【彩雲国物語】外伝「空の青、風の呼ぶ声」角川文庫/ビーンズ版の違い
⚠️この記事は、BL要素(燕青×静蘭)が含まれますので、ご注意ください
2023年3月22日発売 彩雲国物語〈蒼き迷宮の巫女〉が、角川武蔵野ミュージアム隣の建物の書店で早売りしてたので、短編集〈空の青、風の呼ぶ声〉を読み比べしました。
⚠️ネタバレ
加筆箇所
カット箇所
ここがカットされてて双玉(燕青×静蘭)ファンの自分は涙目😭
ここだけに限らず雪乃先生、燕青→→→静蘭の確信的な描写がカットされてます…
そのほか
双玉(燕青と静蘭)の会話や描写が絶妙に変わっていて、
特に燕青ファンの方はぜひ読んでいただきたいです!!
☑月明かりの下で燕青とセイが語り合うシーンで、燕青の陰と葛藤がより分かりやすく描写されている
⇒ 読んで悶絶しました
☑燕青がセイに駆け寄ったシーンである追記がされてます。
⇒ セイがものすごく切なくて愛おしく苦しい。
☑文庫版 彩雲国物語「蒼き迷宮の巫女」の短編集「空の青、風の呼ぶ声」 ・清苑の初登場、燕青との出会いシーン
⇒ ビーンズ版との差異を蛍光ペンで塗るとこんな感じです。
書き換えが一番多いページです。
秀麗ちゃんを置いて静蘭を選ぶ燕青は解釈違いだし、
劉輝を置いて燕青を選ぶ静蘭は、とてつもない解釈違いだし、
双玉は好きなんだけど、妄想が原作の解釈違いを引き起こして、心が苦しい!!
あとは、
燕青はセイ(清苑)と一緒にいると、自身の過去や家族を思い出すのですが、このシーンとつながっていくのが ↓
普段こんな風流のあることを想像しない燕青ですが、
自身の殺意を押し殺しながらも、"セイの気配"と、月とあわさって、美しい姉君の記憶を思い出す美しいシーンです。
このシーン、セイ視点の燕青の姿の描写なので分かりづらいですが、燕青→セイ×月から美女の姉を思い出す、ロマンチックなシーン。
気のせいと言われても、双玉的には全力でこうなんです!と推します🤭
想いは遙かなる茶都へ
ビーンズ版にはあって文庫版で削除されてるのが、
燕青が静蘭に「今度はずっとくっついて〜…」の次の文。
これもね……カットされているんです~~~~~
鈴蘭の咲く頃に
「ビーンズ版と角川文庫版、どっちを買えばいい?」と悩んでるかたは、
余力があれば好きな巻は両方揃えることを強くおすすめします。
文庫版のほうは、表現がシンプルにまとまっており、読みやすい反面、ところどころ削除箇所があり、個人的にはビーンズ版のほうが考察が深まる印象です。
やっぱり公式が最大手
実は、彩雲国の双玉(燕青と静蘭)の現パロを雪乃先生が執筆されてました。
タイトルは〈永遠の夏をあとに〉です。
舞台は1999年のとある田舎。
羽矢拓人(12歳)と弓月小夜子(サヤ・拓人より年上の美少女)を巡る幻想文学風な淡い恋物語です。
この作品に短編「空の青、風の呼ぶ声」のモチーフが登場します。
⚠️ネタバレ
拓人=燕青、サヤ=静蘭 としてみると、
拓人…6年前のサヤと山で過ごした夏休みの記憶を失っている
サヤ…白いワンピースか制服を着ている。月の光ような儚い美少女
⚠️重大ネタばれ ↓ ふせったー↓
☑キーワード「2番目に大切なもの」が拓人とサヤの間で出てきます
⇒燕青にとって静蘭は「2番目に大切」という、
双玉ファンを悩ますキーワードがまさかここで昇華されている
☑拓人はある事情でサヤの記憶を失っていたけれど、徐々に思い出す
☑拓人からサヤへ想いがあるものの、サヤは自己評価がとても低いため、拓人の救いの手を素直には受け取れなかった
☑拓人はピアノが弾ける
⇒燕青の声優さん、某乙女ゲーでピアノが弾けるキャラを担当してました
お話の山場は、泉鏡花「春昼・春昼後刻」をモチーフに
現と夢の境が表現されており彩雲国物語「骸骨を乞う」の「冬の華」に似ています。
拓人のサヤへの想いや関係性が、私のなかの二次創作、
燕青から静蘭への想いに非常に近くて、公式が公式すぎて公式なんだが!?
数年経た現在、またこの感覚を味わえるなんて!
「ひとりの双玉ファンが幻覚を見てるよ」と呆れてらっしゃるかもしれませんが、設定があまりに静蘭と燕青すぎるんですよ!
それを先生が書いてらっしゃるってことは、ものすごくこのふたりのことを先生は大好きだと判明して、もう私はどうしたらいいのか……
ぜひ〈永遠の夏をあとに〉と〈空の青、風の呼ぶ声〉を一緒に読んでみてください!
私のなかの彩雲国の双玉(燕青×静蘭)は
燕青→あなたを看取った後に死にたい(覚悟)
静蘭→あなたのために生きたい(信仰)
燕青には静蘭の死に水を取らせたいし、
静蘭には燕青をひとりにさせたくなくて生き続けてほしい。