【連続短編小説】【昨日の肉じゃが今日のカレー】⑪雨宿り

5:00起床し床掃除をして彼の抜け殻を集めて洗濯、その間に…カレーはいつ作るのだろ?まっ。作ってしまおう。朝食兼昼食を作る。洗濯物を干す。日曜日も窓掃除。

6:15準備完了。
たく、は、まだ眠っている。

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【夢】
本当に良い唄。

たく、の、芸能界復活の狼煙となりそうな名曲。
けれども、二人だけの隠れに隠れた名曲のままにしたい。

たく、が起きる。
7:00 二人揃って、いただきます。
たく、が食器を片付けてくれた。

今日は雨。
昨日のうちに買い物を済ませておいて良かった。

「里帆!」
「なに?」
「遅れてごめんね。これ。」
「なに?」
「Happy birth day!里帆!」
そう言って、たく、は、細長くて白い箱を渡してきた。
「ありがとう。何で知ってるの?」
「中村さんに教えて貰った。」

そっか。
あれはカマをかけてきたのだな。

「ありがとう。開けてもいい?」
「是非!」

お洒落な腕時計だった。

「ありがとう。高かったんじゃない?」
「いいんだよ!里帆が喜んでくれたらそれで良いんだよ!」

嬉しい。嬉し過ぎる。

ねぇ。
うん?

今回は私から誘った。

いまだけは、現実を忘れさせて。

何回したかもうわからない。
たく、は、果てに果てて眠ってしまった。

私も…眠い…

11:00 起きる

たく、がいない。
ベランダに向かう。

やっぱり。
たく、は、タバコを吸っていた。

おー!里帆ー!起きたか!
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今回も私から抱きついた。
大好き。

たく、は、頭を撫でてくれた。
タバコを吸いながら。

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たく、は、きっといつかは芸能界に戻ってしまう人。たく、にはそれだけの器がある。
そうなったら、きっとここからはもういなくなる。

たく、にとってここは仮初めの場所。

神様。この時間を。この高鳴りを。
せめてもう少しだけ。もう少しだけ。
そう望むくらいいいでしょ?
いまは、叶うのだから。
たく、となら、そう思える。

雨宿りのような恋。
それでも、サヨナラ、なんて聞きたくない。

ねぇ。
ん?どうしたの?
どこにも行かないでね。

たく、は、タバコを吸っていた。
そして歌い始めた。

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新曲?
うん
タイトルは?
【雨宿り】

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