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旧約聖書物語 4

モーセの誕生から
モーセが民を率いてエジプトを脱出し
シナイ山の麓で神と契約を結ぶまで

谷口江里也 構成訳
ギュスターヴ・ドレ 画
©️Elia Taniguchi

目次
1 モーセの出生(出エジプト記1~2)
2 モーセの召命(出エジプト記2~4)
3 モーセとアロン(出エジプト記4~7)
4 災いを起こすモーセ(出エジプト記7~9)
5 災いを起こすモーセ その2(出エジプト記7~9)
6 災いを起こすモーセ その3 (出エジプト記7-9)
7 エジプトを出るイスラエルの民(出エジプト記12~13)
8 海を割るモーセ(出エジプト記15)
9 水とマナを与えるモーセ(出エジプト記15~18)
10 水とマナを与えるモーセ その2(出エジプト記15-18)


1 モーセの出生(出エジプト記1~2)

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ヤコブ・イスラエルと共に
エジプトに寄留した子らは
ルベン、シメオン、レビ、ユダ
イサカル、ゼブルン、ダン、ナフタリ、ガド、アシェル、ベニアミン
そして既にエジプトにいて
一族を呼び寄せたヨセフの十二人。
孫の数は全部で七十人であった。

ヤコブが死に
ヨセフとその兄弟達が死んだ後も
ヤコブ・イスラエルの子らは
それぞれが後継ぎを増やし
その数は次第に
地をおおう草のように強く広く
エジプトの地に増え満ちていった。
そして時が経ち、エジプトが
ヨセフのことを知らないファラオの時代
となった時、新たな王は
イスラエル人たちの数も力も目に余る。
このままでは国を脅かすに至るだろうと
イスラエル人に強制労働を強いた。
こうしてイスラエル人に課せられた
重労働によって、ピトムの街
ラメセスの街等が造られた。
しかしイスラエルの子らは
虐待されればされるほど
なおふえ広がったのでエジプト人たちは
更にイスラエル人を憎み
なお一層過酷な重労働を強いた。

そして遂にファラオは
エジプト全土に
新たに生まれるイスラエル人の
男の子の全てをナイルに沈めよ。
と布告した。

さてその頃、ヤコブ・イスラエルの子
レビの地を引くレビ族の男が
同じくレビ族の女を娶り
女は男の子を産んだ。
生まれた我が子を殺すにしのびず
女は3月になるまで隠し育てたが
しかし、もはやこれ以上は
隠し切れないとみて
パピルスの籠にその子を入れ
ナイルの岸辺の
葦の茂みの間に我が子を浮かべた。

ヨセフのいるエジプト寄留したヤコブは、ヤコブは17年そこで過ごし、147歳で死んだのち、カナンのマクペラの先祖の墓に葬られた。またヨセフは、110歳まで生きエジプトに葬られたが、子孫がやがて待機してカナンをめざすと予言し、その時には自分の遺骨を携えてカナンに向かうよう遺言した。
生まれてきたイスラエル人の男の子を殺せというファラオの命令は、ヤコブの民がその頃には、相当な勢力になっていたことの表れでしょう。なお同じような命令が、新約聖書でも、イエスが生まれた時に発令されます。
なおレビ族はモーセ以降、ヤコブの息子たちを祖先とするユダヤ12民族を神の名において導く役割を持つようになります。

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