しろがね人に関して押さえるべき2つのこと
①しろがね人は、次世代のことを「妹」と表現する
以下では2つだけ、しろがね知識を押さえておきます
まず、しろがね人の中では、「母娘」のことを「姉妹」と呼び替える文化があることは、意外と知られていません
そのことは、このしろがねのラティナのセリフから分かります
「我らの」妹という表現は、とても特殊です。主語が大きい。姉が複数いるのでしょうか。そうではないでしょう。「我らの」というのは、一族や、もっと大きく種を包括している言葉だと解されます
また、最初の雫を、というセリフは、話すと長くなりますが、結論として、宵眼の女王が最初に生んだトロルの子に食べさせたラダの原種の形から、雫と読んでいます
ラダの実を現地人に摂取させることが、しろがね生命誕生の第一歩でした
そうして生まれるその大きな妹は、しろがね一族の希望のメタファーです
名を「フィリア」といいます。これはラテン語で「娘」を意味します。
これがしろがねの種にとって、妹が妹ではなく、娘を意味する、という理由です
しろがね(ノクスの民)には、後述のように強い種としての潜在的意識があるので、子孫の世代を、親世代の妹のように捉えているのです
<スリーシスターズの意味>
この姉妹=先祖と子孫の関係の種明かしを
するような作例が本編にあります
スリーシスターズ
本作の地名や施設名はラテン語やギリシャ語
が多い中、これは英語なのでおや、と思った
方も多いでしょう
3つの塔の名なのですが、レナ、レナラ、ラニ
のそれぞれ魔術師塔を表しています(レナラの
魔術師塔は現在セルブスに貸している)
三人は大祖先、母、娘の関係ですが、上記法則
に従って姉妹。故にスリーシスターズ、という
地名がつけられているわけです
②しろがね人は、盲目的に王を志向する種族である
上記のような、母子という世代を姉妹と表現する文化には、その背景に、個体性の希薄さ、集団性の濃厚さがあります
しろがね人には、表層的な個性や個人意識の下に、潜在的な種としての無意識、潜在的共通的な意思があると考えています
蟻や蜂などの昆虫が、個体として思考しつつも、常に集団の意思に規律されて行動し、それに逆らえない(逆らう、という意識が芽生えない)ように
そして、そのような潜在的な集合的意識は、常に王を目指すことを志向していると解釈できるテキストが繰り返し登場します
個としての意識はありつつも、もう一つの潜在意識下では、種として王を排出することを常に熱望し、最優先している
そんな二重思考がある、というのがしろがね人(ノクスの民)の特徴だということです。それは半物質半生物の銀の雫のときからの特性なのでしょう
そこまで貪欲に徹底していたからこそ、彼らはたくさんの星を征服することができたのです
星の世紀はラニが実現するエンドです。これがノクスではずっと前から予言されていて(約束の地、約束の王、神の帰還もそうです)当たり前のように大昔から種が夢見ていた結末を、ラニが実現するという特殊な潜在的関係が、しろがねの民にはあります
以上
①しろがね人は母娘を姉妹と呼ぶ
②しろがね人は潜在的に王を志向する
この2つは、この先のしろがね人のストーリーを理解する上で重要な規則ですので、ここでまとめておきます
他の考察はこちら↓
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