったら、
きっともう一生乗ることがないのでは。
わたしはバイクに乗れる自分が
ちっとも想像できないけれど、
だからこそ乗れる自分に会ってみたいな。
と、この春ふと思いました。

その話を聞いたまわりのひとたちのなかには、
無理だと笑ったり
すこし馬鹿にしたひともあったけれど、
(何しろ、わたしは不器用だし、
運動も苦手だったのです)
わたしはそれを受けて
「どうしてもやりたいことなら、
精一杯努力すれば
できないことなんてそんなにないはず、
これはそれを証明しに行く戦いだ」
みたいな気持ちになったのでした。

わたしが選んだ車種は小型二輪MT。
マニュアル車です。
実際に所有することを考えて小型を、
オートマでもよかったけれど
マニュアル車のほうがかっこいいから
せっかくなら挑戦したい、とMTを選びました。

身近なひとにもどうしてマニュアルなんて、と
呆れられたりしたけれど、
唯一、弟はちっとも馬鹿になどせず、
昔通っていた教習所を紹介してくれたのでした。

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小型二輪MTの技能教習の時間は、
最短で第一段階・6時間、
第二段階・6時間の計12時間。
わたしは初めての免許なので、学科教習もあり、
そちらは四輪も二輪も共通なので
第一段階も第二段階も10時間以上ずつあり、
頑張って授業を受けていかないと
学科が追いつかない…と聞きました。

ただ、わたしは技能教習の出来が悪く、
同時期に教習をはじめたひとたちが
次々とコースにでていくなか、
テントの下で何時間も
クラッチやブレーキを握る練習をしたり、
やっとコースへ出たと思ったら
足が地面に着かずに転んだり
(小型二輪とはいっても、
車体の大きさは普通二輪とほぼ同じなのです)
エンストばかりでろくに走れず補習、
低速走行で真っ直ぐポールにぶつかっていき補習…。

最初のころは、あたらしい先生にあたるたびに
首を傾げられ、
「ところで、自転車って乗れますか…?」と
訊かれ続けました。

ほんとうに、書いていてはずかしいような
教習の進み具合だったのですが、
先生たちは諦めずに熱心に教えてくださり、
質問しに行くと休み時間にも関わらず
バイクに乗って実演してくださったりもしました。

実は、入所のときに
「MTが難しそうだと判断した場合は
途中でAT (オートマ)への変更を
勧めるかもしれません」と言われていて、
最初のころはきょうこそ
MTは無理だと宣告されるかもしれない、と
毎回どきどきしながら教習を受けていました。

ところが、そんな宣告を受けることもないまま
第一段階の教習13時間目くらいで
(すでに規定の6時間の倍を超えていますが)
急にスムーズにギアチェンジができるようになり、
コースアウトしてばかりだったクランク
(連続した直角の狭い曲がり道コース)を
すっと通れるようになりました。
(クランクは、休み時間に実演してくださった
先生の運転を真似できるよう練習しました。
小型二輪は教習生が少なく、
なかなか誰かを見本にできなかったのです)

そしてある日、急に
「一段階のみきわめをします」と言われ、
指示されるままにS字コースなどを走り、
その時間の終わりに
「きょうで一段階合格、次から二段階です」と…!

教習所に通っていて
一番うれしかった瞬間だと思います。
たぶん、卒業検定に受かったきょうよりも
喜んでいました。

結局わたしは、第一段階・15時間、
第二段階・10時間というかなり長めの時間をかけて
卒業検定の受験資格を得ました。
急かされていた学科教習も同じ週に終わりました。

そしてきょうは第1回目の卒業検定。
第1回目、と思っていたのは、せめて3回くらいで
合格できたらいいな…と思っていたから。

何日も前から天気予報をチェックして、
晴れの日の日中は光で目が痛く、
教習中に涙が出てしまったことがあるので
曇りを希望していました。

きょうの天気は厚めの曇り空。最高です。

二輪の卒業検定にはコースが2種類あり、
同じ場所なのですが
どのような順序で走るかが異なっています。
それぞれの教習生がどちらのコースを走るかは
当日、試験直前に発表されます。

わたしはどうしても2つのコースが
ごちゃ混ぜになってしまい、
覚えられそうになかったので
コース1に絞って覚えました。

「わたしは運がいいから」と、
ときどき運に頼ってしまうのですが、
これもそうでした。
「運がいいから、きっとわたしは
コース1を指定されるはず。」

今朝、60名ほどが集まった検定の説明の教室で、
わたしの指定された席の列の前には、
「グループ6 コース1」と書かれていました。
コース1!
ほら、やっぱり運がいいでしょう。

お天気は眩しくないし、気温もそこまで高くない。
コースは覚えてきた1。
これだけ揃えば、きょういけるかも、と思いました。

あとは、一本橋さえ落ちなければ。

わたしの教習での一番の強敵は
一本橋という課題でした。
これは高さ5cmの平均台のようなものを、
指定された時間以上かけて
ゆっくりと渡るというものです。
わたしはその橋にうまく上れず落ち、
また上に乗ってもうまくバランスが取れず落ちて、
運が良ければ通れる、勝率2/5くらい…
という感じでした。

実は、第二段階の最後の教習でも落ちていて、
みきわめ合格、と言ってくれた先生に
「わたしまだ一本橋落ちるんです…!」と
訴えたほどです。
なぜなら、一本橋から落ちるのは
卒業検定で即不合格、検定中止になる項目だから。

即不合格になる項目としては、
ほかに転倒やコース外への脱輪など
いくつかあるのですが、
明らかに一本橋から落ちて不合格の可能性が高い。

検定は減点方式だけれど
即不合格だと点数なんて関係ないので、
わたしにとっては一本橋が渡れるか否か、が
合格の分かれ目だと思っていました。
(あと、実は乗車のときに転倒する、が心配でした。
教習のときはなかなか跨れないでいると
先生がそっと支えてくれるけれど、
検定はそうもいきませんもの…。)

今朝は早朝に目が覚めてしまい、
行きの電車では緊張で息苦しくなり、
検定のときは心臓がどきどきしすぎて
エンジンの音もわからなくなるほどでした。

検定の走行は、帰宅したいま思い出しても
緊張します。
コースは1つしか覚えてこなかったから大丈夫。
では右左折の合図を出す位置は?
ほかの教習生が前にいるときに停止する場所は?
頭のなかがぐちゃぐちゃになりながら、
コースに出ました。

すると、ちょうど教習の休憩時間だったようで、
コースには検定中の数台しかいません。

検定は、練習中の教習生に混じって走り、
時には順番待ちをしたり
道を譲ったり追い越したりしながら審査をされる、
その部分でも問題があれば減点になる…と
聞いていたので、
他のバイクがほとんどいない状態で走れるのは
運がいい…!

ほんとうに、たくさん運のよさが重なった状態で
検定を受けることができました。

結果、走行の記憶はあまりないけれど無事合格。
強敵の一本橋も、自分のタイミングで
スタートできたからか、
はたまた「橋の下はマグマ」と
思い込むことにしたからか、
落ちることなく通過できました。

合格と聞いたあとは手が震えて、
受付で書類を受け取るときには
ちょっと泣いていました。
わたしの感情はいつも大げさですが、
アン・シャーリーのように
「その分、喜びも倍になるのよ」と思っています。

そんなふうに、わたしの教習所通いは
きょう終わりました。

いまは、まだどこか信じられないような気持ちと、
すっかり親しみを感じるようになってしまっていた
教室や小型二輪の教習車、先生たちと
離れてしまったことがさびしいです。

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いかにも学校然とした木の机、
いつのまにか好もしく思っていました…。

来週、免許の試験場にいき
学科試験を受ける予定ですが、
免許を取得できたら
ほっとした気持ちになるのかもしれません。

いまはただ、あんなに一生懸命時間をつくって通い、
毎日反省したり次の目標を立てたり…
そうやって過ごしていた教習所に、
もう行かないなんて、ほんとうに…?
という気持ちです。
あしたも行くような、そんな気さえしています。

でもとにかく、わたしはきょう、
卒業したのだと思います。
気持ちが落ち着いたら、試験勉強を頑張ります…!

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