2021年

・上半期エジプト、下半期はレバノンにいた。
・エジプトはワクチンも打てず自主隔離を継続。
・レバノン経済危機は本当にきついけど、慣れてきた。
・アラビア語レバノン方言の勉強開始。
・ワクチンが打てたのである程度の活動を再開。
・一時帰国できずに2年半(妻は3年半)経ってしまった。
・CoCのシナリオを一本仕上げることができた。

エジプトは本当に引きこもっていた
カイロの友人たちにもほとんど挨拶できずに出てきてしまった。まあエジプトはどうせ10年以内にまた行くことになると思う。というか今ちょっと行きたい気持ちになってることに戦慄を覚える。

7月からベイルートに移動、経済危機のこと

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 改めて言うようなことかよくわからんくなってきたけど、港湾爆発もあった。レバノンは1850年代以降で世界最悪レベルの経済危機の可能性が高い、と世銀が発表するほどの経済危機に陥っていて、新型コロナウイルスは最大の問題では無い。

起こりうる問題はすべて起きているといってもいいけど、何点か挙げると
・燃料輸入できない
・医薬品輸入できない
・ていうか何も輸入できない
・ハイパーインフレ
・治安悪化による暴動、銃撃戦発生
次点で新型コロナウイルス

詳しく見たい人はモーメントにまとめてるので
https://twitter.com/i/events/1443184203852566530?s=20

 2019年に旅行でベイルートを旅行して、2020年にベイルート爆発が起きて、2021年ベイルートに住んで、たまたまその前後を見てきたけど、本当にすべてが変わってしまった。なにもかも変わってしまっている。まだ止まらない。

今年はレバノン方言を頑張っていた
 ベイルートについて2週間くらい経った頃からレバノン方言の授業を受け始め、グループクラスやったけど1ヶ月で俺以外の生徒が辞めてしまったからそこから完全にプライベートレッスンで受けてる。
プライベートで1日3時間 ✕ 週5日、予習復習含めて1日4〜5時間くらい勉強くらいのペースでやってる。フスハー(現代標準アラビア語)かエジプト方言とかやってた人なら3ヶ月弱くらいで文法は一通り終わる(カリキュラム遵守したので3ヶ月かかったけど、もっと駆け足でもできるとも思う)
 なんのためにアラビア語レバノン方言を勉強してるのか聞かれることがあるけど、レバノンを自分なりに好きになるためにやってる部分が大きい。
上記のとおりレバノンは今かなり過酷で、生活するだけやとレバノンに対する感情はどうしても負の方向に進む。それでも天の差配でベイルートに住むことになったし、レバノンという枠組みに愛着を持つのにレバノン方言の習得・運用はめちゃくちゃ効く。
 というか経済危機のレバノンに限らず、自分と違う文明圏に住むのはほっとくとうっすら嫌いになっていってしまうからどこ住んでもそういう工夫が必要かもしれん。


ワクチンを打って
もともと妻が喘息持ちで、俺もエジプトにいるときに急性気管支喘息にかかったので1つのラインとしてワクチンを打つまでは自主的に厳戒態勢と妻と決めていた。幸いレバノンは外国人でもすぐにワクチンを摂取させてくれて、すぐに打つことができた。ワクチン打って免疫ができるまで待って、カディーシャ渓谷にでかけた。1年半ぶりの外出。

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興奮しすぎて、妻とレバノン最高!カディーシャ最高!と叫んだ。いま思えばカディーシャ渓谷も良いけどなにより外を歩けることが最高やった。
少しづつ外出の量も増えて、友達も増えて、愛着も持てるようになってきた。レバノンよいとこ、みんな遊びに来てほしい。

2年半日本に帰ってない
 レバノンよいとこ、などと言ってるけどいい加減一時帰国したい。これだけ日本を離れたことは今までなくて、逆に日本に帰ったら何がしたいか思いつかなくなってしまった。けど帰りたい。家族に会いたいし、友達に会いたい。コンビニに行きたい。あと温泉いきたい。
 日本に帰りたいだの、違う文明圏は辛いだの言ってるけど20代のうち4年アラブに住んでて(しかも働いてない)、子供のときに3年カタールにいて、果たしてアラブは俺にとって違う文明圏とまで言えるものなのかわからなくなってきている。この前レバノン人に日本食って寿司以外何が有名なの?って聞かれてなんやっけ…?ってなった。しかも寿司も最初アメリカ寿司が頭に浮かぶ。早く日本に帰らないとまずい。

CoC(クトゥルフ神話TRPG)のこと
 2020年の自粛期間から始めたCoC、まさかこうなると思わんかったけど2021年で唯一の創作(シナリオライティング)となった。作詞作曲以外の創作はやったことがなくて、かつ二次創作は人生で初めてやったので感慨深いものがある。2021年の目標をCoCのシナリオを一本仕上げるにしていたので、これ自体は達成した。でも満足できる代物にはならなかったので今年もどんどんやっていこうと思う。

コンテンツ
2021年はレバノン方言頑張った反動で読書ができなくなった、読書記録見ると、下期は上期の半分も本が読めてない。単純に体力が足りない。映画とか音楽とかも全然やったけど、それでも記憶に残ったものを挙げる。2021年に触れたもので、2021年の新作という意味ではない

折坂悠太「心理」

 折坂悠太はそんなこと想定してないけど、「トーチ」はベイルートの歌である。この曲を初めて聞いたのがベイルートについてしばらく経った時で、「街はもう変わり果てて 光も暮らしもない夜に」と聞いた瞬間に泣いてしまった。

葛飾出身「TODAY'S DIARY」

 俺は歌上手に弱いけど、メロディにも弱い。あとこんなものが2021年に出てきていいんですか!?って興奮してしまった。受動的にしか音楽を摂取できなくなってきて、結果としてInstagramからlo-fi、Youtubeからシティポップの波に俺自身が飲まれてた中で急に現れたから感動した。


アーサー・マッケン「恐怖 アーサー・マッケン傑作選」

 直近読んだ一冊、最初読んだときは、ラヴクラフトにつながる英米の怪奇小説の流れを感じられてなるほどと思っただけやったけど、読書会で会話して噛み締めていくと創作の極意、もしくはなぜ物語を書くのかという切実さの様なものを感じて感動してしまった。読んだのは2021なのでここにいれておく。


ジョン・ウィリアムズ「ストーナー」

 説明はAmazonに載ってるので省くけれども、今後何度も読み返す本という意味では2021年で一番良かった。「ままならなさ」、みたいなものが丁寧に描かれてる小説が好きなんやと思う。


その他まとめておく

【本】
鈴木健「なめらかな社会とその敵」
石牟礼道子「苦海浄土」
劉慈欣「三体  死神永生」
朝松健「血と炎の京 ー私本・応仁の乱ー」
東雅夫編「平成怪奇小説傑作集」
キャロライン・クリアド=ペレス「存在しない女達 男性優位の世界にひそむ見せかけのファクトを暴く」
井上雅彦編「異形コレクションL 蠱惑の本」

【映画・ドラマ】
大豆田とわ子と三人の元夫
ラヴクラフト・カントリー
霊的ボリシェヴィキ
ザ・ヴォイド 変異世界
マトリックス・レザレクションズ

【音楽】
万能青年旅店「冀西南林路行」
どんぐりず「4EP1」
デュビア80000cc「Apka Nam Kya Hai? - EP」
world's end girlfriend「IN THE NAME OF LOVE」
bbno$「edamame (feat. Rich Brian) 」
ノンブラリ「生活賛歌」
Ginger Root「City Slicker - EP」
OKAMOTO'S「KNO WHERE」

2022年
 今年はレバノン方言は抑えて他のこともちゃんとやりたい。具体的には2021年音楽かなりさぼってしまったので、ピアノを自分が弾けると胸張って言えるようになるまでやる。


 普段から遊んでくれてるみなさん、今年もよろしくお願いいたします。ご無沙汰してるみなさん、今年は一時帰国する予定なので、よろしくお願いいたします。

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