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大いなる意思の考察

前回は、霊魂をも蒸発させる灼熱であるところの混沌について考察しました。今回は、そんな混沌状態の狭間の地に、数々の流星を落とした張本人「大いなる意思」とは何者なのかが、本編からは必ずしも明らかでないので考察します

「…すべては、大きなひとつから、分かたれた
分かたれ、産まれ、心を持った
けれどそれは、大いなる意志の過ちだった」

ハイータ談

「だが、大いなる意志は、世界と生命を見捨てない
お主たち褪せ人に、祝福の導きをもたらし、使命を与えたのだ」

指読みのエンヤ談 指様の言葉
(後に虚偽と判明)

大いなる意志は、デミゴッドたちを、とうの昔に見捨てている」
「褪せ人よ、躊躇は要らぬ。存分にやつらを殺し、奪うがよい」

指読みのエンヤ談 指様の言葉
(言ってる二本指も見捨てられてる)

影樹に刻まれた
指の母、メーテールの追憶
全ての二本指、そしてユビムシの母は
大いなる意志の輝ける娘にして
狭間に落ちた、最初の流星であった

指の母の追憶テキスト
(壊れるまでは輝いてた)

「かつて、大いなる意思
黄金の流星と共に、一匹の獣を狭間に送り
それが、エルデンリングになったという」

エルデの流星テキスト
(生命創造計画)

「黄金樹に刻まれた
エルデの獣の追憶」
「それは、大いなる意思の眷獣であり
律たる概念の具現であった」

エルデの獣の追憶テキスト


指の母、メーテールの尾指と
その指の捧げ持つ小宇宙を杖としたもの
魔術と祈祷、両方の触媒となる
母は、大いなる意志の波動を受信していた
壊れ、棄てられた後も、ずっとそれを待ち続けた

大いなる彼方の杖テキスト


大いなる意思については、本編でも多数テキストがあります。そこから得られる手がかりは

・狭間の地に落ちた最初の流星であるユビムシの母(以下メーテール)を落とした存在である

・律たる概念の具現たるエルデの獣を、黄金の流星と共に狭間の地に落とした存在である

・生命創造事業を始めた存在である(原初混沌についての考察より)

・娘のメーテールに波動を送っていたが、いつしか娘を棄て狭間の地を放棄した存在である

これらの要素をまとめると、「宇宙にいて電波とか流星とか神とかいろいろ送ってくる大ボス的なヤツ」といえるでしょう

そしてその大ボス的なやつは「狭間の地に生命を誕生させて支配しようとして色々画策して指示してくるヤツ」

ということがわかります

具体的にどの星団にいる、生き物なのか、思念体なのかそこら辺のことは分かりません

ただし、「ビッグバン」とか「全宇宙の創造主」みたいな、それほど大きくはないのは分かります


せいぜい小宇宙であり、この全宇宙とまでは解されない理由は、後述の銀の雫の勢力と結構いい勝負で争っているからです

あと大いなる意志のイメージカラーやシンボルが、いくつかあります

太陽、黄金、生命、輝き、樹、といったポジティブなイメージです

ただし、上述のように暗いイメージもあります。暗黒のアステールを落としてきたり、狂い火を宿す三本指の大元締めだったりするので、死も使うイメージです。確かに、太陽などの強すぎる輝きは、生命を焼き尽くします

以上のイメージをまとめると、狭間の地の生命の誕生から終わりまで、生殺与奪を握っている存在となります。そのような存在を神と呼ぶなら、大いなる意志は狭間の地の生物にとって神以外の何者でもないでしょう

なお、神という言葉が出たので、本作品における神の意味についても掘り下げます

本作では様々な文脈で異なる神が登場するので混乱します。マリカは神人ですし、「外なる神」という概念も出てきます。「神降ろし」なんていう概念もDLCで出ました。なかなかに多義的なので、ここで分かりやすく整理します

「エルデの神」(黄金)や「ノクスの神」(白銀)のように、生物の種を直接送ってきてその星を支配しようとする異星間文明、その源となる星を、「直営の神」と呼称することにします

これに対し、毒・眠り・腐敗・出血・誘惑・死等の状態異常を、外宇宙から術者を介して間接的に送ってくるインスパイア系の神(作中「外なる神」と呼ばれているもの)を「インスパ系の神」と呼称することにします
神獣獅子舞や神鳥など、角人が信仰している「降ろしてくる系の神」も依代を通じて間接的なので「インスパ系の神」です

この、あたかもラーメン二郎のような区分、「直営系の神」と「インスパ系の神」は、分かりやすい理解の仕方なので是非取り入れて下さい

そうしますと、マリカのような神人というのも、大いなる意志という、エルデの種を直送り込んでくる「直営系の神」に経営を任された「店長」ということになります

対して、ロミナやトリーナのような、神性に見出された異形の存在は、「インスパ系の神」に経営を任された「支店長」のイメージになります

また、宵眼の女王はノクステラという、銀の雫を直送り込んでくる「直営系の神」に運営を任された「店長」であり、かつ、ファルムの頃はエルデの直営系の神の「店長」も兼任してたことになります

このように解すると、本作の多義的な神概念が非常に分かりやすくなります(私だけ?)

神たる大いなる意志については、そういった理解をしておけば十分かと思います

<大いなる意思の正体は小宇宙?>

「人は皆、かつて彼方の爆発から生まれた、星屑なのです
我々もまた、大いなる意志の、子供たちなのですよ」
(大司教ユミル卿談)

「指の母、メーテールの尾指と
その指の捧げ持つ小宇宙を杖としたもの」
(大いなる彼方の杖テキスト)

これらをあわせ読むと、ビッグバンにより生まれた小宇宙
規模の思念体であるらしいことが読み取れます

それが本当かははかりかねますが、たくさんの星を従えて
いたノクステラよりも規模が大きそうなのは推測できます

また、メーテールの尾指や彼女の放つ魔法弾に浮かぶイメージ
は、あたかも中心にブラックホールを内包した小宇宙のように
見えます

もしこれがメーテールの恋しがっている母、大いなる意志の
見た目なら、おそらくそれはこのような存在に意志が宿ったもの
なのでしょう

このように解すると、暗黒の落とし子アステールを産んだ暗黒
とは中央のブラックホールなのかも知れません。この暗黒も
含めて大いなる意志なら、アステールもまた大いなる意志の子、
つまり眷獣ということになりそうです


小宇宙
中央にブラックホール?
尾指の小宇宙の双極からは
パルサーの電磁放射のような
攻撃もしてきます


なお、テキスト内で二本指が大いなる意志の意思を代弁している箇所が複数ありますが、その頃にはもう大いなる意志は立ち去っています。なので、二本指は妄想あるいは詐言で代弁してるだけである、という点に注意してください

大いなる意志は、ファルム中期、メーテールが指殺しで傷つけられ壊れるまでしか、エルデの地に関わっていません

DLCではユミル卿の話によりそのことが明らかになりました。ユミル曰く狭間の混乱はすべて、暴走したメーテールが悪い。その狂った電波を受信し続けた二本指・三本指の暴走が、諸悪の根源とのことです

ただ、メーテールを壊したのは自説では宵眼の女王になるので、宵眼が悪いとも言えます(後述)。また、私がつきつめて考えたところ、壊れぎわメーテールはそれなりに理論的な判断をした後に壊れているので、二本指は三本指もまた理性的な行動をとっていると思われます

ここら辺の込み入った事情は次述していきます

今回は「神直営」と「神インスパ」
そして大いなる意志は、ノクステラとライバル関係にあって、狭間の地の支配権を争う直営系の神、と抑えておけば十分です

以上「大いなる意思」について考察しました

次回は「指の母メーテール」について考察します







他の考察はこちら↓






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