第15章 【プロデビュー】とよ先生の半生記
執筆にかなりの時間を費やしているので、
みなさんが楽しんでくれているのはとても嬉しいです。
パソコンの前に座って1回で1つのシリーズが出来上がるわけでもなく、
下書きに下書き、見直しに見直しを重ねて一つのシリーズが出来上がります。
日常生活でも、上手く書けそうな文面が思いつくと、携帯電話にメモしたり・・・読んでくれる人がいるから頑張れます。ありがとうございます♪
一応キックボクシングプロデビューしました。
アンディのもとを離れフラフラしている私を拾ってくれたのは、
安部康博(アンベヤスヒロ)選手でした。
K-1日本人トップファイターで、
アンディとの練習に出稽古に来ていて、知り合った大先輩選手でした。
「お前、そんなフラフラしてどこにも行くところないなら、
俺と一緒に練習しろ。やる気あるなら面倒みてやる」
安部選手は実業家で仕事をしながらの練習なので、
2人で時間を合わせながら練習をしてもらいました。
そしてまずは、アマチュア大会に出場しました。
計4つのアマチュア大会に出場し、二回戦敗退。3位入賞2回。準優勝1回
アマチュア大会は全てトーナメント式なので、
私は一度も優勝していないから、全てどこかで負けて終わっている事になります。この全ての負けがKO負け!
そして負け方が派手だから、全ての負け試合がテレビで放映されています。
アマチュアの試合がテレビで流れること自体が異例なのに、
負け試合全てが民放テレビ放映されています。
こんな選手はいないと思います。
相手選手から見れば、「あいつに勝てばテレビに出られる!」
美味しい奴ですね。
このうち4つ負けのうち3つは頭部への打撃で気を失って負けているのが気になるところでした。アメフト・柔道時代にも脳震盪を何回も経験しています。
ここだけの裏話。
誰もが知っている格闘技スーパースターでも、(だからこそ?)
話していると内容がおかしくなってしまう人がいるそうです
脳への打撃によるダメージが原因です。
自分の将来の事も考えないといけないな、と思い始めました。(やっとか!!!)そんなアマチュア時代を経て、プロからもお声をかけて頂きました。負けるときの豪快さがウリ?実績?としてもらったようなものでしたが。
2001年夏、私は初めてプロとして後楽園ホールのリングに立ちました。
試合直前で「相手の負傷で選手が変わるけどいいか」と協会から聞かれましたが、私はもう誰でも緊張しているから「承知致しました」の返事。
初のプロの試合。
嫌がっている母親も独りよがりの偽親孝行で後楽園ホールに呼びました。私は58秒で3回倒されてKO負けでした。
またまたまたまた、頭部への打撃で試合の記憶ほとんど無しです。
後から知りましたが、直前で交代となった相手はボクシングのニュージーランド元オリンピック代表選手でした。国の代表ともなる人は強かったです。
母親とはそれ以来、試合どころか、一切格闘技の話しをしないようにしました。
アマチュア時代でさえ、息子が気を失って倒れているのをテレビで見させられているのに、
今度は目の前で・・・
それから3ヶ月後、またチャンスをもらい、後楽園ホールでプロ2試合目に出場できました。
試合開始!とにかく殴り続けて、試合開始数十秒でもう体力ヘロヘロ、
殴っている私が。
でも、なんとか当たってくれて相手が倒れる!
なのにまた立ってくる・・・で、また殴り続ける。
ペース配分なんて関係なくただただパンチ連打。ゲームのキャラみたいに。
やったー!!!また倒れた!もう立ってくるなー。もうヘロヘロやでー。
また、立ってきた(涙)これはプロの試合。殴っているほうが疲れましたで倒れるわけにはいきません!なんとか、なーんとか殴り続けて3回目のダウンを奪いました。1ラウンド内の3回目のダウンで私のTKO(テクニカルノックアウト)勝ちでした。1ラウンドKO勝ちでプロ初勝利を手にしたという事になります。
パチパチパチ。この後、勝った選手はトロフィーもらって写真撮影があるんだけど、ちょー!!!かーなーりー倒れこみたかったです。(泣)
早くリングから降りたい・・・でもここは格闘技の聖地後楽園ホールのリング上。勝者は私です。
死闘を繰り広げたメインイベントならまだしも、
前座試合の内容も薄い試合で勝者が倒れました、なんて恥ずかし過ぎる!
セコンドの肩に担がれながら先に帰る相手がうらやましかったです。
俺もああやって帰りてー(涙)根性で、ファイティングポーズをとり続け写真撮影に応じて、(どこに根性使ってんだ!)
退場するまで、めちゃくちゃカッコつけながら歩きました・・・
その時の写真。
2001年8月後楽園ホール プロ初勝利後 安部康博コーチと
この後、バックステージ入った瞬間ぶっ倒れ、
医務室行きです。・・・
ベッドの上でしばらく動けないでいました。
しばらくすると着替えを終えた相手選手が、「今日はありがとうございました。」寝ている私に握手しにきてくれた。うんうん。さっきの敵は今の友。
殴り合うスポーツだからこそ、この礼儀の部分が大切ですねー。「では、お先に上がります。」って、彼はまだベッドの上の私を後に帰ってしまいました(笑)
誰がどう見ても私が敗者な医務室。結局、プロデビューから合計約5分20秒、3試合終了させました。
窪田豊彦 26歳 184cm 103kg
次回はチロっとオランダに修行に行ってきます。
???金無し、コネ無し、どうやって?
「今の知識経験で、もう一度あの時をやり直したい!」こうして生きてきた道を振り返るとそう強く思います。でも、それができないから人生なんですよね。
それができないからこそ今が大切。
「色々失敗はあったけど全力だった事実は残ってくれて今の力になる」
キッズにはe-kidsを通してこう振り返る人生を送ってもらいたいです。
だから、ああいうクラスなんです。
押忍
とよ先生
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