転売屋というか分売屋

おはようございます。
映画強盗です。

私はDVD/ブルーレイを買い集めるのが趣味でして、以前よりその手の話をしておりますが、今回は販売されているパッケージ商品に関しての小話をしたいと思います。

前回のテキストに書きましたが、私はブルーレイでリリースされている作品は絶対ブルーレイを買いますし、最近は4KUHDブルーレイでリリースされるのであれば、そちらを購入しています。DVDに関しては現状DVDでしかリリースされていない古い作品で、どうしても欲しいものしか買いません。

最新作をDVDで買うのは正直ナンセンス!

と思っているのですが、最新作のリリース情報をざっと見てみると、洋画に関してはブルーレイとDVDが1枚づつセットになった商品として販売されている事が殆どです。10年前くらいだったと思いますが、そのくらいからこのどっちもセットが売られ始め、現在ではもはやスタンダードになっています。どっちもセットに拍車をかけたのがディズニーのMovieNEXという販売方式です。


2013年11月20日に発売された「モンスターズ・ユニバーシティ」が最初で、以降ディズニーからリリースされる作品は全てこの方式です。どういうものかというと、ブルーレイ、DVD 、マジックコード(ディズニーMovieNEX公式HPでこのコードを入力すればWeb上で本編や一部特典映像が視聴できる)この3点がセットになったパッケージです。

マジックコードを登録すればスマホやタブレットで外出先でも観れる。自宅のリビングで観る時はブルーレイ。寝室や子供部屋ではDVDで観る。色んな形の視聴がこれ1本で可能という売り文句なのですが、そんな家族居るのでしょうか。実際のところはというと、単にDVD/ブルーレイのどっちかを欲しい人がただただ購入しているだけに過ぎません。どっちも欲しい人なんかごく少数だと思われます。

ブルーレイが出始めて数年くらいは、プレーヤーも高いしソフトも高いし、DVDで充分と思うのは当然だと思いますが、ここ数年になってくるとDVDもブルーレイも金額はほぼ変わりません。強いて言えば、3000円くらいの海外製DVDプレーヤーが根強く売られているので、プレーヤーの値段に関してはブルーレイのほうがまだ少し割高なくらいです。とはいえ、同じく海外製ブルーレイプレーヤーも5000円程度です。その2000円の初期導入費用をケチる生活って残念だなと思うのです。これに限らず家電製品全般をケチるのは生活する上で非常によくない。冷蔵庫や電子レンジやらテレビもそうですが、家電製品というのはほぼ毎日何年も使う品物です。自分のライフスタイルに直結する物なので、少しでもいい物を買うほうがいいに決まってるのです。無理して高級な物を買う必要は無いですが、別に払える余裕があるなら限界まで張ったほうがいいと思います。あと5000円出せばもっと便利な機能が付いてるけど、まあいいやと妥協し安い物を買って浮いたその5000円何に使いました?その場の贅沢より長期の満足を得るほうが生活が豊かになると思います。

話を元に戻します

DVD/ブルーレイは当初別々のパッケージで発売されていました。需要が異なるので当たり前なのですが、先述のどっちもセットが出始めたキッカケというのはどういうものだったのかというと、推測ですが、別々のパッケージにするとそれぞれ生産が必要になりコストもかかるので、いっそまとめて1個の商品にすればコストも抑えられるし、どっちの需要にも対応できるのでいいんじゃないかという発想だと思われます。
それに加えて、DVDを買っていた人にブルーレイを与える事によって移行を促すという意味もあったのではないでしょうか。
(そうだとしたら結果的に大失敗ですが・・・)

そうやって、どっちもセットが普及した結果どうなっているかというと、ブルーレイ派はDVDなんかいらないから少しでも安くして欲しいという意見。DVD派はブルーレイなんかいらないから少しでも安くして欲しいという意見。需要の二分化がより浮彫りになる形になっています。

値段の話をしますと、DVDが定価3000円、ブルーレイが定価4000円で別々に売られていた物がセットになるのだから値段が高くなるのではと思いますが、値段はブルーレイの4000円のままという形でした。製造コストが下がるので、ある程度安くできるとは思いますが、ここまでされると逆に笑えます。DVDなんかぶっちゃけタダ同然の代物ですよと言ってるようなものです。

しかし、これはあくまでも最新作としてリリースされる時の話です。パッケージ化されて半年程経ちますと、大作系の洋画に関しては1枚1000円といった廉価版というのが出回ります。この時なんとDVDとブルーレイ別々でパッケージ化されます。コストを抑える為にセットにしていたのであればおかしな話です。廉価版になれば値段も安い分、別々にすればそれこそコストに見合わない物になるんでないかと思ってしまいますが、廉価版というのは衝動買いがメインなので、普通の商品より売れ行きは高いと思われます。廉価版は値段もそうですが、販売されている場所がコンビニや本屋など幅広く、多くの人が手にしやすい環境にあるので、そこまで熱心な映画好きでなくても、ちょっと漫画を買う感覚で買う人も多いのではないでしょうか。

しかし、私のような人間は基本的に最新作でリリースされた時に買うので、廉価版を買う事はほぼありません。

ここからがタイトルにある本題です

私はブルーレイを主にどこで買っているかというと、基本的にはAmazonか楽天ブックスです。間違いなく最安値だからです。しかし、それと同じくヤフオク!、メルカリといった個人売買もよく利用しています。新品ではないものの、1回視聴しただけという良品がAmazonで新品を買うより安く出品されている場合があるので、そういう物を有り難く購入させて頂いております(メーカーには申し訳ないですがね)

しかし、ここ数年ヤフオク!やメルカリを見ていると、面白い出品物が多々あります。どういうものかというと、最初のほうに言いましたディズニーMovieNEXを買った人が、DVDだけ、ブルーレイだけ、マジックコードだけを3つに別けて出品しているのです。その取引金額が面白くて、DVDとブルーレイそれぞれ2000円前後、マジックコードが500円前後。合計すると4500円。定価はというと4000円なんです。さらにいうと、Amazonや楽天は定価から25%オフ前後の値段で販売していますから、実質3000円くらいで買えてしまうのです。そうすると手数料などを引いてもそれなりの利益が出ます。これを私は転売屋ではなく分売屋と呼んでいます。

転売屋というと、最近社会問題になったマスクだったりの品薄品などを買い占めて高額で売るというイメージ的に悪いものですが、この分売屋はというと、割高感は否めませんが、定価より安く必要な物だけ買えるので現状誰も文句を言ったり問題視していません。DVDだけ欲しい、ブルーレイだけ欲しいといった需要に目をつけた上手い商売だと思います。これはMovie NEXに限った話ではなく、他のメーカーがリリースするどっちもセットの最新作のほとんどで見られる行為なのです。そして、履歴を見ると、かなりの数が売れており、リリース当初にこっちだけ欲しいという人が沢山居るというのが見て取れます。ということはですね、廉価版を待たずに最初から別々にある程度安く売ればいいんじゃないの?と思ってしまいます。1人が買った1個の品物が3人に流れている訳です。分売屋が売った場合、当然メーカー側になんの利益もありませんから、単純に3人分の顧客を逃しているという事なんです。メーカーの人もバカではないでしょうから、そういう現状も認識した上で商品企画をされているのだと思いますが、個人的に解せないです。

というのも、MovieNEXなどライトユーザー向けの商品はまだいいのですが、最近でいうと「ゴジラ キングオブモンスターズ」の限定版のようなヘビーユーザー向けの商品になってくると話は変わってきます。


DVD版 定価4180円
DVD本編1枚、特典ディスク1枚

ブルーレイ版 5280円
ブルーレイ本編1枚、特典ディスク1枚

限定版 16500円
限定フィギュア、4K本編1枚、ブルーレイ本編1枚、DVD本編1枚、特典ディスク1枚

まず、メーカー側の抱き合わせ販売に憤慨します。4K版が欲しい人は高額の限定版を買うしか道は無いのです。まず、ゴジラ好きという訳ではなく、単に映画好きなだけの人間にとってはフィギュアなんかいらないのです。そして、4K版が欲しいという人にとって、DVDなんかまるでいらないのです。逆にフィギュアとDVDが欲しい!という人にはブルーレイはいらないでしょうし、ましてや4Kなんか絶対いらない物です。要するに買う人全員が何かしら不要な物を買わされている訳です。実際に、発売前の時点からAmazonの商品レビューが炎上大荒れしていました。

そして、それは分売屋が活躍する絶好の機会でもあります。このゴジラ限定版の分売はちょっと目に余ります。発売当初の履歴を見ると驚愕します。フィギュア単品9000円前後、ソフト単品10000円前後で取引されていました。さらに細かく4K単品6000円前後、ブルーレイと特典ディスク3000円前後、DVD単品2000円前後の取引もありました。どちらにしろ余裕で定価を越していますので、実行した分売屋は相当儲けたと思われます。そして、それを見越してか、分売屋は度を越して買い占めに走り、タチの悪い転売屋化したのです。そのせいで、ゴジラ限定版はメーカーに文句を言いつつも渋々購入する事すら許されない品薄状況となり、通販サイトでは予約開始早々に完売。ほとんどの小売店においても発売日に完売しました。転売屋の魔の手にやられた訳です。これはもちろん転売屋が悪いですが、そもそもそれを助長する販売形式をとったメーカーも悪いと思います。最近そういう商品が増えてきました。本当に欲しい人の手に正当な金額で届かない。良くないよ

私はあくまでレンタル店で働いていただけですので、メーカーの内情は知るよしもないですが、そろそろ見直して欲しいところです。チケットの高額転売と同じく、こういった分売屋改め転売屋の横行は、結果的に自社含め映画界の損失だと思います・・・

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