傷病手当健闘記

つわり(妊娠悪阻)で傷病手当をもらった話です。


妊娠初期からつわりがひどく、大型連休に近くのモスバーガーのドライブスルーに行った日からひどい車酔いが続く感じであっという間に仕事にも行けなくなった。

漫画やドラマで「ウッ…もしかして😳///」みたいなつわり始まりシーンがよくあるけど、あの「ウッ」が1億7千万回起こり、人間ポンプの水を吐き出す直前のウェーブを喉元で常時やってる感じになった。

元々週の半分は在宅勤務していたので、職場に妊娠報告し事情を話したところ、在宅でいいよと言ってもらったけど画面のスクロールに酔ってパソコンやスマホも見られなくなり、お腹を圧迫するのが気持ち悪くて座っていられず1日2時間しか仕事ができない。
仕事はECショップの更新を主にしているため、画面スクロールは避けて通れなかった。

寝るのとソリティアファームビレッジ(ソリティアをして牧場を広げていく唯一画面酔いしないスマホゲーム)以外できない置物になってしまい、仕事もどんどん溜まっていって辛かった。


私はお金に執着がある節約好きタイプで、以前からどうにかこうにか固定費を削減したい気持ちが強い。会社員には傷病手当があるから民間の医療保険に入るのはムダだという信条の下で生きてきたので、しんどいながらも"迅速に傷病手当をもらわねば…"という内なる声が響いていた。


傷病手当金とは健康保険から支払われるお金で、4日以上連続で休むと4日目以降から休み終了までの期間、通常給与の3分の2程度の金額がもらえます。

調べたところ、つわりは対象外だけど妊娠悪阻(おそ)は傷病手当の対象らしい。

つわりと妊娠悪阻の境界はそこまではっきりないけど、つわりが桃鉄で言うところの貧乏神だとしたら妊娠悪阻はキングボンビーみたいな感じです。

具体的には、体重が元の数値から5%以上減少する、尿検査でケトン体(身体が飢えると出る物質)が陽性反応を示す等…らしいけど、グングン体重が減った時期が妊娠初期すぎて、まだ妊婦健診は始まっていないと言われ体重測定も尿検査もなくキングボンビー認定してもらえなかった。


医師の方から「しんどそうですね…仕事に行けないなら傷病手当をもらいましょう!そのために書類準備しますね😁」などと言ってもらえることは99%ないため、自分からアクションを起こしどうにか認定してもらうしかない。

傷病手当をもらうには医師の診断書が必要になるが、妊娠にまつわる休みの場合は母健連絡カードという紙(母子手帳をもらうときについてくる)でもいけるらしい。


妊娠前から通っていた産婦人科(ゆるい)の医師に母健連絡カードを出し、傷病手当が欲しいので書いてくれというとアッサリ先の3週間分休む感じで書いてくれてMISSION CLEARとなった。
その3週間というのは"大抵の人はつわりはこのくらいで終わるだろう"という見込みの期間だそうです。


しかし3週間休んでも一向に体調は良くならず、寝たきりソリティア狂のまま水も炭水化物も吐いてしまい、梨と野菜生活しか口にできず体重は減るばかりだった。
その甲斐あってソリティアファームビレッジのハロウィン限定イベントではカボチャの獲得数で全世界1位にランクインした。

牧場どころか街や観光施設まで出来ました


そうこうしているうちに以前通っていた産婦人科から転院し、近所の産院に新しく通い始めた。

前述した通り妊娠初期すぎてケトン体や体重測定がまだ無かったけど、仕事が出来ず収入がないことには変わりないのでどうしても傷病手当申請用の診断書が欲しい。

そこで医師に「傷病手当の申請をしたいので診断書を書いて欲しい」と単刀直入にお願いしてみると、近所の産院では投薬や点滴といった医療行為をしないと母健連絡カードの記入や診断書は出せないとのことだった。

点滴は100kcal程度らしくどう考えても野菜生活の方が栄養があるけど、何より傷病手当金が欲しいし口を通さずにカロリーが少しでも摂取できるならいいかと思いやってもらうことに。点滴には吐き気止めの効果もあるらしい。

1時間ほど横になって点滴してもらった。
小さい産院で、分娩室が点滴する部屋の隣にあり、両部屋のドアが全開だったためリアルタイムで分娩中女性の「イタイ〜〜‼️‼️👊🏻👊🏻💥💥」という叫びやベッドシバきASMRが聞こえてきて、吐き気もすごいし地獄かと思った。

点滴を終え、元気に…😊なるかと思いきや、体質に合わなかったのか徒歩7分の帰り道で15回ほど喉が「ガ‼️」と鳴り吐きそうになった。
※オエ〜という効果音は浅い吐き気で、本当に吐きそうな人間の喉はガ‼️と鳴ります。

止まるどころか帰宅即5回吐いて、めちゃくちゃ体調が悪くなり本当に体質に合っていなかったが、点滴したおかげで追加で2週間分の診断書を手に入れた。


そしてそのまま2週間仕事を休んだけどまだまだ体調は良くならない。
傷病手当の申請をして休んでいる間にもバンバン仕事の連絡がきてなんだかんだでちょこちょこ対応していたのも体調不良が長引いた原因だと思う。

5回吐いてでもやはり傷病手当金は欲しいので、再び医師に点滴を要請し再トライした。
前回合わなかったのは気温など別の理由で、点滴のせいではないかもしれない、今回は点滴で元気になれるかもという淡い期待もあった。

前回は陣痛ASMRのせいで体調悪化したのかもと思い2回目は耳栓を用意して臨んだ。その日は分娩がなかったので結局使わなかったけど。

しかしやはり点滴後に体調が悪化し前回同様めちゃくちゃ吐いた。「点滴の名前+副作用」とかでググったけどただの栄養剤らしく原因はよくわからない。追加の診断書は手に入れた。

その後は体調が徐々に改善し在宅勤務できるようになり、最終的に合計7週間分の傷病手当金がやっと先月振り込まれました!


母健連絡カードや診断書とは別に、療養担当者の意見書(人事がしっかりした会社なら人事部からもらえるけど、健康保険のサイトから自分で印刷できる)も必要で、書類不足で一度審査に落ちた後、それぞれの病院に書類をもらいに2回ずつ訪ねて面倒臭かったけどなんとか通って良かった。意見書を書いてもらうには数百円の手数料がかかります。


ちなみに(しんどいけど1日3時間なら働けるな〜)という感じで時短勤務にしてしまうと、単純に給与が激減して傷病手当以下の金額になってしまう可能性が高いのと、給与の平均額が減ってしまいその後の産休・育休手当の算出額も減るため、休めるなら潔く休んだ方がいい。
フルで休職した期間は産休・育休手当の算出額に含まれない。

傷病手当金を申請して休職している間も社会保険の支払い義務はあるため勤務時間次第では手取りが2万円とかのスカスカ月給になってしまう。

私も上司に時短勤務を勧められたけど、交渉して全部休みにしてもらいました。
雑な会社なので傷病手当の仕組みを誰もわかっておらず、全部イチから説明して私の希望に合わせてもらった。優しい職場で本当に助かった…
風当たりの強い職場ならそもそも休職出来ないかもしれないし、罪悪感に負けて退職していたと思う。

休みにも関わらず仕事の連絡が1日に16件来た日や、点滴をしている最中に家に上司が来て食べられるわけがないブランデー入りのアイスを持ってきてくれた日は気が狂いそうになったけど形式上は休みだったのでまあいいです。

以上

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?