「11月17日 夜の絵本カフェ」ほんだメモ
「夜の絵本カフェ」は、
夜集まって、お茶とお菓子をたべながら、
好きな絵本の魅力を語り合う大人の会です。
事前にテーマをお知らせして本を選んでいただいています。
もちろんなにを選ぶかは自由。誰からどんな本が飛びだすのか誰も知りません。
(基本的には絵本。児童書。)
※ 以下、メモです。
文章にしていないのと、心の声も混じっているので
読みづらいかもしれませんがお許しくださいませ。
ちなみに、テーマはひろこ店長が毎回、ドーン!と天命受けたみたいに
突然「赤だ!」とか「キラキラ!」とかいうのです。
1冊目
『かにこちゃん』
きしだえりこ・さく ほりうちせいいち・え くもん出版
ほんだ持参。テーマが「あか」と聞いた瞬間に決まっていた
愛してやまない1冊。
赤いカニの子が砂浜から「おはよう」とでてきて、
ほかのカニの子と一緒に浜辺で遊んで、みんなでゆうやけをみて、
日が沈む頃「さよーなら」と砂の中へ帰っていく。
はさみをふりながら すこ すこ すこ すこ と。
なにかが起こるわけではないのですが、
まるで手をあげて「やぁ」としながら横歩きしていく
かにこちゃんにキュンとしなければ、
他になにに心動かされるのでしょう!?
この本を誰かにいうことが嬉しくて、久々に読み聞かせなるものをしたのにずっとニヤニヤして気持ち悪かったはず。すみません。
ちなみにこのカニの子はシオマネキだそうです。
2冊目
『わたしはあかねこ』
サトシン 作 西村敏雄 絵 文溪堂
しろねこかあさんとくろねことうさんから生まれた「あかねこ」のわたし。
兄妹の中でもあかいのは自分だけ、みんなが心配して
白くなるようにミルクを飲んだら!とか、
黒くなるように黒い魚を食べたら!とか…。
でも、あかねこちゃんはわたしはきれいでかわいいこの色がすき!と
意思がはっきりしている。
うちをでたあかねこは新たな出会いをしていくわけですが…
この絵本、2011年出版なんだなぁ。
今でこそ多様性な考え方は常識になりつつ(まだか)ありますが、
わりと当時は思い切った絵本だったのかも…。
最近出た本で「ピンク色いろのうさぎ」というのもありますねなど話す。
どんな話の流れだったかさだかでないけど、
「赤毛のアン」の話になり、
赤毛ってかわいいよねぇ。
そばかすもかわいいよねぇ。など話す。
この本を紹介してくださった方が、
「ほんとは紹介したい本があったんだけど、タイトルがわからなくて、
本もみつからなくて…自分の中では「赤」といったらその絵本なんだけど」
とのことで
キーワードだけ聞いて、あとから調べることに。
「赤い本」「ゆきのひ」「おくりもの?」「ちいじいさん」「こつこつこここ」「ケーエムベーカリー」
↓こちらの本でした。
『ゆきのプレゼント』
ベアトリス・シェンク・ド・レーニエ 文 ライナー・チムニク 絵
矢川澄子 訳 童話屋
矢川澄子訳…気になる…。
3冊目
『I Can't Wait』 Davide Cali (著) Serge Bloch (著)
表紙をみて、わぁ懐かしいなぁと昔の知人にあった気分。
10年以上前に『まってる。』というタイトルで、
判型も独特で大人の絵本として話題になったっけ。
こやまくんどうさんが訳していたのか…!
1人の男の子が成長し、結婚して、家族ができて、戦争へ行き、家族が亡くなり… 人生の間のあらゆる「まってる」がシンプルな線で描かれ、
そこに必ず「赤い毛糸」が象徴的にでてくる。
今回見せていただいのはその英語版!(フランス語が原書)
英語で読んでそのあと訳をいってくださるのだけど、
「l Can't Wait」を「まちどおしい」と訳していて、そうかぁ‥たしかに。
それにしても英語のタイトルをそのまま訳せばいわゆる「まてない」だし、
フランス語のタイトル「j'attends」を訳すと「まってる」だし、
言葉っておもしろいなぁ。
ちなみに日本語版の出版社の千倉書房さんのHPに小山薫堂さんが
「まってる。」を朗読している動画が公開されています。
https://www.chikura.co.jp/category/select/pid/780
4冊目
『てぶくろがいっぱい』
作 フローレンス・スロボドキン 絵 ルイス・スロボドキン 偕成社
「このおはなし、とっても好きなの!」とご紹介。
男の子があかいてぶくろを片方なくしてしまう。
それを知った町の人達が
「これじゃない?」と届けてくれる。
ぞくぞくと集まるあかいてぶくろ!
男の子の手袋以外はつまり全部他の誰かのものということに…。
そこで表紙の絵のように、うちの庭に手袋をつるしておくと、
手袋を落とした人がまたぞくぞくと集まってきて、無事にみんな持ち主のところへかえるという話。
それにしても手袋をなくしたことが噂で広まって、
みんながそれを気にかけてくれているって、いいなぁ。
ぜんぜん関係ないんだけれど、この町で迷子になっても無事に目的地に辿り着きそうだな…とぼんやり考えていた。
誰かに声をかけたら「あぁそこに行くにはね」と教えてくれたり、
聞いた人がそこを知らなくても一緒に調べてくれたりしそうだな…と。
子どもが、そういう安心感の中にいてほしい。
この本を読んだ子どもが自分も、誰もから気にかけてもらえる存在だと感じてほしいなぁ。
と本をみながら勝手にふける。
※「迷子」は完全に妄想なので、絵本とは関係ありません笑
それにしてもスロボトキンの絵が好きだ。
この絵がハートをやわらかくしちゃうんだろなぁ。うん。
5冊目
『あかいかさ』
作 ロバート・ブライト 訳 しみず まさこ 出版社 ほるぷ出版
表紙はなんどもみていたのに読んだ(読んでもらった)のは初めて!
おもしろかった〜。本が小さいのに、まったくそのサイズ感を忘れてしまうスケールの話と絵。
女の子が傘を持ってでかけると雨が降ってきて、
こいぬがいれってって… ねこ2匹、にわとり3羽…ひつじだやぎだクマだと
とずんずんふえていく。
まぁもうおきまりの展開ですが、とはいえ!入りすぎでしょ!
最初にみた傘のサイズからしたらどう考えても無理!なんですけどねぇ。
みんなで傘に入っているんですよねえ。不思議。
中の絵は白黒の線画で、傘だけが赤い。そこが印象的。
読んでもらいながら、もし自分が小さい頃この絵本読んでもらっていたら、この傘、欲しがっただろうな。もしかすると「あかい」からこう、みんなを受け入れるような傘になれるのかも(つまりおおきくなったりする)と思い込むかもしれないなと、考えていた。
そうしたら赤い傘を欲しがるんだろうな。
みなさんとも読んでる間中
「かさの!」「サイズが!」「いくらなんでも!」
など盛り上がる。
あの「てぶくろ」(福音館の)的展開だね と話す。
6冊目
『あかいてぶくろ』
林木林 文 岡田千晶 絵 小峰書店
ちびちゃんがあかいてぶくろの右手の手袋を森で落としてしまう。
すると森の動物たちが家に持ちかえってナイトキャプにしたり、
布団にしたり…次々と持ち主が変わっていく。
右の手袋の運命は…。
この本の特徴的なところは「てぶくろ」が主役のこと。
ときどきてぶくろの意思がでてくる。
今までみたことのない(ほんだは)展開。
絵もアングルやみせ方がおもしろい。
新しい絵本なので、まだみたことのない方はぜひ。
7冊目
『せかいのはてまでひろがるスカート』
作・絵 ミョン・スジョン 訳 河 鐘基 廣部 尚子 ライチブックス
ひろこ店長紹介。まずは読み聞かせ。
一番遠くから絵をみていたら赤と黄が映えてきれいだった。
誰かが水墨画みたいねといっていたけど、そう…水彩とはまた違うけれど、みずっぽい。東洋的な感じ。
(これについては著者インタビューを読んでいただくとわかります。
韓国の伝統絵画のモチーフが入っているそう。)
内容は…難しかった。
女の子が「あなたのスカートはせかいのはてまでひろがるの?」ときくと
きかれたものが「いいえ でも こうしたらこうなるかもね」とこたえる。
アヒル、トラ、カエル、月などあらゆるものに同じ質問をし、
それそれが答えます。
例えば、みちばちにきくと
「いいえ だけど、いいにおいはどこまでもはれやかにひろがっていくよ」とこたえます。
ここでいう「スカート」の意味とハチがこたえる
「いいえ、だけど」に続く答えが最初はうまくはまらなくて、難しいなと
感じたんだけど
、なんどか繰り返し聞いているうちに外側の枠はなんとなくわかってきたかな…(いや、つかめていないかもしれないけど)
一度読んだだけではわからなかったのでまた何度か、間を置いて読んでみようと思った本。
「なんでスカートなんだろうね?」はそこにいたみんなが疑問に思ったポイント。韓国だから?(民族衣装のチマからきているのかな?)
著者のインタビューを読むと、5歳の姪っ子さんが「このスカートは空の果てまで開くの?」と聞いたのがきっかけでこの絵本を作ったそう。
その質問おもしろいなぁ…。印象的な問いだ。
「なんでこの本「赤」なんだろうね?」赤に統一されてるのはなんでだろ…。ポジィティブとか強いイメージかな?など。
「これ原画のサイズ気になるね」そうだなぁ 大きいのかな。
「題字も赤いね」たしかに。原作の韓国語版の表紙をみたらやはり題字は赤くて(たぶん。もしかすると紫かもしれないけれど)縦書きだった。
総体的に「世界はあなたの思い通りになるよ」というメッセージではないかいう話もでて、なるほどなぁと。
とにかくそこにいたみなさんがそれぞれ思ったことを話してくれて、
1冊の絵本でこうやってツッコんで話すのはおもしろい。
さらにこの絵本には24人の物語の女性登場人物がモチーフとして絵の中に描かれている。(ハイジとか赤毛のアンとか、ハリポタのハーマイオニーとか!)
それを探すのでも盛り上がった。
こちらの本が気になった方は著者インタビューが「好書好日」にあります!
さて、そんな7冊をお互いに紹介「みせてみせて」と開き合いました。
みごとに赤い本が集まっている。
けれど一言に「赤」といっても
選ぶ方の個性がでて思いもよらない本にめぐりあう!
楽しいなぁ。いつもそうだけど、ここで出会う本は印象に残ります。
みんなが熱を持って紹介してくださるからか、夜だからか。
これからもいろいろな本に出会いたいですね!
みなさんともお会いしたいのでぜひ「夜の絵本カフェ」おでかけくださいね。
今日のお菓子は「シフォンケーキ」
えほんやさんの近くにある赤ちゃんと一緒に集えるお店
「親になる」を支えるコソダテの学校3919
こちらのカフェのシフォンケーキをテイクアウトさせていただきました♪
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