【昨日の肉じゃが今日のカレー】⑯めんどくさい

13:00 午後の仕事開始

急遽、資料作成班の協力に回された。
知らない用語は逐一検索しながらこなしていく。
というか
知らない用語だらけ。

16:00この日も30分の休憩となった。
中村さんについで町田さんまで来た。
町田さんは絶賛婚活中。
「山里さんが羨まし過ぎます!」
「そうですか?」
「二回り近く歳下で、しかも元芸能人で仕事も出来るイケメンくん!可愛い過ぎます!私にも分けてください!」

どうやって分けるんだ?

「あの。私たちは、、、」
中村さんと町田さんが声を揃える
【わたしたち!!!】
「あの、、、聴いてください。わたしたちは、、、」
またしても
【わたしたち!!!】
「もういいです。」

そうこうしているうちに休憩終了。

また、協力班に戻る。

18:00
今日は残業。みんなこんなに忙しかったのか。大変だなぁ。

たく、は、会議中。
今日は一日中、忙しそうだ。

19:00
主任が言う。

山里さんは今日はもう上がっていいよ。
また明日。

はい。それではお先します。

帰り道、電車の中で軽くウトウトしてしまい、隣に立っていた中年の男性に寄りかかってしまい、起こされた。

「すみませんでした。」
「いいえ。それよりも大丈夫ですか?私は看護師なのでみれますよ。良かったらどうですか?」
「それでは少しだけお願いします。」

降りる駅は同じだった。
改札口を抜けて、脈を測って頂いた。

「脈が早いですね。疲れているのでしょうね。」
「はい。疲れています。」
「良かったらそこのコンビニ一緒にどうですか?買ってあげますよ。」
「そこまでは申し訳ないです。」
「というか、めちゃくちゃタイプなんですよね。是非、ご馳走させてください。」
「あのー。」
「いいから!あ。私は村上優樹といいます。45歳です。」
「山里理帆です。45歳です。」
「同い歳ですね。コンビニではなく、食事しましょ。」

いかんいかん。
流されてる。

「すみません。せっかくですが、帰りたいです。」
「わかりました。急かしてすみません。あっ。連絡先を交換しましょ。」
「はい。」

交換してしまった。

歩いて帰る。村上さんが着いてくる。
ストーカー?
どうしよ。

マンションの近くで話しかけた。
「あの。何処までついてくるのですか?」
「わたしの住んでいるマンション。ここなんです。」

え?
同じマンション?


「理帆さんも同じマンションですか?偶然だなぁ。今度、手料理をご馳走しますよ。」

エレベーターに乗る。
わざと違う階を押した。
「私も15階なんです。いままで見なかったなぁ。本当は何階ですか?」
8階を押した。

「今度、お邪魔しますね!」

あー。めんどくさい。

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