Re:それでも後悔しながら生きてゆく。
「誰か肩を叩いてくれ・・・」
あの頃、肩こりのひどさに悩まされていた父だった。でも、ヘッドホンで音楽を聞いていた高校生の私には、父の声が聞こえていなかった。兄達は、テレビを見て笑っている。母は台所の片付けで忙しそうだった。
それは私がとっくの昔に、記憶の奥底にしまい込んだいつかの光景だろうと思う。もしそうなら、私は音楽を聞いているふりで、本当は知っていたのかもしれない。「肩を叩いてくれ」という父の言葉を、聞こえないふりをしていた私は後悔をしているのだろうか?
父はずっと