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関西支社設立から10ヶ月を振り返って

先週、関西最終出社でした。
自身の振り返りに初noteを書きます。地方支社に関わる方がいれば、参考程度に御覧ください。

給与即日払いサービスを展開するペイミーでは創業期から代表の後藤さんと資金調達や提携業務、その他セールスをメインで担当していました。
昨年春からメディア露出も増え、全国からお問い合わせが増える中、関西エリアも出張ベースで担当していました。夏頃から本腰を入れて関西にも注力することになり、昨年9月末単身大阪転居、10月より本格稼働となりました。

約10ヶ月ほどの短い期間でしたが、多くの学びと反省がありました。やってよかったことと、反省点、多くありますが、今回はそれぞれ3つずつ備忘録としてまとめます。

<やってよかったこと>

①関西支社長に会いまくる

支社の立ち上げをするなら、経験のある方に聞いた方が早いだろうと、大阪赴任当初はとにかく会いまくりました。話しを伺うと、特に立ち上げから半年〜1年は事業面や組織面で苦労をされている方が多く、同じ轍を踏まないようにと、新参者の私にオープンに語ってくださいました。

特に、サーキュレーション笹島さん、マクアケ菊地さん、ユーザベース山本さん、田中さんにはお世話になりました。大阪転居当初からお会いし、その後も定点観測的に近況報告や相談をさせてもらいました。本当に感謝です。

また自分が大阪に来てからのここ1年弱も、多くのベンチャー企業が大阪支社を立ち上げました。そういった支社コミュニティーも些細な悩みなどを共有できる貴重な場となりました。

②オフライン施策のクイックな検証

関西支社で働くことのメリットの1つとして、ある程度の権限を任せられながら、クイックに施策の検証ができることが挙げられます。またその施策が当たり、結果もついてくれば、全社の戦略に落とし込むこともできます。

地方支社は営業拠点としての意味合いが強いですが、地方ならではの戦い方もあり企画力やクリエイティブな発想も必要だと痛感させられました。
具体的な施策としては、紹介代理店制度の整備を進め、新たにセミナー開催を関西拠点から始めました。数字が伸びたときは素直に嬉しかったです。うまくいかなかった施策もありましたが、ひとつひとつの施策に仮説を持ち、企画実行し、数字を叩き、成果の振り返りを行うサイクルをクイックに回せたのは良い経験になりました。

"関西の勝ち筋を全社で展開する” 偉そうに聞こえるかもしれませんが、数字を伸ばす小型な組織体として、今後も支社から会社を盛り上げられる可能性は充分あると思います。

③本を読んで組織をつくる

転居当初は友人も少なかったので(苦笑)、よく本を読みました。あまり本を読むのは得意な方ではなかったですが、読めば読むほど血肉と化し、抽象化と転用を繰り返すことで、実務に落とし込めるようになったと実感しています。

よく社員に話しますが、本は読むタイミングが重要だと思ってます。例えば営業とマーケティングの全体プロセスを解説する名著『THE MODEL』を2年前読んでも理解が追いつかなかったかもしれませんが、支社を通じて営業組織の構築に真剣に向き合うようになったからこそハラオチする内容ばかりで、ハッとさせられました。

また同じ本を社員同士で読むことで、共通言語、共通認識が生まれ、日々の振り返りの解像度が格段に上がったことを実感しています。新規採用も強化している中、研修資料にも組み込んでいる最中です。
推奨図書は日々アップデートしながらガンガン良いものは取り入れていきます。


<反省点>

①CS業務の強化

Paymeのサービスは契約自体が無料なため、導入後のリテンション向上がトップラインを伸ばすには重要でした。にも関わらず、ガンガン突撃して、リードは取ってくるものの、巻取りや、導入後フォローが甘かったかと反省しています。勿論全部関西支社で完結するわけではなく、東京本社との連携も重要になりますが、都度対応になっていたため東京CSメンバーや開発チームにもご迷惑をおかけしたかもしれません。大阪に来る前に、役割の明確化、案件の優先度付やルール化を徹底しておくべきでした。

CS優先度の高い企業様には、時に対面でのCS対応が必要なケースもあります。関西支社としてCS機能を担う場合には、プロダクトのことをより熟知してお客様の懸念点をすぐに払拭できるようになるまでキャッチアップするべきでした。

逆に完全に本社にCS機能をパスする場合は、案件の共有・依頼方法を明確にするべきでした。最近は本社のCSメンバーも増え、体制強化が進んでいるため、非常に助かっております。とはいえまだまだ足りないので絶賛採用中です。

②ツールの徹底的な活用(主にhubspot)

リード件数が増える中、昨年末からビジネスチームでhubspotを使い始めました。ツール選定やその後の運用について東京の営業メンバーに任せきりにってしまい、日々の関西での業務に追われている中、hubspotの運用が疎かになっていました。結果半年経ってそのシワ寄せが来たことを実感しています。

2拠点で営業展開しているからこそ、情報共有、案件管理は整備しなければいけないことを痛感しました。
対面でのやり取りが物理的に減る中、hubspotに限らずツールを活用した情報共有は徹底すべきでした。Slack、Docbase、Google Driveも組織構造に合わせて整理中です。

ツールは手段にすぎませんが、導入する目的を定義して、徹底的に運用まで落とし込まなければ意味はありません。また走らせながら細かいサイクルでチューニングすることも大切です。当たり前のことを実践していきます。
最近hubspot利用企業も増えているようで、活用されている運用担当の方がいらっしゃれば、お茶させてください!

③関西支社として事業計画と採用計画の策定


事業計画と採用計画はセットに考えなければいけないと『NETFLIXの最強人事戦略』の本を読んで気付かされました。
支社設立当初はどちらも曖昧になっており、曖昧な事業進捗と採用状況に陥っていたと猛省しています。

関西は本社とPLを分けた方が良いという話しは聞いていましたが、ペイミー関西支社の場合、そこまでの独立した機能を持っていなかったため、全社の一人の営業マンとしてカウントしていました。勿論、個人のKPI、事業部でのKPIも持っておくべきでしたが、もう少し関西支社としての目標設定ができていれば良かったと感じております。足元の数字に必死になり、中長期の仕込みができていなかったのは、プレイングマネージャーとしての機能が果たせていなかったと反省しています。

7月から3期目を迎え、これまでの実績値を元に、より生きた事業計画ができました。会社運営をしている方にとっては至極当たり前のことですが、年次、半期、四半期ごとに戦略と戦術を考えられるようになったのは大きな進歩でした。全社、事業部、チームレベルで解像度高い計画策定と実行振り返りを今後も続けて参ります。

自身のこれからについて

元々、VCでのインターン経験や大学での研究テーマなどから「ファイナンスの分かる事業経営者になりたい」と豪語していましたが、金融のプロでもない私はここ数ヶ月はありたい姿に思案していました。

ペイミーでは創業期から現場で事業を伸ばすことに専念してきました。特に関西支社に立ち上げから責任を持つようになり、もっと既存事業を伸ばすことに専念したい、もっとトップラインを伸ばす組織を作っていきたいという思いが強くなりました。

そんな中、先に挙げた『THE MODEL』を読む中、売上に対して責任を追うCRO(Chief Revenue Officer)に言及されており、ここ最近の漠然とした思いが晴れました。

会社全体の売上に責任を持つ立場であり、マーケティング、営業、インドセールス、コンサルティング、カスタマーサクセスなど、売上を生み出すプロセスに関わるすべての部門を率いる役割。
大切なのは顧客のライフサイクルを俯瞰して、関連部署をどのように機能させるかだ。人を採用してカバーするのか、テクノロジーの力で自動化するのかなど、常にチューニングしながら全体最適を図る役割が必要となる。

出典:福田 康隆 著『THE MODEL』

この7月から3期目に突入し、会社としても新体制を迎えました。執行役員 事業推進部長に就任し、給与即日払いサービスPaymeの事業責任者となりました。大阪で引き継ぎのご挨拶をした際にも「ご栄転おめでとうございます」など沢山言ってくださったのですが、偉くなったとか、昇格したとか、そういう話しではなく、会社として新事業に取り組む事業開発チームが新たに設けられたため、既存事業を一層伸ばしていきたいという思いで名乗りを挙げた結果でした。本当は事業開発への異動を考えていた中、私のわがままを聞いてくださった、代表の後藤さんと、取締役の跡部さんには感謝しております。

今週から東京で働きますが、決して大阪を離れるわけではありません。全社的に既存事業を伸ばすためにできることは何でもやります。事業責任者としてはまだまだ未熟者ですが、良いと思ったものはガンガン吸収し、カスタマイズし、勝ち筋にぶっこんでいくスタンスでこれからも精進して参ります。

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