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設備設計(機械)の始め方

はじめまして。
自己紹介がわりというわけでもないですが、どんなルートで設備事務所として独立したのかを回顧しつつ『設備設計の始め方』としてまとめてみます。

1.CADを覚えましょう。


当時、学校でもCADの授業はありましたが、ほんとうに『基本のキ』しか習わないというか触らせてくれなかったのでぼくはデパートの一角にあるようなCADスクールに通いました。自費でAutoCAD LT 98の学生バックを購入しました。
CADが使えないことには始まりません。

2.設備設計事務所に入り込みましょう


設備設計事務所は常に人員を欲していますが潤沢なお金はないので一般的な求人広告を出すお金もありません。(自社調べ)
さらに社会保険を完備するほどの余裕がないパターンも多いです。(自社調べ)
webや知り合いのツテなどでなんとか設備事務所を探してアルバイトでもハケンでもなんでもよいのでお金のことは置いといてとりあえず設備設計事務所に入り込みましょう。
ぼくは早朝や夜帯のコンビニバイトしながら地元(町内会だか青年団みたいなやつ)のツテでCADオペとして設備事務所に入り込みました。
そして1年ほどして社員になりました。

3.たくさんの図面を見て、たくさんの図面を描きましょう。


設計事務所には進行中の案件はもちろん過去の案件の図面もたくさんあります。専門書や資料集もあるのでとにかく見て、図面は意味がわからなくてもよいのでトレースしましょう。あとは蛍光ペンで配管を種類ごとにゲーム感覚で塗り分けましょう。だんだんわかるようになるし、なにがわからないかもわかるようになります。
ぼくは入社して少し図面が描けるようになったら事務所のお客さんだった小さいサブコンさんが工事した現場の完成図をたくさん描きました。主にチェーン店居酒屋の完成図でした。厨房もあり、中には『炭庫』のあるお店もあり大変勉強になりました。

3.現場を見ましょう。


チェーン店居酒屋の完成図を描くにあたってはそのサブコンさんの現場監督さんがスケッチというか下描きをくれてそれをもとに図面にしていってたのですが、だんだんと現場監督さんたちも下描きをつくるのがめんどうになってきたのか、ぼくが現場に呼ばれぼくが調査するようになりました。
厨房のシンダー打設前と軽天を組む直前くらいに現場に呼ばれて配管やダクトのルートを現場で見て図面にしました。機器類の承認図はもらえたので機器表類はそれで作りました。完成図なので計算書は作りませんでした。当時のぼくには作れないし(笑)

4.現場を体験しましょう。


ある程度図面が描けるようになっても現場を想像できなければそれはあくまで『線』を描いているにすぎません。
ぼくらは『線』ではなく『配管たち』を描けるようにならないといけないのです。
ということで、ぼくは所長の知り合い?友達?のようなひとが社長をしていた小さい空調工事店に『出向』みたいな形で行きました。(衛生工事も請けてましたが下請けの設備屋さんにおまかせでした)
ペーペーなのでお金の管理とかはできないのでとにかく現場監督のお手伝いをしました。
大変でした。
スリーブ屋さんの手配でミスり、当時大変お世話になってた空調工事会社の多能工的なひととハッカー持ってスリーブ入れしたり相番でバイブレーターのコード持ってまわったりコンクリート圧送のホースを持ってまわったりしました。
型枠大工さんに怒鳴られ、鉄筋屋さんにビール券を渡し、揚重エレベーターのオペさんにもビール券をせびられ、大変でした。
何故か職長研修も行って『職長』もやったし、ガス溶接の免許も取って『あれ?このまま冷媒屋さんになるのか??』と思ったこともありました。現場の空気感はここまでやらないとわからないかもしれません。

5.『設計』をお勉強しましょう。


ちょっと順番が逆になってしまいましたが、サブコンに出向で行く前に空調機メーカーの研修寮で設計のお勉強もしました。空調機メーカーの研修所ですが、衛生設備の講習もありました。
旧日本海軍にゆかりのあるメーカーでしたので、研修寮も海軍式というか朝の点呼で廊下に並ぶようなやつでもちろん相部屋でした。そして、毎週金曜日の夕飯はカレーがでました。
設備設計やるならこの研修所は必ず行ったほうがいいと思います。
現在設備系の会社に所属しているひとは会社で費用を負担してくれる可能性は大きいです。そうじゃないひとは、、、自費で行きましょう。

6.ひたすら図面を描きましょう。現場にもいきましょう。


出向先のサブコンからまた設計事務所に戻りだんだんと設計に近いことをするようになりました。
換気計算や排煙計算、各種機種選定など。水道局との打ち合わせなども所長の同行で行くようになり、徐々に簡単な内容のものはひとりで行くようになりました。

7.同業のつながりを作りましょう。


さて、いつかは独立を目指すとなると自分の所属する会社と関係あるひととつながっているだけではだめです。将来のお客さんや協力者さんの候補を探しましょう。
これ、むつかしいですよね。『人脈』と一言でで片付けられない問題ですが、避けては通れません。
ぼくは当時mixiで繋がりをみつけました。mixiには『コミュニティ』があって、オフ会とかしてましたよね。そういうのに単身で乗り込みました。いろんなオフ会に行きましたが『設備屋談合会』というコミュニティで出会ったひとたちとはいまでも繋がっているし、なんならお仕事をもらっている大切なお客様になってくれてるひともいます。
社外で同年代の同業者の知り合い、貴重です。
いまは旧ツイッターがぼくの主戦場ですが、snsでの出会いは『運』の要素も大きく、ぼくはほんとうに運がよかったといまでもいつも思います。

8.メンターを見つけましょう。


所長は所長でとても親切に教えてくれるひとでしたが、もう一歩独立に向けていろいろ教えてくれるひとと出会いましょう。
ぼくは当時所属してた事務所で、設備設計部門がある意匠設計事務所さんとお仕事をしていました。
そこは全国チェーンのスーパーや物販店をメインに扱っていたのでその意匠事務所の設備担当は事務所にいるひまなどなくあちこち地方に行ってました。なので、ぼくはその意匠設計事務所に所属してないけども、その設備担当の雑用みたいな仕事をたくさんすることになりました。
そんなこんなでそのひととはプライベートで伊豆にドライブに行ったり(そのひとがロータスエリーゼに乗っていたので)、そのひとのご家族といっしょに正月を過ごすくらい近づきました。そしてたくさんのことを教わりました。いっしょに現場定例に出てどんな話をしてどう納めるのか、内装監理室のやることとかも補助者ですが教えてもらいながらやりましたね。そのひとは『わからなかったら何回でも聞いて、何回でも教えるから、とにかく聞いて』って言ってました。そのひとがやがて『えーぢくんもそろそろ独立したら?』とキッカケをくれました。

9.独立の波を見極めましょう


当時の自分の会社では、所長のお客さんは所長のお客さんだから所長が全部やる。ぼくの担当会社はぼくのお客さんで、基本的にはぼくの裁量でお仕事を進めるというスタイルになってました。所長は自分の仕事に関しては、当時新しく開拓したある大企業からの仕事のみを行うようにしたかったようです。だからその大企業以外の仕事はぼくが担当になりました。
それでもいろいろ所長に教わりながらプロジェクトを進める自分。所長の仕事があふれればぼくも手伝うという感じで時間はすぎていきました。

10.独立はタイミングと運


このころ、二級建築士を受けて合格しました。この少し前に二級建築士を受験するので情報収集のためにツイッターをはじめて、建築士受験生と建築をお仕事にされてる方をフォローしまくりました。それがえーぢのツイッターアカウントのはじまりです。
話題を戻して、
ぼくのお客さん複数名から『そろそろ独立すれば?』の声があがりました。所長も年齢も年齢なので事業の縮小を考えていたようで、何回か話し合いを重ね、ぼくが特に親しく相手の会社に入り込んで仕事してた2社に関しては独立後もその2社の仕事をしてよいというお許しをいただきました。(所長もその2社の担当者やその他のひとたちともあまりウマが合わなかったみたい)
事務所を辞めることや独立後のことを話し合い調整しながら、東日本大震災の9ヶ月前に税務署に開業届を提出しました。青色申告の個人事業主でスタートでした。
屋号をどうしようか、結構悩んだのを覚えています。

11.独立後のお話


ぼくは運良く前社からお客さんを2社いただきました。ほんとうにありがたかったです。運がよかった。
この2社の仕事をとにかくやりました。そして、早い段階でこの2社からたくさんのお客さんを紹介してもらい、当時紹介してもらった会社さんはいまでもお客さんでいてくれています。(もちろん全部ではありませんが)
まだ技術的にはぺーぺーの域だったかもしれませんが、安い金額でお仕事請けていたのですぐにお客さんは増えました。(その後、単価を上げていくのは苦労しました。いまも苦労しています。)
金額を安くすれば仕事はとれます。
独立してしばらくは安値でも経験を買うつもりでお仕事うけたほうがよいです。たくさんの案件を行うことがやはりお勉強になります。
その後はありがたいことに仕事がなくて預金残高ピンチということもなく、預金残高の波はありますが現在は妻とふたりで生活するくらいのお金は毎月お客様方から頂いております。ほんとうに『ありがてぇありがてぇ』です。
(ほんとうにありがてぇありがてぇなのですよ。)

まとめ


自分の経験だけをベースにここまで書いてきました。設備設計をやるにはいろんなルートがあるし、どれも正しいと思います。
みなさんもお気軽に設備設計始めてみてくださいね\(^o^)/


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