【レポート】スアールSXCバディ参戦記

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1 開催告知から本番まで

全てはここから始まった。

 このツイートを見た瞬間、この大会は「絶対に参加する」と決意した。
 難儀になるのは、相棒探し。しかし、これは想像以上にあっという間だった。
 スアール名古屋店等でよく押し合っていたハルウララさんにオファーをかけ、9/7の昼の都合を確認したうえでペアを組めたのだ。
 8/27に予約エントリーを行い、あとは本番を待つだけになった。事前に確認したのは、両者の得意ジャンルと苦手ジャンルぐらいで、これといった練習はなく、当日も昼前に秋葉原駅で待ち合わせて最終確認を行ったぐらいだった。

2 参戦チーム

 チーム名は少し悩んだが、私とハルウララさんがともに『ウマ娘』好きという理由から「うまぴょい」と命名した。
 名前の一部を組み合わせたと思われる
「チームぽこタン」「ねくら」に加えて
ともにSBC優勝の実力者ペア「じーにー」
オンラインサークルの名を背負う「VQS」
夫婦の絆で優勝を狙う「鴎党」
他は「ホイミ」「義兄弟」「ちゃんP海賊団」
この回唯一の即席ペア「岡崎フック」の10組がスアールSXCバディ制覇を目指して争うこととなった。

3 予選ラウンド

R1 早押しクイズ

 片方が3問正解又は両者1問ずつ正解で勝抜けだが、お手つき誤答は解答権剥奪(いわゆる1×失格のようなもの)というタイトなルール。そんな中、「岡崎フック」が1抜けを果たす。個々の実力の高さに加えて、1×で片割れが失格となるルールをものともしないガッツに圧されたような気がする。
 2抜けを果たしたのは「じーにー」。ここもSBC制覇同士が組んだこともあり、実力を遺憾なく発揮した格好となった。
 1×失格で指が凍っていた私は、「東京ヴェルディのユース」が聞こえた瞬間に反応して「竹内涼真」と答えて1pt、「2作目」「レインボーブリッジ」を聞いて『踊る大捜査線』をとってどちらでも動ける状態に押し上げた。しばらく押せなかったり押し負けたりしたが、勇気を振り絞って答えた「ニューヨーク証券取引所」が正解となり、「うまぴょい」は3抜けと好位置を確保した。

R2 コース別読み上げ早押しクイズ

(1)直列2答クイズ

 「うまぴょい」の知識バランスを考えた時に、半分正解が出れば相方もわかってくれるという期待もあってここを選びたかったが、希望ペアが多くて出走できず。ヘキサゴン2でいう「ツーショットクイズ」かなと思った。
 「名字・名前」「◯◯と◯◯」「◯◯の◯◯」となる問題が出ていたが、「と」や「の」の後ろがかな1文字しかなかったり、助詞の分け方をしないやり方が何ともニクいなぁ...と感じていた。(このラウンドの前に四万十川が答えの時に「しまんと!」「がわ!」みたいなことをするのではと予想はしていた)

(2)二重音声クイズ

 (1)の希望数から考えると、回らされそうな予感がしていたこの形式。過去ペアクイズ系イベントに参加していた時も得意ではなかったため、苦手意識がかなり強かった。
 案の定、希望者少数のため強制参加となった。「森愛彩(もり・あい)」と「コムアイ」の問題は珍しく自分がわかったものの、ハルウララさんに内容がきちっと伝わらず、大パニックに。何とか1ptとったものの、今大会屈指の珍プレーになってしまった。
 他はハルウララさんが閃いてくれたお陰で、何とか2つ正解して限定問題数を迎えた。最下位覚悟のB決勝行きプランがチラついていたが、2位タイで終えたことでA決勝インの希望が膨らむ結果となった。

(3)順不同一問多答クイズ

 前半は1問2答、後半は1問N答の早押しクイズ。
 定例閣議の問題を押して相方が正解できず(火曜日と金曜日が正解)とか、「YOASOBI」が聞こえて反応し、「Ayase」を答えて「ikura」を残したのに、相方がハマらなかったりと2答ゾーンに苦戦を強いられたが、N答(両者最低1個答えないといけない)で、「鹿児島県」残し、「(既に出ていた)東海道」残しで相方にいいパスを出して1抜けを果たした。

(4)非対称二人羽織クイズ

 今大会で最も気楽に見ることができた時間だった。「じーにー」ペアのじんさんがスパルタのごとく押してるにもかかわらず、しっかり打ち返すnico.さんは半端なかった。
 後で参加者から話を聞いて思わずゾッとしたが、「うまぴょい」ペアら5組が多答早押しをしている間、特定の20単語を記憶するよう指示されていたようで、参加ペアで後列に控えた5名は、その単語を覚えようと必死になっていたのだ。
 この内容を聞いて、「これに行かなくてよかった...」が正直な気持ちだ。無茶押しの餌食にされて思うようなパフォーマンスがでない展開が容易に想像できたからだ。

R3 コース別バラエティクイズ

(1) ダブルアナグラムクイズ

 二重音声を2位タイでしのぎ、早押し多答を1位通過してあまり優先度がないのを悟っていた「うまぴょい」は迷わずエントリー。結果的にR2終了時点の暫定トップ5が参加することになった。
 最初の問題でハルウララさんが「サングラス」を消してくれたおかげで「めがね」を答えて1pt。
 その後少し苦戦したが、私が珍しくひらめき、あいんすが「三角定規」と答えた後に
ハルウララさんが「コンパス」
あいんすが「ポルックス」と答えた後に
ハルウララさんが「カストル」と正解を
積み重ね、圧巻の1位通過を果たした。参加者の中では、最もビジュアルクイズに対する適性が高いと目されていたらしく、雰囲気的にも手応えと納得感を覚えた。

(2) 連想クイズ

 ある単語について、45秒ハーフの制限時間でどれだけ多く伝えられるかを競うものだった。
 どれもふわっとした概念の単語が多く、「VQS」が大苦戦する一方で、「鴎党」が次々と正解を積み重ねるなど、問題セットと順番による明暗がくっきり出た展開となった。

4 決勝ラウンド

(1)C決勝

 C決勝は予選総合7位から10位の4組が争った。ここでは「VQS」が格の違いを見せつけるかのようにあっという間に決着をつけてしまった。これを見ていた私は、「Aに上がられたらキツいな...」と一抹の不安を覚えた。

(2)B決勝

 B決勝は「ホイミ」「義兄弟」「チームぽこタン」に加えて、C決勝を制して勢いがある「VQS」の4組が、5マル2バツの読み上げで争うものだった。
 序盤中盤こそ「義兄弟」のふじしんさんなどが抵抗を見せて拮抗した展開になるも、両者ともバランスよくクイズの能力が高い「VQS」が、C決勝を制した勢いそのままに勝ち上がった。

(3)A決勝

 A決勝は、「うまぴょい」「じーにー」「鴎党」にB決勝を制した「VQS」を加えた4ペアによる戦いだ。ルールは7◯3×クイズ。ただし、片割れが解答できる回数は、正解不正解に関係なく5回までと、両者必ず2問正解する必要があるものになっていた。
 一番警戒しなければならないのは「VQS」だと察していた。予選こそ最下位という結果だったが、C決勝とB決勝を制しており、読み上げ形式の早押しで脅威になると思っていたからだ。
 インタビューでは「じーにー」ペアがともにSBC覇者であることに触れ、「私はSACを一発卒業してるので」とコメントし、「ハルウララさんにいいパスを繋いで有終の美を飾る」と続けた。
 A決勝は、警戒していた「VQS」に主導権を握られた。実際に決勝ラウンドで早押しボタンに手をかけていた時間の長さがもたらした慣れも多少あったのだろう。
 自分の中ではこのルールでの立ち回りが非常に難しかった。読み上げ問題でのパワーバランスを考慮した時、「自分が早く貯金を作り、ハルウララさんが答えられる問題群がやってくる機会を多くする」しか考えることができなかったのだ。
 しかし、A決勝が始まって早々にこ〜りんさんに勢いよく2問とられたため、私のプランが早くも破綻したのだ。さらに想定外だったのは、SBC覇者同士の「じーにー」ペアが、早い段階で2×を積んだ状態になったことだ。これでメンタリティー的なところでも、VQSに有利な展開につながったような気がする。私はVQSに握られた試合の主導権を奪おうと必死だった。
 途中で何を正解したかはあまり覚えていないが、「プライバシーポリシー」で5回の解答権を使い切り、実質2◯3×の状態に繋げたところで私の出番は終わったのは覚えている。その後は、ハルウララさんを必死に鼓舞していた。
 しかし、ハルウララさんが動いたのは、海外文学の問題に「サンチャゴ」が正解の問題に「老人と海」と誤答した1回だけだった。問題の巡り合わせ、ハルウララさんのガッツが、このラウンドでは鳴りを顰めていた。
 私がいなくなった後は、「VQS」と「じーにー」が押し合う展開が続き、3チームが5◯で並ぶ展開もあった。そして、VQSが真っ先にリーチをかけた。個々のスコアは互いに3◯。あまりにも理想的な展開だった。私はハルウララさんに「×積んでもいいからとにかく次の問題を押せ」と発破をかけたが、問題は社会の歴史系。わたじろうさんが押された瞬間、負けを察した。進行の台詞に答えが被ったため、仕切り直しする場面はあったが、わたじろうさんが「カピタン」を冷静に答えて予選最下位からの大逆転優勝という物語を見事に完結させてみせた。
 優勝インタビューでこ〜りんさんが言った「マークしていたのはあいんすだったので、5◯して抜けてくれたことでとっても気持ちが楽になった(大意)」に思わず唇を噛んだ。VQSから見れば、試合展開上、「私が早押しクイズの場からいなくなれば優位に立てる」と見込まれていたのだろう。A決勝の全体的な流れを振り返ると、VQSの試合巧者っぷりにしてやられたような気がする。

5 大会を終えて

 大会後、ハルウララさんと秋葉原駅と神田駅の間にある新時代でサシ呑みをした。真っ先に確認したことは、「A決勝の早押し問題で、ハルウララさんにチャンスがあるものがあったかどうか」だった。
 ハルウララさんの回答は、「押せる問題がほとんどなかった(大意)」だった。最後の最後に個々のチカラの差でVQSに先行され、一時はトップに立つも結果的にシンデレラストーリーのお膳立てになってしまったのは正直辛かった。
 「ハルウララさんに優勝を味わわせたかった...」これを、泣きそうな感情をグッと堪えながら言ったのを今も鮮明に思い出す。クイズに関することをあれやこれやと色々だべりまくった2時間のサシ呑みは、あっという間に過ぎていった。
 もし次回大会があり、ハルウララさんの都合が良ければ、私は迷うことなく「組みませんか?」とオファーする。あの時達成できなかった優勝を果たし、2人で喜びを分かち合うと心に誓って。

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