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自分のカラダを愛すること。

実業団女子駅伝は予選会であるプリンセス駅伝を勝ち上がった16チームが本戦であるクイーンズ駅伝に進む。前年度結果によってクイーンズ駅伝にシードされるのは8チーム。出走する全20校のうち半分が10校がシード校である箱根駅伝よりもシードの壁はある意味高い。そういうこともあって毎年プリンセス駅伝は熾烈な争いが繰り広げられるがゆえに、不慮のトラブルが発生することが多い。今年も予選通過ボーダーとなる16位を争っていた京セラのアンカー白井選手がフィニッシュまで残り1kmという地点で転倒、棄権。すぐに病院に搬送されたが、大腿骨骨折と診断。しかし、その後の報道に違和感をもった。

脱水症状で倒れて転倒。それで骨折したように読み取れるということもあるが、走行中に大腿骨骨折するということは、「給水を増やせばいい」という運営管理で解決されるものじゃない。もっと根深いところに問題があるにもかかわらず、「よくあること」のように扱われていることに違和感を感じるのだ。本来は「あってはならないこと」なのに。近年、プリンセス駅伝での不慮のトラブルに見舞われるのは、高卒まもない若い選手たちだ。自分が彼女たちの親だとしたら、いたたまれない。

栄養不足などによる骨密度の低下。そしてカーボンシューズの反発に耐えられる筋力不足。そして、予選通過へのプレッシャーや高揚感から放出されるアドレナリンによって許容範囲以上の出力が出てしまうがゆえの事故。見る人が見ればすぐに察しがつく。選手としていち早く反応したのは、新谷仁美選手。自身の経験を振り返りながら、ツイートを連投した。

最後にこう締めくくった。

筆者は新谷選手の練習に何度も立ち会ったことがあるが、彼女はトレーニング内容と同じくらいケアと栄養摂取を重視していることがわかる。早朝のポイント練習に現れた彼女の大きなキャリーバックには補食がしっかりつまっている。コーチやスタッフに任せることなく、自分で用意しているあたりも彼女らしい。

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栄養摂取のタイミングは走り終わった直後。着替えよりも、ジョグシューズに履き替えるよりも早く、すぐにプロティンを飲み干す。

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過去に身体を追い込みすぎて傷つけたからこそ、たどり着けた境地なのかもしれないが、あらゆるアスリートには、彼女のように、もっと自分のカラダを愛してもらいたい。そう願ってやまない。一番大事なのはカラダであって、駅伝なんかはもっと後回しにしていいからだ。


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