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赤血球だって尖りたい!

 おはこんばんにちは、エレクリのミクロです。
 ほんのりと暖かくなってきた今日この頃
 野生の動物たちは冬眠から目が覚めてきているようですよ!

 という訳で今回の記事は動物に必要不可欠な「赤血球」についてです。

赤血球と言えばお皿型

 これって当たり前ですよね
 実際にヒトの赤血球は中央が窪んでいて
 お皿のような形になっています。

 これは中央の核が抜けているからですね。
 ですので、ヒトの赤血球には核がありません。
 一方で鳥の場合は赤血球にも核が存在していてまん丸なんですよね。
 このような構造の違いは、酸素濃度による酸素の手放しやすさに影響を与えています。
 上空に存在する鳥類は酸素濃度が薄くとも酸素を手放して細胞に酸素を受け渡しできるようにこのような構造になっているのですね。

 ちなみに鎌状赤血球症というのをお聞きになったことはないですか?
 日本人ではあまり見られませんがアフリカでは見られる赤血球の形です。
 赤血球が鎌状になってしまうと酸素の運搬が上手くできなくなります。
 ほかにも血栓を形成しやすい、脆いなどのデメリットもあるため
 そういった側面で見ると病気の一種として捉えられます。

 「しかしながらなぜ鎌状赤血球のヒトがいるのか」
 ということに目を向けてみると
 これも進化なのだなぁ、と考えさせられます。

 解決の糸口には「マラリア原虫」が関わってきます。
 マラリア原虫はアフリカで多く見られ、主に蚊によって媒介されます。
 マラリアは赤血球に侵入し発育します

 成長し分裂した後、赤血球を破壊して外部へ出て、また別の赤血球へと侵入をします。
 このようにしてマラリアは勢力を拡大していき、
 感染者に嘔吐や下痢、脳や臓器に合併症を引き起こします。
 ここで役に立つのが鎌状赤血球であります
 ……が、クエスチョンです。 

鎌状赤血球がマラリアに対して有効な理由とはなんでしょう?

 A 血液中が酸欠になってマラリアが生息できなくなる
 B 鎌状赤血球はすぐに分解されるからマラリアの住処が無くなる
 C 赤血球の表面積が減ることでマラリアの感染率が低下する



 答えはBです。

 同じ赤血球であったとしても、皿状のものと鎌状のものとでは
 その強度が違います
(イメージ的にはお皿の方が割れやすそうな気がしないでもないですが)

 マラリアが赤血球内部に侵入しても、
 鎌状であれば増殖する前にその脆さ故に分解されてしまうため
 結果的にマラリアの増殖を抑えることが出来るのです。

 進化とは任意ではなく生き残った末の結果なのだと感じさせられますね。

 と言ったところで今回は赤血球でした。
 みなさんもアフリカに行く際は蚊に注意してくださいね。
 それなくともヒトを最も死に追いやっている動物としても有名です
 虫よけ大事に! ですよね。


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