【昨日の肉じゃが今日のカレー】⑱【涙腺崩壊】

13:00
資料班の応援に回る。
今日からは、機材などの簿記にまわった。
単価なんてまったく知らない為に電行に教えて頂いた。
その際に社名を使わせて頂けるお話も頂いた。
有難い。

たく、は、もうずっと【はじめちゃん】と通話をしている。

気にしていなかったけれど
【はじめちゃん】って誰?

16:00
この日も30分の休憩となった。

もう定番。
中村さんと町田さんが来た。
町田さんは告げた。
「私!山里さんみたく歳下くんを狙います!ボーナス弾むから婚活のランクを上げて、御曹司のイケメンな歳下くんを狙います!」

「高望みすると私みたく婚期を逃しますよ。」

中村さんが言う。
「逃してないじゃないですか!菊池くんがいるじゃないですか!玉の輿が待っていますよ!」

「所詮は仮初でしょうから。私は気にしていません。」
本当は、とても気にしている。
けれども、強がってみた。

町田さんはみるみる表情が般若の仮面のようになり言ってきた。
「あんなパーフェクトフューマン捕まておいて!私への嫌味ですか?わたしはもう山里さんを信じられません!」

「違うんです。彼はきっといつかいなくなります。私で満足できる器ではありませんから。ただ、、、だだ、、それだけの、、、」
涙が溢れてしまった。

それで納得できるはずなどない。
到底納得できるはずがない。

こんな男、世界中を探したっていない。

夢のような人。
いつかは、夢のようにいなくなる人。

中村さんと町田さんは何も言わずに寄り添ってくれた。

主任は気を効かせてくれた。
3人で休憩延長。

泣き叫んでしまった。
中村さんも町田さんも一緒に泣いてくれた。

町田さんが言った。
「あいつ!山里さんを泣かせといて何やってんだ!菊池ー!」

はい?

「菊池ー!ちょっと来い!!」

何?

「いいから来い!!」

はい、、、

たく、は、恐る恐る事務室に来た。
「なんで泣いてるの?」

「なんでじゃねーよ!お前いつかは芸能界に戻る気か?そうなたったら山里さんは捨てるのか?ハッキリしろ!」

「いつかは戻る事は前から伝えてある。それでも理帆とはいますよ。えっ。なんで怒ってるの?」

「山里さんはもう45歳だぞ!お前みたいな若いイケメンなんて恐いに決まってんだろ!他の虫が寄り付く。って不安がるに決まってんだろ!お前しっかりしろよ!山里さんを泣かせたらあたしが許さない!」

町田さんは、泣きながら怒っている。

わかった。
理帆、この一件が片付いたら
結婚しよ。

私でいいの?
もうオバサンだけどいいの?

理帆じゃなきゃ嫌だ。

そう言って、たく、は、私の頭をポンポンしてくれた。
私の涙腺崩壊。

中村さんと町田さんまで涙腺崩壊。

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