マガジンのカバー画像

ゾウの村 ランブル日記

20
ゾウの村の住人、Tomokoの記事。研究のこと、ゾウの村での調査、日々の暮らしのことなどについて書いた記事のマガジン。
運営しているクリエイター

2022年11月の記事一覧

いま、ゾウたちのために私たちが出来ること | スリン・ブリラムの失業ゾウ

サワディカー、ゾウの村の住人です! 先日、高校生向けにゾウの村での私の研究と実践についてお話しをさせて頂く機会がありました。その中で、私の調査地であるタイ東北部スリン県・ブリラム県に暮らす、まさにいま困難な状況にある失業ゾウやそのゾウ使いたちのために何が出来るのかを高校生と一緒に考えました。 今日はその内容の一部をみなさんと共有したいと思います。 失業ゾウとはどのようなゾウなのかは、以下の記事で紹介しています。 なぜ失業ゾウを支援しなければならないのか? アジアゾウは、

スリン象祭り | ゾウの村 ランブル日記 by Tomoko

サワディカー! 今年もこの季節がやってきました!そう!スリン象祭り(Surin Elephant Round-up)の季節です! スリン象祭りは、日本人の間ではタイ三大祭りの一つとして知られています。 1960年に第一回スリン象祭りが開催され、その後、主催者は何度か変わっていますが、現在まで毎年多くのスリン県内に暮らすゾウたちが参加しています。 例年11月の第三週目の土日にメインのエレファント・ショーが行わています。 エレファント・ショーの前日には、市街地にゾウを迎えるた

タイ東北部スリン県・ブリラム県の失業ゾウのこと

タイには多くのゾウがいる。 人々とゾウのかかわりがどのようなもので、いかなる歴史を紡ぎ出してきたのかは、地域やエスニック集団ごとに大きく異なる。 例えば、林業に従事する南タイのゾウ、エレファント・キャンプで働く北タイのゾウ、観光地や故郷であるゾウの村で働く東北タイのゾウ、そして縮小する森林地帯で暮らす野生ゾウたち。それぞれがゾウ使いや近隣に暮らす住民などと多様な関係を築いている。 私が調査を行っているのは、東北部スリン県およびブリラム県の県境にある「ゾウの村」と呼ばれる地域

ゾウの村に暮らして | ゾウの村 ランブル日記 by Tomoko

タイ東北部スリン県の「ゾウの村」の住人、Tomokoです。 私がこの地域に暮らす人々と知り合って早16年。高校生の時にスタディツアーでこの地域を訪問してから、人生の半分くらいの時間を彼らと過ごしてきたことになります。 現在、私はここでクアイの人々とゾウの関わりについて文化人類学の視座から研究を行っています。 スリンと言えば、タイ三大祭りの一つである象祭り(Surin Elephant Round-up)が行われることで知られています。 例年11月の第三週目に行われるこの象