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ウィッカとタロットの魔術師

みなさんこんにちは☆
フォルトゥーナタロットの林エリヤです。
フォルトゥーナタロットや様々な占術で、皆さまと心願とを繋げて具現化していくメソッドを、シリーズでお送りしていきたいと思います。
 
みなさんはウイッカをご存知ですか?ウイッチ(魔女)と一字違いなのでウイッカとウイッチは繋がりがありそう?と容易に想像できますね。では、ウイッチとは何者でしょうか?童話や小説に出てくる魔法使いのお婆さんを思いうかべる方も多いと思います。英語のwitch(ウイッチ)を直訳すると魔女、妖女ですのでみなさんの想像通りです。しかし、若い女性のウイッチもいますし、さらに男性のウイッチもいます!男性はウイザード(wizard)でしょ?と思われた方は英語が出来るかたですね、そこで今回はウイッカとタロットの魔術師についてレクチャーします。
 
ウイッカとは何か?世間一般的な解釈で簡単にいうと魔女の宗教です。ウイッカとはウイッチ(魔女)が信仰する宗教と捉えれば分かりやすいと思います。また、ウイッカとウイッチクラフトは同義語になります。ウイッチクラフト(魔女の技術)ですのでウイッカ(魔女の教え)でほぼイコールになる訳です。ではウイッカ=魔女の宗教とはどんな宗教?何か怖そう!?と思われた方もいるかもしれませんね、大丈夫です!ウイッカの理念は「何者も傷つけないかぎり、自分の望むことをせよ」です。善行のみを為すことを信条とするホワイトマジック(白魔術)がベースになっています。

ウイッカ(ウイッチクラフト)の歴史は今から2万5千年前までさかのぼることが出来るそうです。2万5千年前というと旧石器時代です!現在、世界中で信仰されているキリスト教、仏教、イスラム教など近代的な宗教はまだ生まれていません。当時の人類は狩猟生活のみで、稲作などの植物の栽培(農耕)もしておらず、自然の恵みに頼る生活でした。狩りに成功しなければ、食料も暖をとる毛皮(現代の衣服)も手に入りません。
 
そこで、狩猟の神さまを祭り、狩りの成功を願って、原始人の一人が角の生えた動物の毛皮をかぶって儀式を行うようになりました。これが男神信仰の始まりとされています。世界中に角の生えた神様(日本では鬼)がいるのは、こちらがルーツであるようです。また、子供を産むことが出来る女性は、豊穣の女神として崇拝するようになります。さらに、旧石器時代の人たちは地震、雷、強風、火災、河川の氾濫など自然の驚異には神の力の存在を信じていました。これらがアニミズム的な原始宗教の始まりです。
 
時代が下ってヨーロッパでは、狩りの大猟、豊作、季節の祝祭が行われるようになると、司祭が必要になります。この司祭がアングロサクソン語で魔術師を意味するウイッカ(Wicca)です。この近代宗教以前の多神教を崇拝する古代宗教がウイッカ(魔女の宗教)のルーツです。しかし、ヨーロッパではキリスト教が普及するのに従い、異教徒は邪教とみなし改宗をせまりました。これが中世の魔女狩り(魔女裁判)です。
 
この魔女裁判と呼ばれた魔女を取り締まる反ウイッチクラフト法は、イギリスでは20世紀半ばの1951年まで廃止されませんでした。このため、キリスト教以前の古代宗教を崇拝する人々は、自身がウイッカであることを公にすることが出来ませんでした。1954年になってウイッカの父と呼ばれるジェラルド・ガードナーによる自著『Witchcraft Today』の発行と自信がウイッチであることの公表により、他のウイッチたちも次々と名乗りを上げ、ウイッカ(魔女の宗教)の存在が広く世間に知られるようになった訳です。
 
このようにウイッカ(魔女の宗教)のルーツは古代にありますが古くて新しい宗教と呼べるものです。ウイッカの信者は全員が自然の営みの神聖な側面の一つであると信じて、自然の驚異によって定義される神聖は、すべての川、山、木、動物の中にある(アニミズム)と同様に、自分たちすべての中にも存在すると信じています。現代のウイッカの儀式は、カヴン(ウイッチの集団)や宗派によって異なります。また、『影の書』と呼ばれる集団や個人独自の魔術の教本を使用します。この『影の書』には、儀式の様式、まじない(占い)、ルーン文字、魔法にかかわる決まり事などが書かれています。
 
上記でウイッカの語源は魔術師と説明しました。また、ウイッカには司祭職があって、基本的に男女各一人づつの司祭がいます。女司祭(Priestess)と司祭(Priest)です。ウイッカは自然と繋がるツールとしてタロットカードを使用します。このためフォルトゥーナタロットでは、魔術師、女司祭、司祭のカードが存在する訳です。そこで今回は魔術師のカードについて解説します。
 
タロットカード1番のカードは『魔術師』と呼ばれるカードです。ウェイト版(写真右)では魔術師(MAGICIAN)。マジシャンというと日本では手品師でマジックをする人ですが、欧米では魔術師や錬金術師をマジシャンと呼びます。マルセイユ版(写真左)では大道芸人のカードです。初期のタロットカードでは1番のカードはペテン師やイカサマ師といわれていたようで、マルセイユ版のカードを見るとテーブルマジック(ギャンブル)をするイカサマ師に見えますね。
 
1番の魔術師のカードは占星術の水星に対応していて、水星はマーキュリー(メルクリウス)でギリシャ神話のヘルメスです。ヘルメスは錬金術と旅の神様ですが、生まれてすぐ牛泥棒をはたらき、泥棒や詐欺師の神様でもあるので、魔術師のカードのシンボルにピッタリですね。因みに20世紀最大の魔術師アイレスター・クロウリーのトートタロットではそのままメルクリウスが描かれています。
 
数秘学で1は神聖をあらわし、マスターの数字です。1はスタートの数字であり、始まりであり一つだけで完成も表します。これは、大半のタロットカードの1番の魔術師のカードには4スート(4エレメント)のシンボルが描かれていることでも分かります。1は独立と統一、男性性を表します。
 
1. 魔術師 正位置のキーワード
物事のはじまり、うまくやってのける、無から有を生み出す力、好きなものに集中する。
1. 魔術師 逆位置のキーワード
自信がない、コミニュケーション不足、理解力がない、ペテン師、平気で嘘をつく

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