blt graph. vol.77 山﨑天インタビューの感想
山﨑天のロングインタビューは昨年9月25日発売のB.L.T.21年11月号以来、
約半年ぶりになる。そして4thシングルの表題センターとしてこの分量(約5000字)のインタビューは初めてということもあり、充実した内容だったのでできるだけ感想を書き留めたいと思う。
インタビュアーは平田真人さんでこの取材の前にB.L.T.22年5月号の田村保乃・藤吉夏鈴・森田ひかる・守屋麗奈のインタビューもされていて、関連する箇所が多いのでそれを踏まえたうえで感想を書いています。
「五月雨よ」は「新しい櫻坂」?
4thシングル『五月雨よ』リリース当初からメンバーが
「新しい櫻坂をお見せできるのではないか。」
という趣旨の発言をしていた。
『五月雨よ』は私の感覚からすると乃木坂46を強く感じさせる曲調で、櫻坂の歴史だけを考えればそう言えるかもしれないけど、少し周りを見れば似たような曲はあるわけで、それを櫻坂として新しいと言うのは主観が強すぎるのでは?と違和感があった。
今回その点について具体的に語られていて、
B.L.T.22年5月号で藤吉夏鈴も同じことを語っていて、今までの表題曲に比べて緩やかな振り付けなので、歌と表情でより表現しなければいけない点に、新しさとそれに挑戦できる喜びを見出しているようです。
この経験が彼女たちの血肉となって今までよりも深くこちらに訴えかけてくれるのではないか、『五月雨よ』は長い目で見たときに必要な過程なのかもしれないと、その意義を以前よりは理解できるようになった。
今後のパフォーマンスに期待したい。
自己表現と視点の変化
インタビューの中盤でグループにおける自己表現について話しているんですが、これが理解が難しくて困っている。
楽曲に自分を込めまくるのは欅時代からの伝統みたいなものだし、変に浮くこともないと思うんだけどそういうことではない・・・?
櫻坂としての、アイドルとしてのバランスが崩れないか危惧しているようだけど、大丈夫だと思うのだが・・・。
これに関してはB.L.T22年5月号を読んだ時も思ったのですが、皆(2期生)慎重すぎではないか?と思う。去年の全国ツアーやアニバーサリーライブ、今年初めのバックスライブなどを経て、1期2期の融合が進みグループとしての調和がとれてきたと思うので、それを崩してはいけないという意識なのだろうか?もしくは欅時代の反省なのか?
今の櫻坂は確かにチーム力は上がったと思う。しかしブレイクするための起爆剤がないという閉塞感があって、それを突き破るなにかが欲しい。なので天にはそれをやってくれるのではないかという希望を抱いている。今の櫻坂なら多少無茶をしても崩れないと思っているのだが乱暴だろうか。
その流れでこのインタビューで一番衝撃を受けたのは次の発言だった。
以前2020年4月24日発売のB.L.T.6月号(まだ欅坂時代)で
櫻坂になってから変わったという自覚があるようだし、改名のタイミングで変わらなきゃとも思ったそうだけど、あの将来のことなど考えられないほど自分に自信がなかった子が、将来を見据えることで今を捉え直すという、視点が180度変わったと言ってもいいほどの変化をしていたことに驚いた。
インタビューを追っていると自己肯定感が上がってきた感じは受けていたんだけど、ここまではっきり言葉にしたのは初めてじゃないか?
なぜここまで変わることができたのか、ひとつはメンバーの存在が大きかったことが読み進めると分かってくる。
メンバーとの関係
先ほど(現在)の天の視点と真逆な人がいて、それが森田ひかるちゃんなんですよね。
念のため補足しておくと2020年の天は自信のなさから将来を考えられなかったのに対して、ひかるちゃんは自らその考え方を選んでいるという違いがあると思っています(逆に今の天と考え方が近いのは田村保乃ちゃん)。
考え方が違うということを天も認識していて、
その二人がセンターとフロントという近いポジションにいて摩擦が生じないのかというと、全くそういう感じはないんですよね。
それどころか、
インタビューやラジオ、ブログなどでもひかるちゃんや保乃ちゃんが天を気遣っている様子が伺える。保乃ちゃんはセンター・山﨑天の印象を聞かれて
おそらくひかるちゃんも同じ気持ちなんじゃないか、と思う。先日のラジオSOL教育委員会に出演した際にひかるちゃんが「天ちゃんは自分に厳しいので、私は甘やかしてます。」という趣旨のことを言っていた。
そんなひかるちゃんと天の共通項は『俯瞰と客観性』で、
ひかるちゃんも天も多少の違いはあるだろうけど、「求められることに応えたい」という想いを持っていて、その先にグループの未来が開けていくと考えている。
意見が違っても話を聞き、自分が言えることはきちんと言い、そのうえで相手の言い分に耳を傾けることでグループの全体像を把握し、次に何をすべきかを導きだす。
こういうことが大事なのは分かるけど、実行するのは難しいだろうに、
すごいなと思う。二人とも大人だな、と。
順番は分からないが、1期生を含めたメンバーの優しさに触れ、
天自身も勇気をもって心を開き、それをメンバーが受け止める、
この幸せなキャッチボールのおかげで今の風通しのいい精神に行き着いたんだろうなと思う。
なんて素晴らしい関係性なんだと、メンバーの人柄や考え方に改めて感じ入った次第です。
最後に
ハイディ・グラント・ハルバーソン著
『やってのける 意志力を使わずに自分を動かす』
によると、永続的な幸福感や充足感を得やすいのは
「関係性」
「有能感」
「自律性」
を満たす目標だそうです。
①人間関係を深めたり、他者に貢献する目標は「関係性」の欲求を満たしやすい
②経験から学んだり、技能を習得することで個人的な成長が促される目標は「有能感」の欲求を満たしやすい
③「興味がある」「楽しそう」「自分の特性や価値観に合っている」などを理由に選択した目標は「自律性」の欲求を満たしやすい
天やメンバーのインタビューなどを読んでいると、天は「関係性」「有能感」「自律性」すべてが満たされていると思うんですよね。
それを可能にしている今の環境の素晴らしさを感じると共に、そんな天がどのように成長し、どんな景色をファンに見せてくれるのか楽しみにしている。
これでインタビューの感想は終わりです。
この他にも様々なことが語られているのでまだお読みでない方はぜひ本誌を手に取っていただきたい。
元から感想は書こうと思っていたのですが、感想ツイートを探すと思ったより少なく感じて寂しかったので、ならば自分ができるだけ書こう、と思い立ち書いてみた次第です。(私の)話の組み立てが分かりにくい箇所があるんですがもう力尽きました。
少しでもお役に立てていれば幸いです。
お読みいただきありがとうございました。
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