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和田彩花「今夜はブギー・バック」配信までの話

2022年3月9日に和田彩花さんがカバーした「今夜はブギー・バック」がYouTubeにて配信されました。

1ヶ月程前に我らがFixer、劔さんからあやちょがやってみたいと言ってるのでアレンジお願いできませんかとのことでやる事に。

「よし、メロディー以外変えちゃおう!」

アレンジをするにあたり先ず最初に思い浮かんだのが、こちらです。

恐らく他の方々はコード進行はあまり変えずキーだけ変えると予想したのと、原曲は当時テレビからラジオからめちゃくちゃ流れてたのもあり、ただのカバーだとコピーになると懸念したのはありますね。

ラップの部分はどうするのかとディスカッションをしたのですが、当初、先方からはラッパーとコラボする予定とのことでした。

イメージは音数の少ないクールな感じって事で、参考音源も送られてきましたので、そのテンション感を基に作業を開始しました。

実際の作業期間は、色々あって3月入ってからになってしまったのですが、まずラフとして、ピアノ、ウッドベース、ストリングス、ドラム、ガイドボーカルをささっと録音して送りました。

使用機材はめちゃ少なくて、MacBook Pro、Logic pro X、midi鍵盤のみです。
プラグインも特に外部のものは使用せず、プリセット音をちょっといじくるくらいでした。
コード進行の方が特にこだわりましたかね。
まずはイントロを追加したのですが、歌が始まるまでわからない感じにしようと思いました。
まぁ、配信時にタイトルでわかってしまいますが、不安というか不思議というか、
「本当に今夜はブギー・バック始まるの?」みたいな感じですかね。

原曲のコード進行は1箇所のみであとはメロディーとの兼ね合いで合わせていきました。
アレンジも最終的にはジャズ風になりましたが、ジャズ通ってないもんでベースの動きとかわかんないし、ある種参考音源無しのオリジナルになったかと思います。
強いていうなら2回目の朗読部分で後ろでベースがソロ弾いてますが、一応「スコット・ラファロ」イメージしてあててみましたが苦笑

ボーカルトラックが来るまでの追加作業でしたが、音数少なめを意識していましたので、リバースシンバルとトランペットを追加したくらいでしょうか。
トランペットですが、本当はミュート音にしたかったのですが、無かったもんで、
なるべくキンキンしないのを探してベロシティもソフトにしました。
ピアノだけだとちょっと味気なかったので、良いクッションになったかと思います。

ラップですが、最終的には朗読という形になりました。
個人的には、よく知らない人にラップされるより、ラップの部分を語りにする方が表現として良かったのではないかと。

ボーカルトラックは本人が今フランスにおりますので、そちらで録音してもらいデータを貰いました。
iPhoneにマイクを付けて録ったとの事です(確認済)。
これがまた雰囲気に合っており、歌と歌との間で聴こえる生活音と言いましょうか、フランスの今も感じて貰えたらと思いノイズとしてではなく、アレンジの一環としてカットせず流しています。良く聴いたら聴こえますんでチャレンジしてみてください。
歌パートは基本ダブルで鳴らして落ちサビのみシングル、Lo-Fi加工しています。

歌のキーですが、ヒラ歌が高いなってファイル貰ってから気付きまして、本人も歌いながら高いの気づいたっぽいです笑
下げればよかったなーと反省は一瞬しました。
何故一瞬かって?
高音の時の声が、今までのあやちょからは感じなかった声質で、他の人が歌ってるんじゃないかってくらいの違う一面がでた気がして。
これわかるかなー、わかってもらいたいなー。
歌のキーをあまり考えずに作業してたら新たな一面を引き出せたような気がしました。
個人的にはこの声質も好きですね。
これからもこちらのあやちょを聴いて貰えるように誘導していきたますよ。

朗読部分ですが、こちらはメロディーとの対比の為、シングルにしています。
語りのタイミングも一節一節タイミング合わせました。
こだわった所は原曲の「心のベスト10 第一位は こんな曲だった」からの歌入りのタイミングが昔からお気に入りだったので、そこは当時のイメージで合わせました。
因みに今回はあえて原曲殆ど聴いていません。

あとはここですよ。朗読ずーっとイヤホンで聴いててなんか語りのテンション綾波レイみたいだなーって思いだしまして、朗読も2、3本素材貰ってたので、どこかタイミング合えば一節だけ左右に振ろうと考えまして、「信じられない?」でそれを実行しました。疑問形の方が印象的でしたので、効果は抜群でしたね。ここは誰に何言われようが知ったこっちゃないです。私の中ではベストバウトです。

さぁ、ここまでがアレンジ作業の工程です。歌入りの音を送った所、
「楢原さん、Mixもお願いできますか?」
との事で、同時期に買ったNintendo Switchの「トライアングルストラテジー」を一旦お休みし、Mix作業に入りました。

私はコンプを多用する人間に7〜8年前からなってしまった為、イコライザーで調節した後、コンプで音圧、音量を上げています。

ボーカルトラックに関しましても、多少のエディットはしましたが、ディレイは一切かけず、リバーヴも最小限にして、あえて生々しくしています。

オケに関しましても、いつもだったら空間系ガンがけですが、今回は少なめにして、なるべくデッドにしています。トランペットとストリングスくらいですかね。
ストリングスは、歌入り直前までオートメーションで音量を段々上げて盛り上げてストーンっと落とすことでダイナミクスを出しています。その際にリバースシンバルを合わせて立体的にしています。

最後の最後はストリングスのみになりますので、思う存分上げています。
トランペットとピアノのソロは左右にちょっと振って輪郭が出るようにしました。
音量を下げてもパンで微妙でも振ると急に音が出てくるのでそこら辺が腕の見せ所でしょうか。ベースも若干右に振っています。
落ちサビでチェレスタの音を使っていますが、そちらは凄く遅いトレモロをかけて、流れ星が落ちるような感じをイメージしました。
朗読部分ですが、こちらはなるべく一語一句伝わる様に、オートメーションでそれなりに音量調節しました。

Mixという体でやっていますが、実際はマスタリングまでしました。
毎回課題は出るものなのですが、バウンスすると多少音質が変わりまして、中域がもう少しあってもいいかなとは思いました。
ただ微調整しすぎると迷走しだすので、今回は直し2回くらいでチームの反応も良かったので完パケになりました。

という事でなるべく辿って思い出したことを伝え下手なりに文章にしました。
長くなりましたが、こちらを見たうえで改めて聴いて頂けると新たな発見があるかもです。
今回だけでなく、あやちょとは今後もこういう配信できたらいいなと思いながら締めたいと思います。

それではお楽しみください。

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