見出し画像

ALW|22/23EFLチャンピオンシップを戦ったアーセナルのローニー Vol.1


◆ハリー・クラーク(ストーク→イプスウィッチ)

ポジション:RFB/RSB イングランド/22歳
試合出場:38試合 先発25試合 (Championship:18/League One:20)

19歳の時にオールダム(L2)で32試合出場を記録して以来、3年ぶりにシーズン通してプレータイムを確保した。しかし、彼はもうアーセナルの選手ではない。シーズン前半はストークに所属したが、1月に完全移籍で地元のイプスウィッチに加入した。
ストークに加入してコンスタントにプレーし始めたのは10月から。右サイドを力強く駆け抜け、一時はサイド攻撃の一翼を担っていた。年末から年始にかけても、おそらく戦力扱いされていたと想像するが、本人の希望もあり地元クラブであるイプスウィッチへ完全移籍。
12月31日バーンリー戦、ハリー・クラーク(とコンパニバーンリー)を見るために、極寒のストークを訪れた。(ちなみにホームグランドのブリタニアは小高い丘の上にあり風が強く、特にナイトゲームはとても寒い)
当日もスターターに名前があり、実際プレーを見てみると、とにかく猛然と縦にプッシュしていた。そしてキャリー時の初速が異常に速く、相手DFを置き去りにすればビッグチャンスになる。ただ、デリバリーの精度が低い。元々ユース時代はIHでプレーしていたこともあり、ゴールへの直線的な動きやボックス進入時は期待を持たせてくれるが、サイドからのデリバリーとクロスボールにかなり難がある。TOとキャリーのスタッツは悪くないのに、パススタッツが壊滅的なのはそのせいだろう。
ディフェンススタッツのインデックスも悪くない。フィジカルも見た目通り強く、当たり負けしないし、プレスバックも厭わない。
個人の課題はやはりファイナルサードのクオリティだ。
シーズン後半のイプスウィッチでの試合を見きれていないのと、スタッツの詳細が出ないので現状の評価や役割をうまく伝えることが出来ず歯がゆい思いだ。来季はチャンピオンシップに復帰するので、フルタイムマッチを見る機会が増えるだろう。すでに彼はローニーではないが、追いかけていければと思う。


◆オーストン・トラスティ(バーミンガム)

ポジション:CB/LSB アメリカ/24歳
試合出場:44試合 先発44試合

チャンピオンシップの試合数はシーズン全46試合だが、たった二度の軽傷をしただけで、プレーを続けた。これに3試合のカップ戦がプラスされる。さらにシーズン終盤にはUSMNTに初召集されて代表も経験した。もっと言うと、先々シーズンはMLSからの移籍に伴い、まとまった休みをとれていない。実はまだある。極めつけは今シーズンのオフもコンカカフ主催の代表戦がある。
それでも毎試合、集中してゲームに出続けて、ローニーにしてバーミンガムサポーターの選ぶPOTSを受賞。1月3日新年早々、セントアンドリュースに向かってボロ戦を観戦。実際のサイズが思っていた以上にスリムだった。それでも当たり負けしない丈夫さが備わっている。極端にレフティ然のボールさばきなのかと勝手に思っていたが、実際はそうでもなかった。そして現地のファンからのコールがものすごかった。実際左サイドのバーミンガムベンチ脇のシートを取ったが、選手への声援が続いていた。(もちろん彼だけではないですが…)
GKも含めたチーム試合出場時間1位のため、バーミンガムのプレーヤースタッツを見る際は常に一番上にいるので見やすい。ディフェンシブスタッツはほぼ全てチーム上位で特にブロック数は断トツ。それでいてキャリー回数もチーム2位と攻守にわたりチームに貢献した。課題として聞こえてきたのは空中戦で、確かにこの数値は勝率55%と若干物足りないが、他のスタッツを見たうえでここを突くのはナンセンスだ。
来季はアーセナルには戻らず完全移籍の見通しと報道されているがどうだろう。個人的には、国内リーグで昨シーズンの活躍の続きを見てみたい。


◆オマール・レキク(ウィガン)

ポジション:CB チュニジア/21歳
試合出場:11試合 先発10試合

冬にエールディビジからウィガンに加入したチュニジア代表のレキク。オランダ生まれでヨーロッパのユースを転々…としたクラブが大手ばかり、フェイエノールト、マンシティ、PSV、マルセイユ、ヘルタベルリン、そしてアーセナルである。兄のカリムはオランダ代表を選択しているが、オマールは21年チュニジア代表を選択した。
先シーズンは試合数が少ないため能力の片鱗を見せた程度。大きく印象に残るプレーは見出せなかった。DF面の数値はnot badでインターセプト回数が割と高かった。キャリーもチーム内では上位、中距離パスのトライ数と成功率が高く、縦への攻撃意識が見られた。実際の試合映像でもその点は目立っていたと記憶している。
ウィガンのチーム状況と自身の怪我で、難しいローンとなったが来シーズン以降に期待する。ジョージ・バード氏のローニーレビューを参考にすると、来季は完全移籍をするのではないかという見立てだ。トップチームの現状を考えるとそれが望ましいかもしれない。


スタッツ引用:FBREF


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?