【中国で話題の口紅を塗る動画を配信するイケメン】 ほぼ中国ビジネス(335号)

「ほぼ中国ビジネス」の江口です。


■今週号の目次:

1.【気になる中国時事ネタ解説】
2.【編集長の独り言】
3.【編集後記】

■【気になる時事ネタ解説】

時事ネタの中から気になるものを編集長江口の独断と偏見でセレクトし、 個人的な見解をコメントするコーナーです。

「中国」「中国以外」それぞれのカテゴリーに関して私自身の主観的な 基準で、面白い・価値があると思う時事ネタを各10個程度に絞り込んで ご紹介します。

(1)【全人代「GDP成長率」を読み解く】
「GDPは成長率だけでなく、絶対値も見る必要がある」という遠藤誉先生の主張は全くその通り

(2)【全人代「日本の一帯一路協力」で欧州への5G 効果も狙う】
こちらも遠藤誉先生のコラム。日本政府も中国と強かに渡り合って欲しいところ。

(3)【リストラの嵐に逆行、フードデリバリー「餓了麼」と口コミサービス「口碑」が6000人を新規雇用】
アリババ系はこのタイミングでアクセスを踏み込んで、競合を蹴散らす作戦か

(4)【自転車シェアリングのパイオニアMobikeが国際事業をすべて閉鎖し中国に退却】
あらあら。中国国内事業も危ないのではないだろうか

(5)【テスラの値下げ、中国で広がるオーナーの不満】
確かに文句を言う人の気持ちは分かる

(6)【料理宅配インフラ「熊猫星厨」】
外売(宅配)料理ブランドのためにキッチンの賃貸、運営などのサービスを提供するインフラサービスが広がっています。「熊猫星厨」は現在北京、上海、杭州、深センなどで75店舗展開し500種類の飲食ブランドが利用しているようです。なんでもシェアの時代ですね

(7)【中国で話題の口紅を塗る動画を配信するイケメン】
Live放送で5時間半で380個の口紅を塗っているところを放映し、353万元を売り上げるイケメン。「イケメン男性×口紅」という新しい切り口。

(8)【中国を拠点にリテイル・ビッグデータサービスを手掛けるYo-renが第三者割当による総額約12億円の資金調達を実施】
元メルペイの家田さんも合流したYo-renが今後加速するか。金田さんぜひ頑張ってください

---ここから中国と無関係の日本等のトピックTOP10---

(1)【ゴーン代理人、弘中惇一郎弁護士「カミソリの切れ味を試してみたい」無罪めざす】
いきなり保釈請求を裁判所に認めさせた弘中さん。これは今後の戦いは見もの

(2)【インドとパキスタンの発火点、カシミール問題とは何か】
結構緊張状態なんですね、今。その歴史的拝見も分かるサイト。

(3)【テスラは販売をネットに限定し販売店を全て閉鎖】
自動車販売の新しいビジネスモデルが始まるか

(4)【パナソニック社長、在任8年でも退任できぬ事情 「ポスト津賀」には「4人のキーマン」が浮上】
パナソニックの次期社長候補は50代前半。これはいい傾向。

(5)【Netflixスターの片づけエキスパート「こんまり」が40億円超の資金調達へ】
こんまりが爆発的にヒットしたNetflixの放送は今年の1/1に始まったばかりだったのね。多分Netflixに出演するようになるまでにかなりの苦労があったのではないだろうか

(6)【「ロバート秋山」をテレビでやたら見かける理由 狂気と悪意による批評型「メタ芸」の魅力とは】
確かにロバート秋山は替えが効かないオリジナリティがある。この記事を見て「グローバルTPS物語」をYouTubeで検索してみたら、かなり面白かった

(7)【「おまえ、noteぐらいやっとけよ」と若者に煽られる選ばれし者の記憶】
やまもといちろう氏が、中学時代の闇を自ら書く。

(8)【「noteが成長している」と煽るのは(いい意味で)やめてほしい】
先週から知人のおすすめで、当メルマガのコンテンツを notes にも掲載するようにしております
 


■【編集長の独り言】
   新富裕層は、アート、ワイン、時計、ジュエリーに投資する

皆さん「胡潤百富」をご存知ですか?

胡潤百富は、イギリス人会計士ルパート・フーゲワーフ氏が1999年から毎年発表している中国人長者番付です。

その胡潤百富の元編集長に聞いた新しい富裕層の話について書こうと思います。中国では今「新貴(シングイ)」と呼ばれる人たちが台頭してきています。これまで中国の富裕層として注目されてきた億万元長者ほどの資産は無いけれども、1千万元程度の可処分所得がある人たちのことを「新貴」と呼ぶそうです。

この新貴の特徴は以下の通り。「35~45歳」、「43%はMBAか修士以上の学歴」、「年間の(土日祝日以外の)休みは20日間(旅行に行くことが多い)」、「車保有台数3 台」、「定期健康診断受診70%」、「タバコ吸わない50%」、「ワインを飲む70%」、「平均睡眠時間:6.6時間(平日)、7.2時間(休日)」

これまでの富裕層の代表的な職業であった企業家、不動産・株投資家に加えて、「大企業のエグゼクティブ」が、この新貴に入ってくるそうです。

これまで10年間は買えば必ず上がる「株」と「不動産」の2つが富裕層の資金の投資先でしたが、株と不動産の成長神話に陰りが見え始めたここ数年は、新たに4つの投資対象が新貴の注目を集めているそうです。

何だと思いますか?

私は最初、「穀物の先物売買」や「金(ゴールド)投資」かと思ったのですが、全く違いました(だから私は富裕層にはなれないのでしょう)。

まず1つ目は「アート(芸術品)」です。中国アート取引額は1,000億元を超え、なんと既に世界一だそうです。

2番目が「ワイン」。(私はワインに詳しくはないのですが)シャトーラファイエ、シャトーラトゥールなどが新貴には人気があるそうです。面白いことに、シャトーラファイエでは、年間30万本しかワインを生産していないにも関わらず、その年のシャトーラファイエのワインが中国で300万本販売されているとのこと。そうです、中国で販売されている9割がニセモノということです(笑)。

そして3番目は「時計」、特にアンティークです。しかし中国人富裕層による時計の購入額が2013年以降は大きく減っているようです。習近平総書記の倹約方針の影響ですね。中国の政府高官は、これまで贈答品としてもらった高額な時計を競って身につけていたのですが、最近は高価な時計をしている写真を一般人に取られて微博等、中国版SNSにアップされると、瞬く間に広まって悪評が立ち、失脚する恐れがあるので、時計をしない政府高官が増えているようです。しかも、公衆の面前では気を使って時計をしなかったとしても、時計の日焼け後が手首に残っていると、それはそれで有らぬことを詮索されるので、最近政府高官は、人前ではずっと、左手の手首を右手で覆い隠すようにするのが習慣になっているとか。

そして4番目がジュエリーです。このような新貴の新しい投資対象であるアート、ワイン、時計、ジュエリー。この4つに共通している特徴があります。

それは、

(1) 同じ趣味の人と交流できる (2) 自分自身でも利用できる (3) 長く保有すればするほど価値が増える

特に(3)が、実利を重視する中国人らしいですね。

投資対象ではありませんが、「ヨット」と「プライベートジェット」というのも新貴を含む富裕層の関心が高くなっているアイテムだそうです。

最後に、そんな新貴に会うためには、どこに行けばいいか。新貴がよく出没する場所は、こんなところだそうです。

「(VIPメンバーだけ招待される)有名ブランドの新商品発表会」、「(VIPメンバーだけ招待される)ワインの試飲会」、「チャリティイベント(CSRへの関心が高いため)」、「高級車やF1のパーティー」、「芸術サロン」、「ゴルフやポロのイベント」、「ヨット、プライベートジェット展示会」

どれも中々、我々庶民が簡単に行けるところではないですね(笑)。

■編集後記

皆さんの中でご存知の方も多いと思いますが、Newspicksが幻冬舎を切ったことに腹を立てた見城氏のツイートが話題になったNewspicks事件(実は私もNewspicksの有料会員です)。その中心人物である幻冬舎箕輪氏が実際のところがどうなのかを率直に語った記事です。

【幻冬舎 箕輪氏 見城氏Newspicks事件を語る】
なんとなく実情が分かって面白いです


今回も最後までお読みいただきありがとうございました。これからも日本のビジネスマンの皆さまに役立つリアルな中国情報を提供できればと思っております。

ご感想・ご意見・ご質問は、お気軽にご連絡ください。よろしくお願いいたします。
お問い合わせ先:info@gml-sh.com


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