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ぼくはじつに

"しあわせ"と、きみがそういってくれるのが、ぼくにとっては"しあわせ"だけど、ほんとうに? こんなんで"しあわせ"なわけないじゃんね? なんてふうには考えてて、こっから先に踏み出すことができないぼくへの自己嫌悪みたいなものに苛まれてはいるんだけど、それはぼくの独りよがりかもしれなくて、そうだとしたらなんかとても恥ずかしいごにょごにょ……というぼくのまだるっこい思考に、イマジナリー姉は容赦なくつっこんでくる。

――そんなんきいてたしかめればいいじゃん

ん、だよね。でも、ほんとにぼくの独りよがりだってはっきりするのもいやだし、さいあく嫌われちゃったりしたらもうオワリだし、いまのまんまでずっといられるならそれがいいかなって……というと、イマジナリー姉は鼻で笑う。

――は。あいかわらず卑怯だねー。ま、あんたがそれでいいならいいけど、そんなん「ずっと」なんてないから。

わかってる。わかってます。ほんとうにぼくは卑怯でずるい。いまのまま、なにもせず、それで関係が遠のいたり途絶えたりしても、それはそれでしかたないよな、そのほうがきみにとっていい選択のはずだよな、つって、ほんとうはそうなるのがいやでいやでたまらないくせに、自分を騙して、自分を守ることばかり考えている。

――あんたさァ

「もう付き合いきれんわ」と背を向け去ってゆくイマジナリー姉。じつに、ぼくは、馬鹿だな。

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