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Go To 「もう一つのインカレ」

この夏、バーチャレの運営を通じてわかったのは
「ほとんどの学生がインターハイや全中には出れない」
というあたりまえのこと。世の中の大半が中小企業なのに、大企業の株価に一喜一憂することにちょっと似てる。いや違うか。

ともかく、バーチャレをやって、「日本中に陸上を楽しんでいる中高生たちがいる」ということをリアルに感じることができてことが、この夏の一番の収穫でありました。バーチャレが思ったよりも人々の心に届いたことで、「さあ、次は市民ランナーたちのOTTだ」と意気込み始めたときに、このバーチャレを牽引してきた横田コーチが言うのです。「蓋を開けてみてわかったんですが、レースがないのは中高生たちよりも、大学生のほうが実は深刻なんですよ」と。

中高生たちは授業も再開して通学が始まってはいるけれども、大学生たちはいまだリモートでの授業が大半。ましてや部活動なんてという状態であったらしい。田中希実選手が日本選手権800m予選と1500m決勝の合間に同志社大学のリモート授業を受けていたことは、このページをわざわざ読むような人には周知の事実だろう。

「全カレを目指していても、その標準を突破するためのレースすら出場できないというのが、現実なんですよ。大半の大学生がそんな状態なんです。これをなんとかしてあげたくて」という相談が横田コーチからの相談からはじまり、(だいたいの相談はTrackTownのメッセンジャーグループで行われる笑)「OTTは非公認レースだから、大学生たちには、ちゃんと記録を残してあげたい」と公認レースにするために、レギュレーションを読み込みながら、東京陸協のみなさんの協力をへて、駒澤陸上競技場を押さえ、立ち上がったのが、この「もう一つのインカレ」である。なんと構想から発表まで2週間というスピードで立ち上がった。(新潟で全カレが行われている真っ最中に発表することになった)

連呼している「もう一つのインカレ」とは企画の骨子であって、正式名称は「東京陸協ミドルディスタンス・チャレンジ」だ。

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当初は短距離も投擲も跳躍も全部入れるという案もありました。検討を重ねていく上で、やはり、それぞれの種目の「お兄さん・お姉さん」が一肌脱ぐというのが、一番身の丈にあっているんじゃないか。ということで、横田コーチが一番、熱を注ぎ込むことができる中距離公認記録会とすることになったのです。

今回、わざわざ、EKIDEN NEWSでページを書いているのは、エントリー締め切りが(10月8日(木)17:00必着)近づいているから。この「もう一つのインカレ」。ポチっとクリックするだけで、エントリーが終了するようなものではなく、公認記録会だけに、ちょっとだけ申し込みに手間がかかってしまう。なので、エントリーをしたい方はまず以下のファイルをダウンロードしてもらいたい。

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このようなファイルがダウンロードできたはずだ。こちらに記入して、メールで応募するという手はずとなっている。順序は逆になっているかもしれないが、要項はこちらだ。https://www.jaaf.info/hp/syusai20/19/yoko.pdf

もう一つのインカレ、ミドルディスタンスと銘打ってはいるが、どちらにも縁がなかった人の参加ももちろん可能だ。(陸連登録があれば)短距離の選手が引退レースとして800mを走るのもありだし、なんだったら、短距離ブロックのひとたちでリレーチームを作ってもいい。大学生じゃなくても、インカレに出たくても出れなかった社会人ランナーの応募も可能だ。さきほど、エントリーリストをチェックしていた横田コーチから「川内優輝さんが、800mと1500mにダブルエントリーしてる!」というお知らせがあった。川内さんには、箱根6区以来の学習院のユニフォームで走ってもらいたいという淡い願望もここに添えておきます。

そして、タイトルに流行り言葉の「Go To」を差し込んだのは、地方大学からのエントリーもありだということ。先日、日本選手権の取材のために、新潟に二泊して実感したのだが、政府のGoToキャンペーンのおかげで、宿泊や移動費がとても安くなっている。なかなか自腹で遠征できない学生たちも、このタイミングをぜひ利用してもらいたいのだ。「学生の本分は学業。平日に学校いかずにレースに出るなんて」というツッコミが来るだろうが、いまや大学生の授業はリモートだ。日本選手権1500m優勝をした田中希実選手ですら、予選と決勝の合間にリモートで授業をこなす。そんな時代。田中希実選手の日本選手権決勝と大学引退レースには上下も優劣もない。ぜひ、この機会に東京に来て思いっきり自分を走りで表現してもらいたい。

そして、ここで出会った仲間たちと一緒にずっと陸上や走ることに関わりつづけてもらいたい。おっさんからの願いはそれだけだ。

だから、「Go To もう一つのインカレ」!
みんなに最高の引退レースの機会を。

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