【なぜ中国人は声が大きくてうるさいのか】 ほぼ中国ビジネス(343号)

当メルマガ編集長の江口です。

中国駐在12年目になりますが、そんな私も常々疑問に思っていることの1つが「なぜ中国人は声が大きくてうるさいのか」ということ。

スマホが普及して、12年前と比べてかなりましになりましたが、それでもレストランとかオフィスでも複数人集まって話すと結構声が大音量になりますよね。

つい先日も、知人の中国人に質問してみて、中々納得感のある回答をもらえなかったのですが、そんな疑問に対して一つの回答を提供しているサイトがあったので紹介したいと思います(こうみくさんという華僑の人のnote)

【なぜ、中国人は声が大きくてうるさいのか?】
こうみくさんのNoteは、全文を見る場合には有料になる場合もありますが、中国人の今を理解するために役に立つことが多く書いてあるのでお勧めです


また先週のメルマガで出させて頂いたお題「今、中国人(投資家)が、日本の企業に投資する理由」。

10名程度の方から回答を頂きましたが、残念ながら正解者はいませんでした。

友人の中国人投資家が言っていた正解は、「日本では安いコストで資金調達できるから」でした。特に信用力がある上場企業等は安い利息で借入が可能です。そこで調達したカネを使って中国(や日本国外)の事業拡大のために投資を行うことで投資効率を高める…ということでした。

海外資本(特に中国資本)を毛嫌いしがちな日本だと、色々面倒なことがあるようですが、それでもなお安い調達コストは魅力的なんですね。

それでは今週のメルマガをお届けいたします。


■今週号の目次:

1.【気になる中国時事ネタ解説】
2.【編集長の独り言】
3.【編集後記】

■【気になる時事ネタ解説】

時事ネタの中から気になるものを編集長江口の独断と偏見でセレクトし、 個人的な見解をコメントするコーナーです。

「中国」「中国以外」それぞれのカテゴリーに関して私自身の主観的な 基準で、面白い・価値があると思う時事ネタを各10個程度に絞り込んで ご紹介します。

(1)【鍵を握るのは日本か――世界両極化】
遠藤誉先生のコラム。中国も想定内のようなので、トランプがまた奇想天外な形でこの流れをまた引き戻すのではないだろうか

(2)【トランプ「25%」表明に対する中国の反応と決定に対する中国の今後の動向】
こちらも遠藤誉先生のコラム

(3)【「台湾は中国の一部」と言い切る郭台銘のヤバさ】
福島女史のコラム

(4)【中華料理を自動化せよ――中国「ロボットレストラン」をいく】
これはこれですごいなぁ

(5)【印・格安ホテルチェーンOYO 中国でフランチャイズ解約が相次ぐ】
インドのホテルチェーン中国で頑張っていたんですね。OYOはじめて知ったけどソフトバンクビジョンファンドの投資先でもあるんですね

(6)【テンセントが海外版ゲームストア「WeGame X」をリリース 海外に活路を求める】
テンセントのようなキングでも、ゲーム事業がうまくいかないと大変になる

(7)【ユニクロが中国で絶好調、日本は「ローカル地域の一つ」に降格へ】
世界的に成功すれば極めて当たり前の話。その当たり前の状態にすることが難しいのだけれど。

(8)【実験:アリババの「AIホテル」顔認証の限界に挑戦した結果……】
アリババAIホテルの体験記

(9)【中国の一部人気サービスは大赤字で成り立っている】
山谷さんのコラム

(10)【たまる一方の小銭をビジネスに 「HEYCOINS」の硬貨回収サービス】
これはキャッシュレス時代に必要なサービスかも。中国でたまに現金を使わざるを得ず、100元を使って汚いお札や1元硬貨をもらったときの残念感は半端ないので

(11)【ある中国のMBAスクールが欧米の名門を超えた】
ここまで順位を上げるのはすごい。私も今30歳ならアメリカではなく中国に留学したかも

---ここから中国と無関係の日本等のトピックTOP10---


(1)【Facebookはピボットしようとしている】
Facebookがグローバルの微信を目指すという話。Facebookがアリババと組んで、なんらかの形でテンセントをガチで潰しに行くとかあったら面白そう 

(2)【「シックスパッド」のMTG、利益9割減の大誤算】
MTGは最近逆風だったんですね

(3)【世界の富裕層が流出している国、流入している国をマップ化してみたら、意外な真実が見えてきた】
これは面白い統計データ。日本は入も出も全く誤差程度で統計対象外ということもまた面白い

(4)【バフェットはなぜ今頃アマゾンに投資したのか】
バークシャー・ハサウェイ社の株主総会に参加した様子の記事

(5)【閉塞と混乱の只中にある日本社会 打開するために必要な見識とは】
やまもといちろう氏の渾身の傑作。やはり次世代の日本を引っ張っていくのはあの人しかいない(笑)。

(6)【闇金ウシジマくん作者が見た平成格差社会】
ウシジマくんの連載が終了したらしいので、コミック(Kindle)の最新巻の発売が楽しみ

(7)【広さ9平米の快適アパート スマホ生活でこれで十分】
日本の95后、00后の生活感はこんな感じなんだろうか

■【編集長の独り言】
   経営者インタビュー:ベネフィット・ワン(上海)結城総経理

今週は、少し趣向を変えて、インタビュー記事を掲載したいと思います。先日、中国でも福利厚生サービスを提供しているベネフィット・ワン(上海)の結城総経理に「中国人に喜ばれる福利厚生」、「とてもユニークな新しいビジネスモデル」についてインタビューさせて頂きました。

【中国人社員によく利用される福利厚生サービスメニューとは】

江口:御社は中国でも日本と同様にカフェテリア形式の福利厚生代行サービスを提供しているんですよね?

結城:そうです。企業から社員に対してギフトカード、物品を直接提供する代わりに弊社の福利厚生ポイントを提供してもらうことで、ポイントを受け取った社員が、弊社の福利厚生メニューの中から好きなものを自由に選べるサービスです。

江口:中国人社員に人気のある福利厚生メニューってどんなものなんですか?
結城:最近は「体験型」の福利厚生です。中には福利厚生のメニューを「体験型」に限定し、ポイントを付与する企業も出てきています。例えば社員の健康管理のためにスポーツジムの回数券や、高級健康診断を提供する企業もあります。また福利厚生ポイントの交換で自己学習を選ぶ社員も増えています。日系企業の場合に日本語を学ぶ人が多いのは昔からだと思いますが、最近はブルーワーカー向けのExcel、PowerPointのEラーニング研修も人気があります。

江口:社員自身ではなく家族向けの福利厚生も人気ありますか?中国人社員に対してだと「家族をうまく巻き込む」というのが一つのキーポイントだと個人的には考えているので。

結城:そうですね。例えば「子供向け英語教室」も人気ですし、両親への「介護用品・介護サービス」なども利用されています。医療保険などもありますが、自分向けよりも子供向けや両親向けのが人気があります。

【新しいビジネスモデル】

江口:基本的に御社のビジネスモデルは、お客様企業の社員が福利厚生ポイントを商品・サービスに交換してはじめて収益が上がる感じですか?

結城:今まではそうでした。福利厚生ポイントと交換する商品・サービスの仕入金額と販売金額(お客様利用ポイント)の差が弊社の収益になる感じです。ただ今度新しいビジネスモデルを導入しようと思っています。例えば、社員1人当たり10元から5元/月の会費をもらう代わりに、商品・サービスの提供時に弊社は中抜きせずに仕入金額のままで福利厚生ポイントと交換できるような新サービスです。そうすることにより必ず最安値での商品提供が可能となり、福利厚生としての付加価値を高められると思っております。

江口:それは面白いですね。最近流行りのサブスクリプション型ですね。10元から5元/月という価格はどうやって決めたんですか?

結城:なんとなくですね(笑)。一般的に日系企業が1人の中国人社員にかける福利厚生費用は1,000~1,500元/年と言われています。10元から5元/月であれば年間120元から60元ですので、給与を10元/月あげるよりは社員へのインパクト・メリットも大きく、企業にとっても大きな負担にならないと考えました。

結城:最近弊社は中国EC大手のJD(京東商城)と提携して、弊社の福利厚生ポイント交換システム上でJDの全ての商品と交換できることになりました。これまで交換できる商品・サービスは4,000アイテムだったのですが、一気に4,000万アイテムに増えることになります。さらに弊社を通すことでJDの商品を10%0FFで購入できるので、利用する社員の皆様にとっても、よりお得に商品を提供できることになります。また福利厚生ポイントの交換だけでなく、会員の方がポイントを使わずに自分で全額費用を支払う形でも10%OFFでJDの商品を購入できるので、すごく便利です。普段JDを利用している社員は、会社から提供された福利厚生を利用することで、日々の生活が豊かになり可処分所得が上が ります。そうすることで会社への帰属意識も高まるのでは?と考えています。このサービスは、将来は会社単位ではなく個人単位でも加入できるようにすることを考えています。

江口:それは魅力的なメニューですね。企業の経営者や人事責任者を口説くよりも、社員層にこのサービスを知らせて、社員の人に経営者や人事責任者を説得して導入してもらうようにするのもいいかもしれませんね。JD以外との提携も考えていますか?

結城:もちろん考えています。現在交渉中ですが、例えばTmall、美団、Luckin coffeeなど中国人消費者がよく利用しているAPPと連携することで、より魅力的なプラットフォームになれればと思います。

江口:色々新しいことにチャレンジしていいですね。他に何か新しい試みをしていますか

結城:今は「いいね」の時代だと思うんですよね。承認する文化は、中国でもきっと定着すると思います。そこで現在開発中の弊社の福利厚生サービスシステムの一部として、顧客企業の社員同志で「いいね」を送りあえる社内SNSツールも開発しています。「頭いい!」とか「頑張ったね!」など企業ごとに複数種類の「いいね!」を設定できるようにしようと思っています。

江口:それはいいですね。中国人には絶対流行ると思いますよ。企業の価値観定着などにも使えそうですね。私もそういうシステムあったらぜひ自社にも入れたいくらいです。ちなみに利用料金はどれくらいを考えていますか?

結城:基本的には無料で使えるようにしようかと(笑)。「いいね!」の数に応じて、弊社の福利厚生ポイントを付与してもらうことで、弊社のサービス利用にもつながると考えています。

江口:結城さん、中国赴任1年でバリバリ新しいことを仕掛けていてすごいですね。「いいね!」システムが完成したら、ぜひまた教えてください。ありがとうございました!

結城:こちらこそ、ありがとうございました。

【結城さん連絡先】 ベネフィット・ワンのサービスに興味のある方、結城さんと連絡を取りたい方は、こちらにメールをして頂ければと思います。 メールアドレスyuki@benefit-one.com.cn 電話番号:021-6841-1000


■編集後記

心がおだやかではなく、イラッとしがちなときに、こころを落ち着けるよい方法をTwitterで見つけました。

【1分でできる「くるくる耳マッサージ」】
私も気分転換をしたいときにやっていますが、結構効果がありそうな気がします(笑)。一度お試しください。

ご感想・ご意見・ご質問は、お気軽にご連絡ください。よろしくお願いいたします。
お問い合わせ先:info@gml-sh.com

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