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店主。

一人称。
仕事としては「私」をある程度使い、
文章などでは「店主」も使う。

ショップオーナーだから店主で間違いないのだけど、
店主を名乗るには理由がある。

一人称:店主というのは
生意気だとか偉そうだとか思われるのかもしれない。
そう思われるのは仕方ないかもと思いつつ、
ちょっとわかってくれたら嬉しいと思い、
勝手な事をここに書いていこう。

自分が一人称:店主を使う事がある理由はミューさん。

ミューさんというのは、
今から何年も前にカードショップをやっていた方。
MTG黎明期の中で、
「生きる伝説」
という表現が出来そうなお人。

MTG黎明期に「カードショップミュー」にお世話になった人は多く、
また、ミューさんでなければ入手出来なかった品も多い。
そのくらいに難易度の高いカードを入手出来る人。

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自分は参加していないのだけれども、
ミューさんはある日Unlimitedのブースターボックスを入手し、
当時ミュー組と呼ばれたMTGグループの人でシールドをしたそうな。
あの頃でもUnlimitedのブースターボックスは入手困難だった。
さらっと手に入れて、
「シールドやってみたいからやろう!」
と言っちゃえるのがミューさんのすごいところ。
お話を聞いたら、原価でプレイさせてあげたと聞いた。
いやいや、当時でも入手は簡単ではないボックスを、
お店をやっていながら利益をとらないなんて。
この気風の良さ、いや、剛毅さと言うべき?
これもまたミューさんの良さ。
この時参加できた人、
本当にプライスレスの思い出だと思う。
一生に一度の経験のはず。
ちなみにミューさん自身も参加し、
自身のパックから《Mox Pearl》を引いたとのこと。
さすが。
そういえば当時のUnlimitedのブースターボックスって、
いくらぐらいだったのだろう。
今度聞いてみよう。
仮に1パック1万円でも36万円。
今なら安い!と飛びつく値段だが、
当時ならこの金額を払う人は少ないはず。

あとミューさんのところから高額カードを買うと、

状態NMと書いてあればNM+もしくはGem Mint
状態EX+と書いてあればNM
状態EXと書いてあればNM-
状態EX-と書いてあればEX+

・・・という感じに、
やたらに状態表記以上と思える品が送られてきた。

ミューさんとこで買うなら大丈夫。
と安心して買える信頼があった。

ただ、加藤英宝個人として、
それ以上に様々な点でお世話になったものは沢山。

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Summerの《セラの天使/Serra Angel》もその1つ。
このセラをPSAにかけてPSA10がついた。
いまだに世界でたった1枚のSummerセラPSA10。

ミューさんの趣味と自分の趣味は近かった・・・というより、
全被りかと思うくらい。
ミューさん、
・Guru Land大好き。
・《Time Walk》大好き。
・《セラの天使》大好き。
・Amy Weber大好き。
・Rebecca Guay大好き。
だった。
ミューさんからコレクションを受け継いだ際に、
Amy Weberサイン入りカードやプルーフはいっぱいいただいた。
《セラの天使》コレクションもかなりいただいた。
ミューさんは
「これ譲る人は多分他にはいないね。」
と笑って託してくださった。

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そんなミューさんから
Guru Landの原画や多くのコレクションを託された時、
Guru Landの原画を手に入れた喜びよりも、
「ミューさんからコレクションを受け継げた。」
という事が何よりも嬉しかった。

ミューさんはMTG黎明期に「ミュー店主」と名乗っていた。
このコレクションを託された時にそれを思い出し、
それ以来「店主」を一人称にするようになった。
ミューさんへの尊敬と感謝、
そしてその方のコレクションの継承者として、
自分は店主の呼称も勝手に受け継いだ気持ちで、
一人称に店主を使うことがあるようになった。

ついでに言うと、
一応立場では「代表取締役社長」なのだけれども、
「なんだか社長って自分に似合わない気がするなぁ。」
と思ってしまうのもあって、
ショップオーナーの意味も含め、
店主のほうがなんとなく好きなのも理由の1つ。

ミューさんには本当に感謝してもしきれない。
ミューさんのいる方向に足を向けて眠れない。
ミューさんには一生頭が上がらない。
そういう気持ちでいっぱいだ。

ミューさん、
私はミューさんのコレクションの後継者として相応しいでしょうか。
いえ、ミューさんが選んでくださったのですから、
間違っていないと信じています。
私はまだまだ未熟ですが、
これからもこのコレクションを持つ人として、
さらなる高みを目指していくつもりです。

ではまた。

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